【コロナノコトバ】PART.1535


東京人流5割減ーデパ地下入場制限で達成できる?それならオフィスにも通勤制限が必要か?

◆デパ地下入場制限で効果はあるか?……

814日(土)からそごう・西武や大丸松坂屋百貨店、高島屋、三越伊勢丹はデパ地下への入場制限をスタートさせた。▶︎実際に百貨店ではクラスターが発生した例があり、「デパ地下、百貨店の人流を強力に抑制してほしい」とコロナ対策分科会からも提言があった。▶︎大手デパート3社(三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋百貨店)は現在、コロナ前と比べて売上を半分ほどに減らしている。その状況で入場制限である。▶︎「弱り目に祟り目」とはまさにこのことだ。▶︎飲食店やデパートが開いている時間を制限したり、開店していても入場できる人数を制限することで、確かに人流は減る。▶︎交通機関を利用する人も一定数は減るだろうから効果は期待できる。▶︎しかし、分科会が提言している東京の「人流5割減」が、このような局所的な措置で達成できるのか。甚だ疑問だ。

◆企業に対する「通勤制限」は?……

一般企業に対する通勤制限はできないものか。いつも思う。▶︎飲食店やデパートへの時短要請、入場制限は、ストレートに業績を押し下げる作用が働く。▶︎いっぽうで一般企業への通勤制限は、はたして対象企業の業績を押し下げる要因となるのか。▶︎業績ダウンとなる直接的な要因になることは、ほぼ考えられないだろう。▶︎慣れないうちは、仕事の生産性は下がる。▶︎しかし在宅勤務に慣れてしまえばそんなことはない。「デジタルネイティブ」のように「オンラインネイティブ」と呼ばれる人たちも登場している。▶︎つまりオフィス勤務をしたことがなく、オンラインでの仕事しか経験のない人材である。▶︎このような「オンラインネイティブ」からすればオフィス勤務ほど生産性の低い働き方はない。▶︎テレワークや在宅勤務をすると仕事の生産性が落ちると主張する人は、オフィス勤務のやり方を在宅勤務にそのまま持ち込んでいるからだ。▶︎変化への適応能力が求められるこの激動の時代において、このような現状維持バイアスがかかった思考では生き残っていけない。

トヨタ等の取り組みとCSR(企業の社会的責任)

8月初旬、トヨタ自動車は、在宅勤務に関する職場からの距離制限を撤廃し、全国どこでもテレワークが可能となる制度を導入したと発表した。▶︎在宅勤務が難しいとされる製造業で、はやくから導入している企業がカルビーだ。▶︎富士通やJTBでも、数値目標を決めて在宅勤務を促進している。▶︎このような大企業の動きを見習うべきだ。在宅勤務ができるのにもかかわらず、オフィス勤務を続けるオフィスワーカーを対象に「強力に抑制してほしい」と提言できないものか。実際に現場からは、「本社は在宅勤務を推奨しているのに、直属の所長がオフィスに出てこいと言ってくる」。▶︎このような声をよく耳にする。会社が、個人や組織に「判断を委ねる」という姿勢では、決して人流を抑えることはできないだろう。▶︎先日から西日本豪雨を超える豪雨が、九州や中国地方を襲っている。▶︎「過去に例を見ない」とか「50年に1度」といった表現が虚しく聞こえるほど、毎年のように大きな災害が日本列島を襲い掛かっている。▶︎BCP(事業継続計画)の観点からしても、多様な働き方を企業は模索しなければならない。▶︎自社都合だけを考え、面倒なことを先送りし続けるのはやめよう。▶︎在宅勤務者の数値目標を各企業は公言し、人流削減に貢献する。松下幸之助氏は「企業は社会の公器」と言った。▶︎企業は社会に対し、「よき企業市民」として範を示す存在なのだ。▶︎何かが起こってからアクションを起こす企業姿勢では、社会からも、次代を担う若者たちからも支持されないのだから。

[*文:横山信弘氏・経営コラムニスト]

