【コロナノコトバ】PART.1739
■『人流抑制は本当に必要か?…専門家は感染減少の要因を説明できていない』
新型コロナウイルスの「🇮🇳デルタ株」が猛威を振るった第5波はピークをすぎ、感染者数が大きく減少している。▶︎「人流」は急拡大した7月下旬とほとんど変わっていないし、飲食店の酒類提供制限・時短など対策の内容はほぼ同じだ。▶︎そのため、お盆明け、夏休みが終わると増える可能性が高いと、多くの専門家が危惧していたが、真逆の推移が続いている。▶︎「人流・接触を減らさないと感染を制御できない」という説は、本当なのか。▶︎従来の自粛中心の対策を検証すべき時にきている。
[図:東京都・大阪府の発表データに基づき、コロナ禍検証プロジェクト]
東京都の新規陽性者数(7日間移動平均)は8月中旬のピーク時と比べると、3週間で約70%減少した。▶︎大阪府のピークはやや遅れて8月末に訪れ、9月に入って減少に転じている。
<新規陽性者数(7日間移動平均)のピーク時との比較>
《東京都》
⚫︎ピーク(8月22日):4774.4人
⚫︎最新値(9月12日):1384.0人(21日で、71.0%減)
《大阪府》
⚫︎ピーク(9月1日):2518.6人
⚫︎最新値(9月12日):1399.0人(11日で、43.9%減)
[※東京都、大阪府の発表に基づいて算定]
日本は検査数が少ないため、本当に減少しているのかわからないという指摘もあるようだが、東京都における陽性率、発熱相談件数ともに大きく減少しつつある。▶︎現場の医療関係者からも、目に見えて減少しているとツイッター上での報告が相次いでいる。▶︎厚生労働省の専門家アドバイザリーボード座長で、国立感染症研究所の脇田隆字所長も、9月12日のNHK日曜討論で「全国すべての地域で減少傾向になっている」と認めた。▶︎そのうえで、減少の要因について次のように言及した。▶︎「市民の皆様が協力していただいたこともありますけど、宣言の効果であったり、あるいは今回非常に大きな上昇要因であった夏休みの人の移動がやや落ち着いてきたこと、それから天候であったり、非常に大きいのはワクチンの接種が進んできたことだと分析しております」(9月12日、国立感染症研究所の脇田隆字所長)。
◆人流はほとんど変化なし……
色々な理由をあげているが、本当だろうか。▶︎まず、人の移動(人流)や、緊急事態宣言の効果だが、NHK特設サイトの「街の人出」データをみてみると、宣言の発出前後でほとんど変化がなかったことがわかる。▶︎減った地点もあるが、減少幅は小さかった。▶︎以下のグラフは、東京・渋谷スクランブル交差点付近の人出を表したものだ。▶︎7月以降の状況(1つ目)と、2020年4月の第1回緊急事態宣言が出される前後(2つ目)を比べれば、今回の緊急事態宣言が人出に与えた影響がほとんどないか、極めて限定的だったことがわかる
[図:2021年7月の緊急事態宣言前後の人出の変化(NHK新型コロナ特設サイト「街の人出は? 全国18地点グラフ」より)]
(2020年4月の第1回緊急事態宣言の前後)
7月以降の東京の夜間滞留人口は、お盆の時期を除いてさほど減っていない。▶︎大阪の夜の繁華街は、第4波の5月ごろより人出が多い状況だった。
◆ワクチン接種はペースダウン……
ワクチン接種はどうか。▶︎たしかに、ワクチンの接種が進んできたのは事実だが、8月に入ってペースが上がったわけではない。▶︎むしろペースは下降気味だ。供給が追いつかなくなり、ペースダウンしたことは周知の通りである。
[図:1日あたりのワクチン摂取回数の推移(政府CIOポータルサイト「ワクチン接種状況ダッシュボード」より)]
◆減少は「不可思議」と専門家……
8月後半からの減少は説明がつかないと、首をかしげる専門家もいる。▶︎数多くのテレビ出演で、緊急事態宣言や人流抑制の必要性を繰り返し強調してきた松本哲哉・国際医療福祉大学教授(感染症学)もその一人だ。▶︎松本教授は9月7日「人流そのものが変わっていないのに、感染者数だけが減るのは矛盾していますので、実態を反映している数なのかどうか」と、減少の現実はにわかに信じがたいという見方を示した。▶︎9月12日には減少傾向は認めつつも「不自然な減り方」だと指摘した。▶︎「第5波の急激に上昇したときには、いろんな条件があって増えたんだろうという推測が成り立つわけですが、逆の急激な減少についてはあまり説明がつきません。▶︎検査数が十分じゃないんじゃないかとかいろんな推測がされていますけど、なぜここまでスムーズに減ったのかというところは、むしろ逆に不可思議ですので、不自然な減り方だと思います。