【コロナノコトバ】PART.1770
■🇬🇧英国:『50歳以上にワクチン3回目接種へ…来週から』
英政府は9月14日、冬に向けた新型コロナウイルス対策を発表した。▶︎50歳以上の人らを対象に来週からワクチンの3回目の接種(ブースター接種)をするほか、12~15歳にも接種する。▶︎ワクチンで免疫力を高め、ロックダウンなどの規制を回避する。▶︎ブースター接種は50歳以上、医療従事者、16歳以上で基礎疾患を持つ人らが対象だ。▶︎2回目の接種から6カ月がたっていることが条件となる。▶︎メッセンジャーRNA(mRNA)タイプである米ファイザーと独ビオンテックのワクチンを使う。▶︎ファイザー製がない場合、半分の量の米モデルナ製を接種する。▶︎mRNAでアレルギー反応が出る場合、英アストラゼネカのワクチンを使う。▶︎🇬🇧英国ではこれまでに16歳以上の81%が2回のワクチン接種を受けた。▶︎ジョンソン首相は9月14日の記者会見で、成人の9割は抗体を持つとした上で、ブースター接種が「さらに高い免疫の壁をつくる」と述べた。▶︎12~15歳についても、ワクチンを1回接種する。▶︎今後重症者が増えて医療体制が逼迫する場合は、人口の大半を占めるイングランドで「プランB」としてマスク着用の義務化、在宅勤務の推奨、イベントなどでのワクチンパスポートの提示などの対策を取る。▶︎ジョンソン首相は「多くの人が免疫を持っている事実により、我々は過去のロックダウンに戻らなくてよいと自信を持てる」と述べた。▶︎ロックダウンはプランBに効果がない場合の最後の手段と位置づけている。▶︎英政府は7月に規制を全面的に解除して以来、コロナとの共生路線を進む。▶︎1日の感染者は3万人程度と高水準だが、ワクチンが行き渡ったこともあって死者や重症者数はこれまでの流行時のようには増えていない[2021.09.15]
■🇮🇱イスラエル:『ブースター接種…コロナ感染の割合大きく減らす効果』
🇺🇸米ファイザーと🇩🇪ドイツのビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が60歳以上について新型コロナ関連疾患の発症の割合を大きく減らす可能性があることが、🇮🇱イスラエルの短期研究で明らかになった。▶︎🇺🇸米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」に9月15日発表された論文によると、ブースター(追加免疫)接種を受けたグループは接種の12日後から、標準的な2回接種のグループに比べて感染の割合低下が11倍、重症化の割合低下も約20倍だった[*Bloomberg 2021.09.16付記事抜粋]
■『3回接種が進んだ🇮🇱イスラエルで感染爆発…4回目を準備』
新型コロナウイルスのワクチン接種で世界の先陣を切った🇮🇱イスラエルは、ワクチンの効果を持続させるブースター接種(3回目の接種)にもいち早く着手した。▶︎それにもかかわらず今、感染者が急増している。▶︎9月14日には新たな感染者数が1万730人、直近7日間の平均は1万1027人だ。▶︎「これまでの波では存在しなかった記録だ」▶︎イスラエル保健省の新型コロナ対策を率いるナフマン・アッシュは9月14日に議会の委員会にオンラインでそう語ったと、地元メディアが伝えた。▶︎2021年6月には1日の感染者数を10数人前後まで抑え込めていたが、今は過去のピークを上回る第4波の真っ只中にある。▶︎「1週間前には明らかな減少傾向が見られたが、ここに来て下げ止まり、Rの数字が(再び)1を上回った」と、アッシュは警告した。▶︎Rとは1人の感染者が何人に感染させるかを示す実効再生産数(Rt)のこと。▶︎1を下回れば感染は収束に向かうが、上回れば拡大を続ける。▶︎「今後より顕著に減少すると思いたいが、現時点ではその兆しは見えない」
◆学生フェスや巡礼で密集……