東京都:『濃厚接触者特定調査を縮小感染者の病状把握に重点ー新型コロナ

東京都は815日、新型コロナウイルス感染者の急増を受け、濃厚接触者を特定する積極的疫学調査を縮小するよう、都内の各保健所に通知を出したことを明らかにした。▶︎高齢者などに対象を絞り込むことで保健所の業務負担を軽減し、感染者の病状の把握などに注力する方針に転換する。▶︎通知は810日付で、積極的疫学調査について、重症化リスクの高い高齢者施設や医療機関での実施を優先し、効果的、効率的に行う方針を明記。▶︎保健所では、感染者の病状や重症化リスクを把握した上で、患者を医療につなげることに重点を置くとしている。▶︎都内の自宅療養者や入院・宿泊療養待ちの感染者は815日時点で35000人を超え、保健所の業務は逼迫している。▶︎感染者急増を踏まえ、都の担当者は「保健所の業務の優先度を示すことにした」と説明した。▶︎小池百合子知事は同日、都庁内で記者団の取材に対し、都内の感染状況について「陽性者も非常に多く、重症者も増えている。これは災害級だ」と指摘した[2021.08.15

『札幌市の人工透析患者新型コロナ感染で53%が死亡』

札幌市ではことし4月から6月にかけて、人工透析を受けている患者118人が新型コロナウイルスに感染し、半数余りの53%が死亡していたことが市の調べで分かった。▶︎市はワクチンの接種が進む中、今後同じ事態が起きる可能性は低いとしているが、60代以下でも死亡のリスクは高いとして対策の強化を急ぐべきだと強調している。札幌市保健所は変異ウイルスの感染が広がったことし41日から630日にかけての「第4波」で、市内で感染が確認された人のうち、人工透析を受けていた患者の経過を調べた。▶︎その結果、18の医療機関で入院や通院をしていた合わせて118人が感染し、このうち半数余りの53.3%が死亡していたことが分かった。▶︎死亡の割合を年代別で見ると、△90代以上は6人中5人で83.3%△80代は28人中21人で75%△70代は30人中17人で56.6%となった。▶︎また、△60代は24人中13人で54.1%△50代は18人中3人で16.6%△40代は12人中4人で33.3%となった。▶︎保健所は3か月で100人を超える感染者が出た理由として、透析の治療を行う市内の7つの医療機関で変異ウイルスによるクラスターが発生し、長期で入院している患者や通院の患者に感染が広がったことを挙げている。▶︎さらに、感染した透析患者のほとんどは糖尿病や高血圧なども患っていて、当時ワクチンの接種も進んでいなかったため、重症化のリスクが特に高かったとしている。▶︎この事態を受けて、札幌市ではすべての世代の透析患者へのワクチン接種を優先的に進めるとともに、専門の治療を行える病床の確保に取り組んでいるということで、「今後、同じ事態が起きる可能性は低い」としている。▶︎保健所で対策にあたった札幌医科大学の小山雅之医師は「残念ながら失ってしまった症例が多かった。▶︎60代以下でも死亡のリスクは高く、治療法が限られる以上、予防を徹底するしかない」と述べて、対策の強化を急ぐべきだと強調している。

“4050代はどこでも起きるおそれ”……

札幌市で明らかになった透析患者の高い死亡の割合について、日本透析医会の菊地勘医師は「ワクチンの接種が進んでいない40代から50代では、札幌市と同じ事態が全国のどこでも起きるおそれがある」として強い懸念を示している。▶︎菊地医師は札幌市で高齢者の死亡の割合が特に高かったことについて、「長期入院の高齢者が多い病院でクラスターが発生するなど、高齢の透析患者に感染が広がったことが死亡の割合が高くなった原因の1つだと思う」と分析した上で、ワクチンの接種が全国的に進んでいる高齢者については今後、同じ事態が起きるのは防げるのではないかとの見方を示した。▶︎その一方で、60代で54.1%50代以下で23.3%という死亡の割合について、「一般人口では1.5%から1.6%と言われている中、若い世代だけでみても極めて高い割合だ」と述べて強い懸念を示し、ワクチンの接種が高齢者ほど進んでいない若い世代では、札幌市と同じ事態が全国のどこでも起きるおそれがあると指摘した。▶︎菊地医師は「感染拡大が続いている東京都ではこの2週間で30人程度の透析患者の新規感染者が出ていて、すでに入院できないケースも起きている。▶︎1人でも多くの命を救うためにも、透析患者は年齢にかかわらずワクチンの接種を早急に進めるとともに、専門の治療を行える病床の確保など受け入れ体制の強化も必要だ」と強調した。