▶︎逆にこの減り方に安心して順調に減っていくと思われると、本当にそれが成り立てばいいんですけど、場合によってはしばらくしたらまた上昇に転じる可能性はあるんだろうと思います」。▶︎(ワクチンの効果があったのでは?というキャスターの質問に)「ワクチンはある程度打たれているんですけど、ここまで急激に減らすほど接種率が急激に高まったわけではありません。▶︎まだ半分くらいということですので、多少効果はあったと思いますけど、ここまで急激な減少にはワクチンはあまり関係ないと思います」(9月12日、松本哲哉・国際医療福祉大学教授)。
◆見立てが外れた西浦教授の見解は……
昨年来、人々の接触削減を唱え「8割おじさん」で知られる西浦博・京都大学教授(理論疫学)は7月28日のインタビューで、第4波並みに夜間滞留人口を抑えなければ実効再生産数が1を下回ることはない(=感染減少に転じることはない)、との見立てを示していた。▶︎その後も、東京都の感染者数は、8月末までに1日3万人超、少なく見積もっても7000人超になる、との試算が伝えられていた。▶︎ところが現実は、第4波並みに夜間滞留人口を抑えられていない中でも減少し、8月末に4000人を切り、やがて2000人を下回った(7日間移動平均)。▶︎西浦教授は、この状況変化に「なぜなのだろうとずっと思考を巡らしていた」と述べつつ、要因として、人々のリスク回避行動とワクチン接種が最もあり得るとの考えを示している。▶︎だが、ワクチン接種率の高低にかかわらず、全ての都道府県で大きく減少に転じている。▶︎たとえば、沖縄県の接種率は全国で最も低い水準だが(2回接種率38.4%、9月11日時点)、人出にも大きな変化はみられない中で(agoopデータ参照)、8月中旬ごろから陽性者数が大きく減少に転じたのである。
◆人流と感染者数は連動しているのか……
「人流」と関係なく感染者が増加したり、減少したりする現象は、今回が初めてではない。▶︎2020年7月ごろの第2波は、東京都の1日あたり陽性者数が第1波の3倍超になった。▶︎だが、政府は緊急事態宣言を出すことなく、帰省自粛を呼びかけただけで、収束に向かった。▶︎人流はお盆明けの8月後半から増えていた。▶︎それでも、8〜9月にかけて感染減少が続き、10月まで状況は落ち着いていた。▶︎11月に再び感染者が目に見えて増加し、冬の第3波に向かう。▶︎この間の人流はやや増えたとはいえ、コロナ禍前よりまだ抑えられていた。▶︎それでも第2波を大きく上回る第3波が起きた(agoopデータ参照)。▶︎年明けに緊急事態宣言が東京都などに発令された。▶︎だが、その前の1月4日ごろにはピークアウトしていた(東京都モニタリング会議のエピカーブ参照)。▶︎第5波では、7月12日から緊急事態宣言が東京都に適用されたが、2週間以上たっても、増加ペースが加速した。▶︎多くの専門家がお盆明けに「減る要素はない」と悲観視していた矢先、感染拡大は突然止まった。▶︎一方、アジアでは、🇯🇵日本より強い人流抑制策をとっているのに、感染者が増え続けている国もある(🇲🇾マレーシア、🇵🇭フィリピン、🇻🇳ベトナムなど)。▶︎天候説などもあるが、新型コロナの感染拡大・収束に実際のところ何が大きく作用しているか、専門家もよくわかっていないのではないか。
◆人流抑制・自粛中心の対策を今後も続けるのか……
昨春以来の「人流を減らせば感染を制御できる」「人出が増えれば感染者も増える」という素朴な信念・仮説は、科学的に本当に妥当で有効なのか。▶︎いまだにきちんと検証されていない。▶︎人流抑制の前にやるべき対策がある、という科学者の声明も出ている。▶︎アクリル板などパーティーションに頼る対策も、逆効果であるとか、科学的な裏付けがないといった指摘がある。▶︎そもそも、夜8時をもって一律に営業時間を制限することに、一体どれだけの意味があるのか、疑問に思っている国民も少なくないだろう。▶︎社会生活に多大な影響を与え、効果が必ずしも定かでない「自粛」中心の対策を、今後も続けるのか。▶︎それとも、より制限や副作用が小さな対策(換気など)に絞りこみつつ、重症化・死亡リスク低減のための医療提供体制の整備や、保健所を介した検査・入院調整といった仕組みの見直しに力点をおくか。▶︎いずれ来るであろう新たな「波」に備えて、従来のコロナ対策を検証すべきときが来ている[*文:楊井人文氏・弁護士]