🇮🇱イスラエル政府のコロナ対策の最高責任者サルマン・ザルカによると、9月13日の新規感染者1万556人の半数は未成年者だ。▶︎ザルカによれば、保健省は政府に対し、大規模な集会を規制し、サッカーの試合など大観衆が集まるイベントを禁止するよう要請してきた。▶︎だが当局の警告にもかかわらず、9月初めには港湾都市エイラートで恒例の学生フェスが実施され、全土から集まった若者たちがどんちゃん騒ぎを繰り広げた。▶︎高名なラビ(ユダヤ教の聖職者)の墓があるウクライナ中部のウマニへの巡礼も、昨年は見送られたが今年は再開され、ワクチン接種を拒む超正統派のユダヤ教徒が大挙して参加した。▶︎今後もこうした大規模イベントが次々に実施されると見られる。▶︎9月に入りザルカは4回目のワクチン接種に向けて準備を進める考えを示した。▶︎「ウイルスが存在し、今後も存在し続ける以上、4回目の接種にも備える必要がある」と、ザルカは9月4日、公共ラジオの取材に応えて語ったが、実施時期は明らかにしなかった。▶︎ザルカによれば、4回目の接種では、感染力が強い🇮🇳デルタ株など新たな変異株に対応した改変型のワクチンを使う予定だ。▶︎今後も新たな変異株が次々に出現し、感染拡大の「波が繰り返される」と見られるため、定期的なブースター接種が「ニューノーマルになる」と、ザルカは予告する。▶︎🇮🇱イスラエル保健省は、今の第4波を乗り越えても、第5波は必ず起きるとの前提で準備を進めているという。▶︎🇮🇱イスラエルは2020年12月に他国に先駆けてワクチン接種を開始し、2021年3月初めには国民の半数以上が2回目の接種を済ませていた。▶︎その後保健当局は、新たなデータで時間の経過と共にワクチンの効果が低下することがわかったと発表。▶︎7月末には高齢者を対象にいち早くブースター接種を開始した。▶︎当初は、重症化のリスクが高い60歳以上を対象に、ファイザー製ワクチンの3回目接種を行なっていたが、8月には対象年齢が40歳以上に拡大された。
◆米政府も追加接種を目指すが……
🇮🇱イスラエルのナフタリ・ベネット首相は8月フェイスブックの公式アカウントで、わが国は世界に先駆けてブースター接種を実施することで、グローバルなコロナとの戦いに、データ提供という「偉大な貢献」をしていると述べた。▶︎「🇮🇱イスラエルはグローバルな知識に偉大な貢献をもたらそうとしている。▶︎われわれなしでは、世界はブースター接種の正確な有効性も、打つべきタイミングも、感染状況への影響も、重症化への影響も分からないだろう」。▶︎🇮🇱イスラエルでは早期にワクチン接種を受けた人たちの抗体レベルの低下を示すデータがあると、公衆衛生当局の責任者シャロン・アルロイプライスは述べているが、追加接種が進む今も、全土で感染者が増え続けている状況を見ると、ワクチンだけでは感染拡大は止められそうもない。▶︎🇺🇸アメリカでも近々、ブースター接種が始まる。▶︎🇺🇸米食品医薬品局(FDA)は9月12日、臓器移植を受けた人など免疫力が低い人に限り、ファイザー製とモデルナ製ワクチンの3回目の接種を認める方針を発表した。▶︎バイデン政権は9月末から医療従事者や高齢者を対象にブースター接種を進めたい考えだが、FDAも米疾病対策センター(CDC)も今のところ一般の人たちは2回の接種で十分に守られているとして、追加の接種は必要ないとの見解を変えていない[*Newsweek 2021.09.16付記事抜粋]
■『ブースター接種の効果とタイミング…抗体量が減ってきたら打てばいいのか?』
感染症には麻疹や水ぼうそうのように一度かかると「一生もの」の免疫ができるものもあれば、インフルエンザのように繰り返しかかるものもある。▶︎新型コロナウイルスはどうやら後者のようで、感染予防効果を高めるためにワクチンを2回接種した人のブースターショット(追加の接種)が検討されている。▶︎これって効果はあるの?