◆札幌では透析患者の優先病床確保も……

札幌市は先月から新型コロナウイルスに感染した透析の患者を優先的に受け付ける病床をあらかじめ確保しておくなど、医療提供体制の強化に取り組んでいる。▶︎札幌市保健所によると、確保したのは市内の4つの医療機関の合わせておよそ20床で、感染拡大の波で病床がひっ迫しても、1人でも多くの透析患者を入院できるようにするのが狙い。▶︎札幌市では変異ウイルスの感染が拡大した「第4波」で、病床が圧倒的に不足して透析患者の病床確保も難しくなり、自宅療養などをお願いせざるを得ないケースもあったという。▶︎札幌市の取り組みについて、全国でクラスター対策などにあたってきたDMATの近藤久禎医師は「透析患者がひとたび感染したときの死亡の割合の高さは、北海道を襲った第4波で確信に変わった。▶︎感染しても透析を受け続けなければならない以上、それができる病床の確保は不可欠だ」と述べた。▶︎その上で、「基礎疾患がある方々はワクチンの優先順位が高いといわれているが、その中でも透析がトップに入る疾患の1つだという認識を持たなければならない」として、すべての自治体で透析患者へのワクチン接種を早急に進めるべきだと強調した。

◆透析関連の団体・学会が対策求める……

透析医療に関わる3つの団体や学会は8月、全国の透析を行う医療機関に対し、感染した透析患者の受け入れやワクチン接種の推進を求める文書を出している。▶︎3つの団体や学会は日本透析医会と日本透析医学会、日本腎臓学会で、「新型コロナウイルス感染対策合同委員会」として、全国の医療機関に向けて82日に出したという。▶︎背景には東京など首都圏を中心に感染が拡大する中、病床がひっ迫して透析患者であっても入院できないケースが出ていることがあり、透析患者に対応できる病床の確保とさらなる感染者の急増を防ぐためのワクチン接種が急務だとしている。▶︎日本透析医学会によると、国内には透析を受けている患者が2019年の時点で34万人余りいて、文書では65歳未満を含むすべての透析患者を対象に速やかな2回のワクチンの接種完了を目指すことや、透析患者の入院治療が行える医療機関に対し感染した患者を1人でも多く受け入れてもらいたいとしている。▶︎3つの団体や学会は現状では活動性が高い比較的若い世代の感染の報告が多く、さらに家庭内感染が増えているほか、ワクチン接種後の透析患者の感染事例も報告されているとして、家族も含めたワクチンの接種と対策の徹底が求められていると指摘している[2021.08.16

■ 『帰省先で家族4人感染「政府の言うこと聞いてれば」』

帰省による人の動きがさらなる感染拡大につながってしまうのでしょうか。▶︎番組では帰省先でコロナ感染が判明したという人物を取材した。◆お盆休み「人流5割減」は可能か……

(アナウンサー)「東京・銀座です。政府の分科会が『人出を5割減らすこと』を提言したことを受けまして、こちらの百貨店では、地下の食糧品売り場への入店制限が始まっています」。▶︎“救える命を救うためには、この2週間、人出を5割減らす必要があるという提言。▶︎814日の都内の人出は、雨ということもあってか、宣言直前に比べ、減ってはいるものの“5割減には達していません。▶︎「天気がよくなれば出たくなりますよね。▶︎やっぱり何か策があった方がいいんじゃないですかね。▶︎少し強めの。▶︎ひんしゅくを買ったりとかの反対意見もあるかもしれませんけども」。▶︎815日、東京の新規感染者は、4295人。▶︎日曜としては過去最多、重症者も、814日から6人増え、251人になった。