▶️ コロナノコトバ筆者も同様の疑問を感じていた矢先、本稿は、昨今のコロナ感染者の“不自然な減り方”について鋭い指摘をしている。専門家の誰一人として、その急速な感染数減少理由について、ワクチン接種だの人流減少など、取ってつけた理由ばかりで、何一つ腑に落ちる科学的理由を説明できていない〆
■『緊急事態3度目延長の都内、人出減らず…会社員「当たり前になり外出自粛の意識薄れた」』
新型コロナウイルス対策で19都道府県に発令されている緊急事態宣言が9月13日、延長期間に入った。▶︎新規感染者数が減少傾向にある一方、重症者数は高い水準で推移している。▶︎感染を抑えるため、一人一人の行動の見直しが求められるが、「宣言慣れ」も懸念される。▶︎今回の宣言期間は9月30日まで。▶︎東京駅前では9月13日朝、マスク姿の人たちが足早に職場へと向かった。▶︎東京都葛飾区の会社員の男性(50)は「宣言が出ているのが当たり前になり、外出自粛の意識が薄れてきた。電車の混雑もコロナ前と変わらない」と話した
NTTドコモの「モバイル空間統計」のデータで、9月13日午前8時台の人出を1週間前の月曜日(9月6日)と比較すると、宣言対象地域の東京駅、千葉駅(千葉市)、梅田駅(大阪市)は約3~6%増で、横浜駅(横浜市)はほぼ変わらなかった。
東京都では、2021年1~9月末の約9割が、宣言か「まん延防止等重点措置」の期間。対象外だったのは1月1~7日と3月22日~4月11日の計28日間にとどまる。▶︎今回の宣言は7月12日に始まり、延長は3回目[*読売新聞2021.09.13付記事抜粋]
■『コロナ禍の収束に向け注目される「リベンジ消費」とは』
全国でワクチン接種が進む中、コロナ禍後の経済を見据えた活動が模索され始めている。▶︎変異型ウイルスの登場などで、今後の動向は予断を許さない状況だが、抑圧された消費欲求は解放を待ちわびている。▶︎そんな状況で注目されているのが「リベンジ消費」だ。▶︎リベンジには仕返しという意味がありネガティブなイメージがある。▶︎リベンジは昔からある言葉だが、今季限りでの引退を表明した埼玉西武ライオンズの松坂大輔投手が広めた言葉でもある。▶︎1999年の新語・流行語大賞にも選ばれたこの「リベンジ」と、「消費」の組み合わさったリベンジ消費という造語は、コロナ禍が収束すれば、新たな流行語になるかもしれない。
◆ワクチン接種後に消費が増えるのか……
2020年2月以降、🇯🇵日本の消費は一気に落ち込んだ。▶︎日本銀行が発表している個人消費の指標「消費活動指数(実質)」は、2020年第2四半期に84.3(15年=100)、2021年第2四半期に91.0となるなど、コロナ禍前の19年第4四半期の99.1に比べ大きく落ち込んでいる。▶︎緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による店舗休業や不要不急の外出・移動自粛要請で、個人が活動的に何かを消費するという状況にはない。▶︎それでも2020年中は「コロナが収束したら○○しましょう」という思いがあった。▶︎しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が2021年になっても断続的に続き、コロナ以前の生活を思い出せないような状況に陥っている。▶︎その一方でワクチン接種は進んでおり、経済変化を見据えた準備をする企業も現れ始めた。▶︎そうした中、登場したのが「リベンジ消費」だ。▶︎ストレス解消という意味と、コロナによって急減してしまったエンターテインメント消費や旅行などの再復活を期待する意味合いがある。▶︎抑制されていた消費意欲が爆発することが期待されているのだ。
◆リベンジ消費での復活を期待する産業とは……
多くの産業がリベンジ消費を期待している。▶︎中でもエンタメ産業の音楽業界の期待は大きい。▶︎音楽産業は1998年をピークに音楽CDの売り上げが低下。▶︎今ではサブスクリプション(定額課金)型やダウンロード型など多様な楽しみ方があるが、収入源はここ20年で変化しライブ活動が稼ぎ頭となっている。▶︎ライブではチケット代、グッズ代、ファンクラブ加入(チケット優先購入権など)など売り上げに寄与するチャンスが多い。▶︎100万人のファンに1000円のCDを購入してもらうモデルは、1万人のファンにライブを通じて10万円を消費してもらうモデルへと変化している。▶︎緊急事態宣言を経験して、大手アーティストはこぞってオンラインライブに参入した。▶︎しかし、現時点では目新しさもなくなり、緊急事態宣言下でもフェスやライブを開催するケースも出てきている。