◆抗体価は3カ月で4分の1に減少……
米ブラウン大学などの研究によると、ファイザー製ワクチンの2回接種済みの人の抗体価が6カ月後に平均8割以上も弱まることが分かった。▶︎調査は介護施設居住者(平均76歳)と医療従事者(同48歳)の計212人を調べたもので、2回接種完了から2週間後の抗体価に比べ、6カ月後は約84%も減っていた。ファイザー製と同じmRNAワクチンであるモデルナ製ワクチンも、6カ月後までに徐々に抗体価が減少していくことが報告されている。国内での調査でも似たような結果が出ている。藤田医科大学が教職員209人を対象にファイザー製ワクチンの抗体価を調べたところ、2回目接種のピークに比べ3カ月後の抗体価は約4分の1の平均26.8%に減っていた。年齢が若い人ほど3カ月後も数値が高く、また男性より女性の方が高い傾向があったが、抗体価そのものは3カ月後に大幅に減っていた。この日米の両方の調査からも明らかなように、人種に関係なく時間の経過と共にワクチンの効果が減弱する可能性はある
◆インフルワクチンの有効期限は5カ月……
mRNAワクチンとは違うが、他のワクチンも「一生もの」でないものはある。例えば、狂犬病ワクチンの有効期間は2年、日本脳炎が5年、三種混合(Tdap)も10年とされる。最も代表的なインフルエンザのHAワクチン(A型H1N1、A型H3N2、B型の3株混合)も、接種から3カ月後の有効率は78.8%、5カ月後には50.8%へと減少する(メーカー発表値)。平均で3カ月は効果を持続するが、これには個人差もあって、基礎免疫を持っている場合は3カ月を過ぎても効果を維持できる半面、免疫のない場合は効果の持続期間が2カ月ほどに短縮されるという。新型コロナにおいても2回接種済みの人のブレークスルー感染が起きている。新型コロナ用のワクチンが一生もの、あるいは長期間の有効性を示すものではないことが分かる。そういうわけで、海外ではブースター接種を行う国も出ている。イスラエルは8月1日から60歳以上を対象に3回目接種を開始。現在は接種対象者を12歳以上に拡大している。米国もがん治療などで免疫力が弱まっている人への3回目接種を始め、9月20日からは対象を18歳以上に。
◆欧州は「全員には必要ない」と慎重……
その一方、イギリスやEU諸国は「全員には必要ない」と3回目に慎重だ。ドイツのブースター接種の対象は介護施設入居者と免疫不全患者などに限定。フランスは65歳以上と基礎疾患がある人で、かつ2回目接種から6カ月が過ぎなくてはいけない。イギリスは免疫不全患者など最大50万人としている。同じアジア圏ではシンガポールが免疫不全の人と介護施設入居者など。インドネシアは医療従事者に限っている。各国が3回目接種に慎重な姿勢を見せているのは、発展途上国への公平供給という意味合いもあるが、ワクチンの効果が弱まる理由が「時間経過」なのか、「変異株」の影響なのか、それとも「その両方」なのか判断がつかないため。ファイザーとモデルナはアルファ株(イギリス株)には絶大な効果を発揮するが、現在、猛威を振るっているデルタ株(インド株)、また別の変異株にどこまで効果があるかは分かっていない。いずれにせよ、免疫力には個人差がある。であるならば、年齢や性別で3回目接種の対象を決めるのではなく、「抗体価の量」で打つか、打たないかを決められないだろうか?抗体定量検査を行ってくれるクリニックは街中に増えており、料金も1回1万円前後くらいまで下がった。検査をして「自分の抗体価は4分の1以下に減ったから3回目接種を希望します」というやり方もあっていいのではないか。「ところが、ワクチンはそう単純なものではありません。抗体価とワクチンの有効性は必ずしも一致しませんので、抗体定量検査そのものにあまり意味はないのです」(医学博士の中原英臣氏=ウイルス学)。素人的な考えでは、抗体価が高い人ほど感染しにくく、低い人ほど感染しやすいと考えがちだが、抗体価が低いから感染を防げないわけではない。ワクチンの有効性についても、接種後2カ月以内のピークには96%だったが、6カ月後も84%の高い有効性を維持していた。つまり、抗体価が8割減ってしまっても、2割あれば十分。ヒトの体はウイルスに暴露すると、抗体がすぐに増加するようにできている。