 ◆帰省先で陽性「言うこと聞いていれば……

お盆休みの真っただ中、羽田空港のPCR検査場には、駆け込みで受ける人の姿が▶︎(羽田空港 PCR検査場にいた人たち)「ちょっと母もあまり体調が結構高齢なんですよね。ちょっと会っておきたいかなっていうのもあって▶︎「教員の採用の試験があるので、帰るのに(検査を)受けました。▶︎なるべく外出は控えたいなと思っています」▶︎そんな中、SNSにはこんな書き込みが▶︎「たった今、母親が体調不良でPCR検査受けにいったんだが、結果が陽性だった」。▶︎学生のAさんは、首都圏から関西の実家に帰省。▶︎咳がひどく、会話が難しいため、文字でのやりとりで状況を聞きました。▶︎2年ぐらい帰省してなかったので行こうということになり、PCR受けて帰省しました」。▶︎陰性の結果を受け、帰省しましたが、翌日、母親が体調不良になり、検査で陽性に▶︎Aさんにもひどい咳の症状が出て、再び検査を受けることになりました。▶︎「結果がわかるまでは祖父の家で自宅待機ということになりました。▶︎祖父はワクチンをすでに打っているので大丈夫だと思いますが私はワクチンをまだ打ってませんし、喘息持ちなので重症化したら死ぬかもです」。▶︎検査の結果は

「陽性、ホテル療養ということになりました」。▶︎更に、同じく帰省中だった姉も陽性にそして、祖父の感染も確認され、家族4人が陽性になりました。▶︎「帰省先でコロナにかかるなんておとなしく政府の言うこと聞いてればよかった」。

 世界最悪レベル” 沖縄の医療危機……

全国の感染者が、2万人を超える中、最も深刻なのは沖縄県。▶︎815日の新規感染者は、661人。▶︎直近1週間の人口10万人当たりでは、286.9人と、感染爆発した時の🇮🇳インドを上回る世界最悪レベルになっている。▶︎「不安はありましたが、結構前から予約していたので、消毒とマスク徹底的にして▶︎「心不全なのにコロナ患者さんが優先ということで、4日間自宅待機。死ぬかと思いました。ずっと苦しくて」[*テレビ朝日『サンデーステーション』2021.08.15放送内容抜粋]

夏の甲子園出場:『宮崎商業野球部選手ら5人が新型コロナ検査で陽性』

夏の甲子園に宮崎県代表で出場している宮崎商業野球部の選手ら5人が新型コロナウイルスの検査で陽性となったことがわかった。▶︎チームは濃厚接触についての保健所の判断が出るまで、宿舎の個室でそれぞれ待機しているという。▶︎大会本部は、保健所の判断を待って、緊急対策本部の会議を開くことにしている。

『基礎疾患ない30代男性自宅で容体急変、コロナで死亡』

東京・江戸川区で基礎疾患のない30代の男性が自宅で容体が急変し、新型コロナで死亡していたことが分かりました。男性はPCR検査を受けたその日の深夜に容体が急変し、自宅で亡くなったとみられている。▶︎関係者によると、死亡したのは江戸川区でアパートに1人暮らしの30代の男性で、729日、母親に電話で体調不良を訴え、81日に病院で「軽い肺炎」と診断され、PCR検査を受けた。▶︎しかし、その翌日の82日、「連絡が取れない」という知人からの通報で警察官が駆け付けたところ、男性が自宅で死亡しているのが見つかった。▶︎死因は新型コロナ感染症だった。▶︎男性に基礎疾患はなく、725日に1回目のワクチン接種を受けていたという。▶︎東京都によると、都内では76日と86日にも新型コロナに感染した、いずれも基礎疾患のない30代の男性が自宅で死亡している[2021.08.16