▶︎だが、緊急事態宣言下で2020年8月末に強行開催された「NAMIMONOGATARI 2021」のように、クラスター発生のきっかけになってしまった事例もある。▶︎エンタメ産業では、1日も早くリアルなライブを開催したいという思いが強い。▶︎楽曲(シングル)のネット配信やメディアでの露出ピークをライブの開催に合わせ、数年単位で粛々と準備をしてきたアーティストも多い。▶︎ただ、変異型ウイルスの登場で、感染の拡大スピードや広がりが読みにくくなっている。▶︎もし緊急事態宣言の延長など、状況の変化で急にライブを中止しなくてはならなくなった場合、アーティストや興行サイドは投資回収が難しくなる。▶︎このため、ライブを中止するリスクを取りつつ、ギャンブルに近い勝負に出るアーティストもいる。▶︎また、小規模なライブ会場を数多くこなしてきたアーティストの多くが、より広い中規模会場でライブを開催して、ライブの回数を減らす傾向も出てきた。▶︎その結果、そうした会場を取り合う事態も起きている。▶︎だが、この方法は観客にこれまでよりも長距離の移動をさせるリスクを生んでしまう。▶︎このように様々な課題を抱えている音楽業界だが、アーティストとライブなどで直接つながる機会が減ったファンたちのフラストレーションはたまっている。▶︎それらを発散するリベンジ消費を望んでいる関係者は多い
◆悲鳴を上げる業界はリベンジ消費に望みをつなぐ……
百貨店は休業と時短営業によって対応を二転三転させられた。▶︎ある百貨店の外商担当者は、「ネットショップやサブスクリプションなど施策はいろいろと試している。▶︎だが、休業や時短営業で失った売り上げをカバーするレベルには至っていない。▶︎唯一、お客様の家を訪問する外商の売り上げだけは上昇している」という。▶︎ただ、対面型の販売や百貨店という空間を好んで百貨店に来る人は、高齢者を含め数多くいる。▶︎「こうした人がリベンジ消費の主役となるはずだ」と期待を寄せている。▶︎リアルな環境での売り上げ増を期待するのは百貨店だけではない。▶︎小売店の多くはネットショップなどの利便性の高いチャネルを用意している。▶︎だが、オンラインでは代替できない価値もあるという見方もある。▶︎百貨店や店舗での実消費を求めるのは今後も変わらないだろう。▶︎また、自粛ムードで業界再編が急速に進むのはブライダル業界だ。▶︎結婚を予定していた多くのカップルが、コロナ禍により結婚式を延期した。▶︎中には、結婚式はしないと決めた人も多い。▶︎式自体の時間は2~3時間と短時間だが、他県からの移動やアルコール飲食を伴う2次会などでの感染拡大を恐れ、結婚式という人生の節目のイベントを見送る人も多い状況だ。▶︎ブライダル事業者も、コストカットや時短開催など打てる施策は取り続けている。▶︎なんとか延命している状況だが、コロナ収束後の結婚式のV字回復に期待する事業者は多い。▶︎雨降って地固まるではないが、コロナ禍での結婚式を延期したり取りやめたカップルによる需要は確実にあるはずだ。
◆海外を見ると未来は明るいか?……
🇯🇵日本よりも先にリベンジ消費を享受しているのは🇨🇳中国や🇺🇸米国だろう。▶︎🇨🇳中国は、ネットショップの売り上げが過去最大を更新するなど消費はコロナ禍以前より高まっている。▶︎🇺🇸米国でも過剰貯蓄とも呼ばれるほど、貯蓄や投資に回ったお金が消費に向かいつつある。▶︎2020年に大幅に落ち込んだ個人消費だが、今では過去最高益を更新する企業も多い。▶︎🇺🇸米国では政府の給付金によって生まれた蓄財を一時的に消費しているだけかもしれない。▶︎だが、消費して経済を回そうという空気が経済循環を促進することは間違いない。▶︎ネガティブな言葉で使われていた「リベンジ」。▶︎リベンジ消費が🇯🇵日本のコロナ不況に対する「仕返し」になってほしいものだ。▶︎だが、その流れに乗り遅れるとこれまでコロナ禍で受けてきたダメージを回復できない可能性もある。▶︎そうならないための準備は怠ってはならない[*日経ビジネス2021.09.09付記事抜粋/文:東雲八雲氏・ライター]
▶️ネーミングセンスゼロの“リベンジ消費”。消費とは生活をより豊かにするための行為。ならば“ハッピー消費”とか“リボーン消費”などの方がまだマシでは?〆
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[掲載日時:2021年9月13日(月)15:55]
それ、知らんかっとってんちんとんしゃん。