「結論を言いますと、3回目、4回目を打ったとしても感染を100%防ぎ切ることはできません。一律のブースター接種は必要ありません」(中原氏)。それより変異株に対応したワクチン開発の方が大事だろうし、さらに言えば、インフルエンザで言うところのタミフルやリレンザ、イナビルといった特効薬の開発の方が重要。▶︎国の予算も3回目の接種にかけるより、特効薬に重点的にかけた方がいいというわけだ。抗体価が3カ月で4分の1に減ると報告した藤田医科大学の土井洋平教授も「一般に2回接種で重症化や死亡をかなり長い間、抑えられそうだと分かっている」とコメントしている[*日刊ゲンダイDIGITAL 2021.09.16付記事抜粋]
■『ブースター接種を1週間後に控えた🇺🇸米国で慎重論相次ぐ』
米食品医薬品局(FDA)と世界保健機関(WHO)に所属する科学者たちが「一般の人々に広範囲の『ブースターショット(新型コロナワクチン追加接種)』は必要でない」と主張し、波紋が広がっている。▶︎🇺🇸米政府は来週からブースター接種を開始する予定で、2021年10-12月期にブースター接種を検討する🇰🇷韓国にも影響があるものと思われる。▶︎医学専門誌「ランセット(Lancet)」はマリオン・グルーバー米FDAワクチン研究・審査局長やソーミャ・スワミネイサンWHO主任科学者ら18人がブースター接種について作成した論評を9月13日(現地時間)に発表した。▶︎これらの専門家たちは「現在まで出ている研究結果では、広範囲なブースター接種は不必要なものと見られる」と指摘した。▶︎「ブースター接種は政治ではなく、科学に基づいて決定されるべきであり、変化し続けるデータを慎重に、公にして調査する必要がある」とも述べた。▶︎その理由については「ワクチンを接種するメリットはワクチンによるリスクよりも明らかに大きいが、ブースター接種をあまりにも早い時期に、頻繁に接種すると危険が伴う可能性がある」▶︎「不必要なブースター接種は重大な異常反応を引き起こし得る」と説明した。▶︎これは、ブースター接種を承認したバイデン政権の決定に対する批判という解釈がある。▶︎🇺🇸米ニュース専門放送局CNBCは「FDAのグルーバー局長はバイデン政権のブースター接種計画強行に反発し、年内に辞任する予定だ」と報道した。▶︎🇺🇸米国や🇮🇱イスラエルなど接種が進んでいる国々は接種率が高いのにもかかわらず、🇮🇳デルタ変異株の流行が続いているため、対案としてブースター接種を積極的に推進している。▶︎時間がたつにつれてワクチンの効果が下がることや、高齢者と基礎疾患者はワクチンの効果が低く、早く消える可能性があるという理由からだ。▶︎🇮🇱イスラエルでは既に250万人以上がブースター接種を受け、4回目の接種に備えたワクチン追加確保まで検討している。▶︎しかし、グルーバー局長らは「ワクチン接種を一度完了すれば重症化を予防する効果が長く続くので、免疫低下者でなければブースター接種は必要ない」という考えだ。▶︎彼らは「時間がたてばワクチンの感染予防効果は減少すると思われるが、重症化予防効果まで下がるという研究結果は出ていない」▶︎「ワクチンの効果は感染予防よりも重症化予防の方が優れており、現在流行しているすべての変異株に対してかなりの防御力を示している」と指摘した。▶︎これら先進国がブースタ接種で使用するワクチンを、ワクチン不足のほかの国に配分する方がパンデミック終息に望ましいと勧告している。▶︎🇰🇷韓国国内でも同様の指摘が出ている。▶︎国際ワクチン研究所のジェローム・キム事務総長は14日、ソウルで行われた「2021グローバル・バイオ・カンファレンス」で、「免疫低下者などに対するブースター接種の必要性を検討してみる必要はあるが、まだブースター接種に対するデータが十分でないため、ブースター接種はしない方がいいと見られる」と語った。▶︎🇰🇷韓国政府は来年度予算案にブースター接種や来年接種するワクチンなどに2兆6000億ウォン(約2430億円)を策定している。▶︎一般の人々を対象にしたブースター接種はまだ検討されていないが、接種後6カ月が過ぎ、高齢者や基礎疾患など免疫低下者のブースター接種を10-12月期から開始する案は検討している。▶︎🇰🇷韓国国内の一日新規感染者数は、秋夕(チュソク=中秋節、今年は9月21日)連休を前に、再び急増傾向になっており、流行拡大の懸念が高まっている。▶︎9月14日夜9時までの一日新規感染者数は1918人で、前日同時間帯に比べ508人増加した。▶︎ソウル市で790人、仁川市で162人が感染し、これらの地域における感染者数の最多記録となった[*朝鮮日報 2021.9.15付記事抜粋]