池上彰氏:『「コロナ禍をどう生きるべきかは、すべて歴史書を読めばわかる」』

コロナ禍はこれからどう進んでいくのか。ジャーナリストの池上彰さんは「歴史書が参考になるはずだ。▶︎歴史を学ぶというのは過去についてあったことを知るだけでなく、未来について考える力を身につけることになる」という――。

◆学生運動で授業が無くなったからこそ今の自分がある……

新型コロナウイルス感染症の影響で、企業が新卒採用を手控えています。▶︎2の就職氷河期到来かなどと報道され、不安になっている若者も多いでしょう。▶︎でも、いまできることをやるしかありません。▶︎「学生のときにしておいたほうがいいことは何ですか?」とよく聞かれます。▶︎これに対し「たくさん本を読むことです」と答えます。▶︎私も学生時代かなり本を読みましたが、いま考えるともっともっと読んでおけばよかったと後悔しています。▶︎私が大学へ進学した1969年という年は学生運動が激しくなり、東京大学と東京教育大学(現在の筑波大学)の入試が中止になってしまう(東京教育大学は体育学部を除く)という、受験生にとっては大事件があった年です。▶︎学生たちの抵抗運動を抑えつけようとして、当時の政府は「大学管理法案」を通そうとしました。▶︎大学をもっと厳しく管理できるような法律です。▶︎それに対して多くの大学生たちが反発し、次々に全国の大学がストライキに入っていきました。▶︎いろいろなことを学びたいと大学に入ったのに、ストライキが続いてキャンパスに入れず授業もない。▶︎自分で本を読んで勉強するしかありません。▶︎辛かったけれど、自分で課題を見つけて自分で学んでいくという力がついたと思います。▶︎その後もずっと勉強を続けていますが、あの頃の体験があるからこそ社会人になってからも独学でいろいろなことを学び、結果的にいまの自分があると思うのです。

◆独りの時間を持つことで成長できる……

1960年代、京都大学に奥田東という名物総長がいました。▶︎入学式の祝辞で新入生を前に「京都大は諸君に何も教えません」と挨拶したといいます。▶︎新入生たちは度胆を抜かれたでしょう。▶︎これはどういうことかというと、大学の役割というのは手取り足取り君たちに教える場ではない。▶︎大学生は学生であり、生徒ではない。▶︎受け身ではなく自ら学んでください。それを大学はお手伝いしますというわけです。▶︎コロナ禍でステイホームを強いられ、物理的には人と人とが切り離されてしまいました。▶︎でも現代はSNSでつながっている。▶︎人類の長い歴史の中でこんなに多くの人が常に誰かとつながり続けているというのは実は極めて異常なことです。▶︎人間は社会的な存在です。▶︎人と人とのつながりによって生きがいを感じます。▶︎それは当たり前ですが、四六時中誰かとつながり続けているのはむしろ異常な状態だと思った方がいいと思います。▶︎時に孤独な時間も必要です。▶︎独りになって思索を深める時間を持つ。▶︎少しは1人で沈思黙考する。▶︎それが人間的にも学問的にも成長させてくれるのではないでしょうか。次の飛躍のために孤独を糧にしてほしいと思うのです。

SF小説の中に文化大革命を隠した中国人作家の『三体』……

いまでも読書が大好きです。▶︎2020年に読んで印象に残っている本は、バラク・オバマ元大統領も絶賛したという、🇨🇳中国人作家の劉慈欣が書いた『三体』でした。▶︎文化大革命で父親を殺された女性の天文物理学者を軸に話が展開するSF小説です。▶︎小説の冒頭で、文化大革命で暴れまわった紅衛兵たちによる殺し合いのシーンが出て来ます。▶︎いわゆる内ゲバです。▶︎1970年代に🇯🇵日本でも過激な学生運動のセクトが内ゲバを始め、多数の死傷者が出たのですが、同じようことが🇨🇳中国でも起きていたのです。▶︎私は大学の講義で🇨🇳中国現代史を教えるときには、「🇨🇳中国の文化大革命というのがどういうものだったかは『三体』の冒頭を読めばわかる、あの通りのことが起きたのだ」と話しています。▶︎「いまの🇨🇳中国でこんな小説が出版できるのか」と驚きを持って読んだのですが、巻末の訳者あとがきを読んで納得しました。▶︎🇨🇳中国語版では文化大革命の話は中のほうにこっそり入っているそうです。▶︎さすがに冒頭で紅衛兵同士の殺し合いの話は無理だったのでしょう。▶︎それでも、🇨🇳中国の指導者たちがSFを読まないので、こういう小説が出版されているのですね。

◆事実と取材を徹底した半藤一利の本はよくできた推理小説のようだ……歴史を学ぶというのは過去についてあったことを知るだけでなく、未来について考える力を身につけることです。▶︎作家の半藤一利さんが20211月、90歳で亡くなられました。▶︎もっともっと、たくさんのことを教えていただきたかったのにと思います。▶︎半藤さんと初めてお会いしたのは、2008815日にテレビ東京で放送された『何故あの戦争は始まったのか』の収録でした。▶︎その後も、テレビ東京で戦争特番をつくるときに半藤さんに監修をしていただくこともありました。▶︎とくに印象に残っているのは、20188月放送の『「日本のいちばん長い日」が始まった』です。▶︎半藤さんが編集者時代の代表作『日本のいちばん長い日』がベースになっています。▶︎1945(昭和20)815日、ポツダム宣言の受諾が国民に知らされた日。▶︎あの日のことを半藤さんは資料を読むだけではなく、政府や宮中などの、当事者80人に取材されたそうです。▶︎そうして軍のクーデター計画を中心に、緊迫の24時間を明らかにした作品です。▶︎この作品からわかるように、半藤さんは昭和天皇を敬愛されていたのでしょう。▶︎また、青年将校たちが、どういう思いでクーデターをして終戦の決定をひっくり返そうとしたのかがよくわかります。▶︎半藤さんはご自身のことを「歴史探偵」とおっしゃっていました。▶︎これはつまり、自分は歴史学者ではない、▶︎でも資料を読んでいると文献と文献の間には必ず齟齬がある。▶︎そこは実際に人に会って話を聞くなり一つひとつ徹底的に追求して、あとは推理を加える。▶︎自分は埋もれた真実を掘り起こす「歴史探偵」なのだということです。▶︎なるほど、半藤さんの本を読んでいると、よくできた推理小説のようなのです。

◆歴史の中にこそ現代を生きるヒントがある……

私は東京工業大学での講義とは別に在学生、卒業生たちと月に1度、読書会をしています。▶︎この中で半藤さんの『世界史のなかの昭和史』を取り上げたことがあります。▶︎なぜこの本を取り上げたのか。▶︎これまで高校では日本史と世界史は全く別々に教えてきました。▶︎これではいけないということになって、2022年度から世界史・日本史の枠にとらわれず近現代を学ぶ「歴史総合」という新科目が導入されます。▶︎そこで、世界史と日本史・昭和史をバラバラに学ぶのではなく、歴史を横断的に見てほしいと思ったからです。▶︎このことを知った出版社の提案で、半藤さんを交えての読書会が実現しました。▶︎半藤さんがよくおっしゃっていたのは、「歴史は人間がやっていることなのだからまた同じことをやるに違いない。▶︎歴史を学ぶということは、人間がいざというときにどんな判断をするか、どういうところで誤るか。▶︎それを知ること」だというのです。▶︎私たちはこれからどう生きていけばいいのか、どう行動すべきか問いかけられています。▶︎歴史の教訓を未来に生かさなければなりません。▶︎歴史の中にこそ、現代を生きるヒントがあるのです。