■『ワクチン vs. 変異株…第2ラウンドの収束と今後』
コロナ感染の今後を見通すには、最低限、既存の現象を正確に把握する必要があります。▶︎専門家が、これまで5波を体験したにもかかわらず、「陽性者数が下がる原因が分からない」と自分たちの仮説に合わない現実を認めないのであれば、そのような認識を前提に行われてきたこれまでの施策は厳しく検証されなければなりません。
本稿は2021年6月以降のワクチン vs. 変異株のシュミレーションと年末にかけての予測です。
1.ワクチンvs. 変異株 第1ラウンド
図1は、2021年1月から10月末までの、日本を含む11カ国の新規陽性者の推移の計算値です。▶︎3月8日で規格化し(3月8日の陽性者数を同じになるように左下の係数を掛けています)対数表示です。▶︎データとの比較は【図2】を見てください。▶︎9月14日以降は予測となります。▶︎3月8日段階で、ワクチン接種率は🇬🇧英国と🇮🇱イスラエルが先行し、🇬🇧英国33%、🇮🇱イスラエル57%です(1回接種)。▶︎両国の陽性者は、これ以後、それぞれ、5月中旬、6月中旬まで一気に下降しました。▶︎ワクチンの効果だと考えられます。▶︎この2カ国以外の国々では、3月8日を境に同期した様に陽性者が上昇を始めます。▶︎もちろん、それまでも、多くの国の「波」はある程度同期して現れるわけですが、この3月8日の同期の仕方はかなり強く、感染力の強い変異株(アルファ株等)の出現を示唆するものでした。▶︎と同時に、各国ともワクチン接種が急速に進みました。▶︎【図1】には、この上昇のピークアウトの日を“▼印”で、またその時のワクチン接種率(1回接種)を図右に紫の数字でしてあります。▶︎それほど明確ではありませんが、この波では、接種率が10%位になると、効果がピークアウトとして現れるのではないかと期待させました。▶︎日本はワクチン接種が遅れたため、ピークアウトは最後でした。▶︎ここまでがワクチンvs. 変異株の第1ラウンドです。
2.ワクチンvs. 変異株 第2ラウンド
【図1】で6月25日を境に、第1ラウンドで減少フェーズであった国々が再び一斉に上昇を始めました(🇬🇧英国5月中旬、🇮🇱イスラエルも6月15日に既に上昇を開始)。▶︎第1ラウンドに比べても同期のレベルが高く、上昇率も極めて高い波です。現在も続いている変異株(🇮🇳デルタ株)による感染拡大です。
【図2】に、【図1】から🇮🇳インドを省き🇲🇳モンゴルを加えた11カ国の第2ラウンドの計算値と陽性者データの比較を示します。▶︎
🇪🇸スペインは、初期に急激に上昇し、早めにピークアウトして、現在安定した下降フェーズを示しています。▶︎🇪🇸スペインは接種率が高く、現在2回接種率が75.5%です。▶︎🇮🇱イスラエルは、第1ラウンドであれだけ減少したにも関わらず、6月15日から急激な上昇を続け、9月の初めにピークアウトしました。▶︎原因のひとつは、2回目までのワクチン接種からの日数が長いので抗体が減少し、効力が衰えたというものです。▶︎実際、🇮🇱イスラエルでは3回目のブースト接種が現在行われています。▶︎🇬🇧英国は、7月中旬に一度ピークアウトしましたが、その後、🇬🇧英国政府の感染抑制措置の大幅な削減の方針、また、ワクチン接種率の頭打ち等があり、感染が再び上昇し、現在緩やかなピークを作っています。▶︎その他の国々は、ピークアウトしたあとに横這いが続いた🇫🇷フランス、一直線に上昇し、やっとピークアウトが見えた🇩🇪ドイツ、横這いから下降フェーズに入った🇧🇪ベルギー、最近ピークアウトした🇺🇸米国、🇸🇪スウェーデン、🇩🇪ドイツ、そして🇯🇵日本です。▶︎陽性者推移は国ごとにだいぶ様相が異なりますが、全体として、ワクチンvs変異株の第2ラウンドも、ほぼ収束に向かっています。▶︎しかし、【図1】の現在のワクチンの接種率の違いだけから、【図2】の各国の振舞いの違いを説明するのは困難です。▶︎さて、第3ラウンドはどうなるでしょうか。