◆「コロナ禍をきっかけにIT化」するためには何が必要か

東京工業大学では、「未来年表」を発表しています。「人々が望む未来社会とは何か?」▶︎大岡山キャンパスの百年記念館1階に、自分たちが描いた「ありたい未来の社会像」が年代順に並んでいます。▶︎2040年のところに「ほとんどの仕事はオンライン化され、旅をしながら働くことができるようになる」▶︎「おうち完結生活」というシナリオが書かれています。▶︎2020年に、2040年の社会が一足先にやってきたのです。▶︎「いずれリモート勤務が実現します」と言われてきましたが、多くの人が、それは5年、10年先かな、などと思っていたのではないでしょうか。▶︎ところが緊急事態宣言が出て、在宅勤務が強いられた結果、満員電車に揺られる必要もない、仕事が自宅でできるという近未来が出現したのです。▶︎今回のコロナの感染拡大で社会のIT化が大きく進んでいくでしょう。▶︎それによって私たちはまた新たな文化を築いていくことができます。▶︎いま求められているのは「感染症」と「分断」という2つの危機をどう乗り越えるのかということです。▶︎さて、2050年の未来の教科書に、現在はどう書かれるのでしょうか。▶︎ 「それまでデジタル化が遅れていた日本は、2020年のコロナ禍をきっかけに急激にデジタル化が進み、世界トップレベルのIT化社会が実現し、その後の日本経済の発展に大きく寄与した」。▶︎そう書かれるようになるためには何をすればいいのか。それを私たち自身が考えなければならないのだと思います[*PRESIDENT   Online 2021.08.16付記事抜粋/文:池上彰氏・ジャーナリスト]

『オリンピック終了でやっぱり「新国立競技場」の買い手をめぐる「悲しき現実」』

🇯🇵日本勢の連日のメダル獲得で盛り上がる東京オリンピックだが、宴が終わると突きつけられる「現実」がある。▶︎ 「メインスタジアムである新国立競技場の運営権の『買い手』の目処が、一向につかないんです」。▶︎こう語るのは、文部科学省の関係者だ。▶︎1569億円を投じて建設された巨大な新国立は、維持管理費も年間で約24億円がかかると試算されている。▶︎そこで、文科省が所管する独立行政法人「日本スポーツ振興センター」(JSC)は、大会終了後に民間に運営権を売却し、国費の負担を軽減する目論見だった。▶︎ところが、2019年に行われるはずだった業者の選定は1年先送りされ、2020年、さらに2021年の秋以降に「再延期」が決まった。▶︎文科省は、度重なる延期の理由を「オリンピックが延期され、セキュリティの観点から業者に図面を公開できないため」と説明している。▶︎だが、前出の文科省関係者は「本当の理由は引き取り手の目星がつかないためだ」と声を潜める。▶︎JSCは、Jリーグの本拠地にしてもらおうと、FC東京の大株主である東京ガスや、鹿島アントラーズの大株主であるメルカリなどに水面下で接触してきましたが、いずれも色よい返事はもらえなかった」。▶︎スタジアム運営に精通する東京都市大学元教授の小松史郎氏は、「企業が二の足を踏むのも無理はない」と語る。▶︎「競技場に特化させた設備のため、屋根がなく音響や空調の設備も十分ではないので、コンサートなどのイベントにも使いにくい。▶︎改修しようにも、大規模な追加投資が必要になる。▶︎短期的に採算をとるのが難しい施設です」。▶︎このまま秋以降の入札で手を挙げる業者がなければどうするのか。▶︎「仮に民間事業化されなかった場合には、維持管理費の財源について、スポーツ庁と連携して検討することとなります」(JSC広報担当者)▶︎結局、血税で穴埋めし続けることになりそうだ[*週刊現代 20218714日合併号]

『新型コロナ感染者数増加で、保健所も医療機関も瀬戸際の状態このまま行けば818日には東京都の感染者数が1万人を超える』

東京都医師会副会長で「平成立石病院」理事長の猪口正孝氏が89日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。▶︎新型コロナウイルスの感染者が急激に増加し、瀬戸際に立たされている保健所や医療機関の状況について解説した。

【飯田浩司アナウンサー】先生は東京都の新型コロナウイルス感染症モニタリング会議で分析を行う専門家でもいらっしゃいます。▶︎最近の感染状況について、新規の陽性者数をどうご覧になっていますか?