3.日本の現状
【図3】に、2021年1月からの日本の推移を示します。▶︎【図3】左上が実効再生産数Rtのデータと計算値、【図3】左下が陽性者数、死亡者数のデータと計算値、重症者数のデータ等の線形表示です。▶︎【図3】右は、【図3】左下の対数表示です。
🇯🇵日本は、現在が第5波です。▶︎陽性者数は波ごとに大きくなってきて、特に今回の第5波の🇮🇳デルタ株による波は、ピークの陽性者数の増大は際立っています。▶︎🇮🇳デルタ株の感染力の強さを表しています。▶︎一方、死亡者は、第3波、第4波が同等で、現在の第5波では、陽性者が4倍以上になったにもかかわらず、多少減少しています(【図3】右の青線)。▶︎ワクチンによる重症者、死亡者の抑制の効果と考えられます。▶︎【図3】には、7日シフトした重症者のデータを水色の線で示していますが、第4波までの重症者数は、ほぼ60歳以上の陽性者数(予測は橙色の線、データは緑色の線)とほぼ一致していましたが、6月以降、60歳以上の陽性者数を上回ってきています。▶︎これも、高齢者ワクチンの先行接種により、高齢者の陽性者の割合が減少し、それに伴って重症者に占める高齢者の割合が抑制されたことに起因していると思われます。▶︎この重症者数は、これまで、その約5%が死亡者数に対応していました。▶︎図では桃色の線で示していますが、2021年の2~3月を除くと、ほぼ死亡者の変動と一致しています。▶︎ところが7月以降の🇮🇳デルタ株の上昇期から、大きく乖離してきました。▶︎この死亡者の抑制も、高齢者ワクチンの先行接種と同期しており、ワクチンの効果の大きな結果だと考えられます。
4.今後
今後の動向を予測するのにもうひとつ重要な現象は、【図3】を俯瞰的に見ると明らかなように、各波はある間隔で現れてきていることです。▶︎特に、第3、4、5波の間隔はほぼ等しく3~4か月です。▶︎この事を考慮して、今後の第6波の陽性者、死亡者の推移を予測し、【図3】に現状の継続として示しています。▶︎陽性者の大きさは第5波より小さくしています。▶︎第6波は、感染拡大する前にワクチンの接種率が相当高くなっているはずなので、陽性者も抑えられるとしました。死亡率(死亡者数/陽性者数)は第5波と同じにしています。▶︎この予測には、先行事例があります。▶︎【図1】でインドは🇮🇳デルタ株のピークが5月で、その後急速に収束し、現在まで4ヶ月経過しています。▶︎🇮🇳デルタ株が収束して4か月も経過した国は🇮🇳インドだけですから、🇮🇳デルタ株収束後を占うには重要な先行事例です。▶︎しかも、図1で分かるように、🇮🇳インドの🇮🇳デルタ株ピーク(水色)の形と、現在の日本の🇮🇳デルタ株ピーク(赤色)の形は良く似ています。▶︎そこで、🇮🇳インドの陽性者データを110日シフトして、🇯🇵日本の予測線の上にプロットして見ました【図4】。
両者は見事に重なりました。▶︎絶対値は異なりますが、半値幅はほぼ同じです。▶︎🇮🇳インドの現在の感染状況は横這いのように見えます。▶︎これは、2020年もそうでしたが、国土が広大なので、🇮🇳デルタ株の鋭いピーク以外は、小さい波が重なって緩やかなひとつのピークを形成しているものと考えられます。▶︎そこで【図4】では、計算で小さい波に分解して得られた各波を点線で示していますが、🇯🇵日本の第6波の位置を、🇮🇳インドを先行事例として、🇮🇳インドの🇮🇳デルタ株の次の第6種のピーク位置に設定しています。
5.結論
ワクチン vs. 変異株の第2ラウンドも収束に近づきつつあります。▶︎今後、【図3】で示した第6波のような新たな波の到来が世界的にも起こり、ワクチンvs. 変異株の第3ラウンド、また、その次の第4ラウンドになることでしょう。▶︎これまでいろいろなコロナ対策が行われてきましたが、ワクチン接種のように、その効果がデータではっきりと裏付けされた対抗策は他にはありません。▶︎とにかくワクチン接種率を上げ、次の波の重症者と死亡者を抑えるべきです[文:仁井田浩二氏・一般財団高度情報科学技術研究機構 理学博士]
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[掲載日時:2021年9月17日(金)11:10]
それ、知らんかっとってんちんとんしゃん。