【猪口】🇮🇳デルタ株が中心になって来たためだと思いますが、非常に感染が拡大しています。▶︎モニタリング会議がありましたが、その日で5000人を超えています。▶︎ここへ来て急拡大しているという印象です。

【飯田】以前伺ったときに、新規の陽性者数、増加比が100%を超えて来ると、感染拡大だと伺いました。▶︎70%にならないと収束には向かって行かないとおっしゃっていましたけれども、この数字で見ると、いまはどういう状況ですか?

【猪口】モニタリング会議のときのデータを利用しますと、1週間で増加比が178%くらいです。▶︎731日がピークで、そのころは210%を超えているような状況だったと思いますが、それに比べると少しずつ減って来てはいるものの、やはり100%を大きく超えております。▶︎178%が2週間続けば、3.17倍ということになりますので、このまま行くと、818日ごろには1万人を超えるでしょう。

【猪口】コロナ関係での救急要請が非常に増え、救急全体が詰まって来ています。▶︎救急の東京ルールというのがあるのですが、搬送困難になって、救急車が現場に到着してから病院が決まらないという状態がずっと続いています。▶︎搬送できない数は通常状態の3倍以上に増えておりますので、その数だけ脳卒中や心筋梗塞など、コロナ以外の人たちの救急が遅れていると考えた方がいいです。▶︎コロナ患者が増えれば増えるほど、コロナの問題だけではなく、他の医療も圧迫されるという状況になると思います。

【飯田アナ】コロナ以外の医療にも。

【猪口】ただ現場では、厳しい状態の方たちを最優先でやりますから、自宅で急変するような方たちを上手く拾い上げて行くということが大事だと思います。

◆感染者数が増え、保健所も医療機関も瀬戸際の状態……

【飯田アナ】いまの体制だと、その辺りの捌き方に関して、建前上は保健所が間に入るような形になっていますが、患者さん、または感染者数が増えて来ると、当然ながら保健所もいっぱいいっぱいになって来ますよね。

【猪口】そうですね。▶︎陽性になると、医療機関は指定感染症ですから、保健所に届けます。▶︎一方で、患者さんに陽性であるということをお知らせします。▶︎その際、保健所から「こうしなさい」と連絡が来るまで、「こういうことを守ってください」というプリントを渡しながらお知らせするわけですけれども、保健所から患者さんに連絡するまでの時間が、徐々に伸びているという印象があります。▶︎保健所が、「あなたは入院した方がいい」、「あなたは宿泊所にしましょう」、「自宅にしましょう」ということを決めて、その後、入院するのにも時間がかかり始めているのです。

【飯田アナ】時間がかかって来た。

【猪口】それを改善しようと努力している最中ですが、数が増えれば、やらなくてはいけないことが2倍、3倍と増えます。▶︎追いつくかどうか、もう瀬戸際の状態です[2021.08.16

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【コロナに感染時の参考資料】

▶︎『新型コロナウイルス感染セルフチェックシート』

http://hospital.city.tomi.nagano.jp/simin/checksheet01.pdf

▶︎『もしも新型コロナウイルスに感染したら〜発生時の対策』

https://www.town.kumano.hiroshima.jp/www/contents/1609117252021/files/korona.pdf

▶︎『新型コロナウイルス感染症初期診療の手引き』

https://www.bishinkai.or.jp/wp-content/uploads/2020/04/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A20406-%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88..pdf

▶︎『新型コロナウイルス感染症〜正しく知って正しく予防』

https://tokyo-health.coop/news/2021news/pdf/202101_02.pdf

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[*掲載日時:2021815日(日)18:05


それ、しらんかっとってんちんとんしゃん。