【コロナノコトバ】PART.1146
◼️『反ワクチン報道と偽史「プロメテウスの罠」の共通点【後編】』
新聞、雑誌、テレビで不安が煽られた2021年1月から2月の、キーワード[ワクチン危険]と[ワクチン 死亡]の検索数にみる興味の度合いは上昇傾向が続き、あきらかに2020年12月以前と様相が変わっています。▶︎ちりも積もれば山になります。▶︎直接報道に触れなかった人々に口伝てやSNS経由で内容が伝わります。▶︎これもまた原発事故後の報道と世間に満ちたネガティブな感情の関係で経験したものとまったく同じです。
直近では「ABEMA的ニュースショー(ABEMA TV)」でタレント千原ジュニアが次のようにコメントしています。▶︎“今のVTRで答えてくれてた男の子も「副作用」って言ってるじゃないですか。▶︎でもオンエアでは変えられて「副反応」って。▶︎副作用って言うのやめとこうと上がしてる感じとかが、「ん? なんやそれ?」って、なんかちょっと小さいクエスチョンが浮かんでるような気がするんです”
上掲の記事では“「副作用」も「副反応」も本来期待される効果とは異なる影響が出ることを指す言葉。▶︎治療に使う薬では「副作用」と呼び、ワクチンの場合は「副反応」と分けて呼ばれる。”と説明されていますが、番組はこうした説明がないまま進行しました。▶︎理解していない人が、わからないまま発言をする必要はまったくありません。▶︎千原ジュニアの発言はまさに陰謀論者のセリフで、医療や専門家および正しい情報を伝える報道への疑いを生み出しかねません。▶︎参考までにLINEリサーチの若年層が選ぶインフルエンサー・有名人調査を紹介します。(2021年3月実施)
全国15~24歳の男女の調査としては結果が幼すぎるように感じますが、これが実態です。▶︎総合ランキング個人名上位でも一桁パーセントであることでばらつきが大きいことがわかります。▶︎したがって信頼、参考の理由にあがっている項目がそれぞれの人に分散しています。▶︎信頼、参考の理由の上位は「その人のファンだから」「その人のセンスが好きだから」「説明が上手、説得力があるから」といった理由が挙げられています。▶︎つまり自分好みの人が「ワクチンはやばい」と言えば信用する可能性が高いのです。
◆量の感覚は心理的インパクトに左右される……
ワクチン接種について中立か推奨する報道が圧倒的多数で、不安やワクチン忌避を煽るものは少数でした。▶︎しかし、ワクチン忌避や不安を煽る報道が世論に影響を与えています。▶︎[中立もしくは推奨]型の報道が多いからといって[忌避もしくは不安]型の報道の影響は抑制されないことがはっきりしました。▶︎新聞や雑誌を手に取る機会が減り、新聞や雑誌のおおよそすべての記事に目を通す人が減りました。▶︎このため見出しのインパクトによって記事が取捨選択されているのが現状です。▶︎ポータルサイトに一覧表示される見出しから記事を選ぶ場合はとうぜんですが、新聞社や雑誌社のサイトで記事を読む場合も同様です。またポータルサイトでは読者の傾向から記事がおすすめされ、人気のある記事がより目立つ位置に表示されます。▶︎インパクト重視は放送媒体(テレビ、動画配信)にもいえ、まず番組が選択されるために、次に開始から終了までの間に途中で飽きられないようにするために出演者や演出が決定されます。▶︎出版媒体発の報道でも放送媒体発の報道でも、選択された記事がSNSで紹介されたなら、ここでも見出しのインパクト次第でリンクを踏むか否か決まる傾向があります。▶︎インパクトが強ければ報道の存在が強く印象づけられ、これが「マスコミがワクチンの不安を煽っている」と感じる原因の1です。▶︎インパクトが強ければ世論形成への影響が大きくて当然で、これが「マスコミがワクチンの不安を煽っている」と感じる原因の2です。▶︎選択された報道が、知っている報道であり、知っている情報です。▶︎これが、その人にとっての報道のすべてです。▶︎これもまた「マスコミがワクチンの不安を煽っている」と感じる原因の3です。▶︎量の感覚は心理的インパクトに左右されるのです。▶︎メディア関係者は「見出しで勝たなくてはいけない」「見出しはくどいくらい具体的に書き、長くてもかまわない」「SNSでこんな意見が多いと装うカギカッコ付きのセリフを入れる」と言います。▶︎やけに強い言葉や下品な言葉で煽る見出しや“XXさんがインスタグラムに投稿。▶︎「尊い」「美し過ぎて泣けた」”のようなわざとらしい見出しが日常茶飯事になっています。
良質な記事や番組が見出しや演出の煽り合戦に参入したところで、刺激の強さで上回る感情的な報道にかなうはずがありません。▶︎解説より共感、安全より不安に注目するのが人間の心理です。▶︎悪貨が良貨を駆逐していると言え、こうなるのもメディアが自社や系列会社のメディアで人々の不安を煽り、疑いや憎悪さえ抱かせる報道をしているのが問題の発端とも言えます。
◆正しさより共感を重視した物語報道の媚び……
整理しましょう。▶︎メディアは経験的に、情報が多ければ目を引くとは限らないのを知っていますし、論理的な情報なら説得力があるとも思っていません。▶︎刺激的な見出しと内容やインフルエンサーのタレント性で注目を集めるという手法はいまに始まったものではありません。
刺激と人選がどのように報道を変えたか、テレビニュースからニュースショーそしてワイドショーへの流れを振り返ってみましょう。▶︎ラジオの時代から花形アナウンサーはいましたが、原稿を読むプロであり一般的には匿名性の高い存在でした。▶︎1974年からはじまるNHKの「ニュースセンター9時」で報道局畑の磯村尚徳がニュースを読み解説するスタイルが登場、1985年にはテレビ朝日で「ニュースステーション」が久米宏をメインキャスターに据えてはじまります。▶︎匿名性が高いアナウンサーが原稿読むニュースというスタイルを一新し、主張を持ったタレント性がある人物がニュースを伝え解説する流れを確立しました。
ニュースとニュース解説が別枠だった時代が終わり、キャスターのフィルターを通した解釈を伝える報道番組が主役になったのです。▶︎これ以後のことは敢えて説明するまでもないかもしれません。▶︎まずアナウンサーのタレント化が加速しました。フリーアナウンサーのみのもんたのスタイルと位置付けが、タレントがニュースショーに進出する下地をつくりました。▶︎そして正真正銘のタレントがコメンテータ枠へ、やがてキャスター枠へ進出しました。▶︎タレントの比率・比重を高めたワイドショーまで「ニュース」「報道」と呼ぶ傾向が強くなり、正しさより共感、解説より(いわゆるバズりも含む)扇動が強調されるようになりました。▶︎キャスター役のタレントが怒鳴ったり、相手の発言を遮って一方的な主張をしたり、見下した態度を取ったりするのは、視聴者が報道に情報の正しさを求めているのではなく共感や感情の昂りを期待しているのをディレクターや構成作家ともども察知しているからです。▶︎1960年代から70年代に放送された「アフタヌーンショー(テレビ朝日)」で司会の桂小金治が怒りの小金治、泣きの小金治と呼ばれたり、川崎敬三もまた感情を抑えることがなかった司会ぶりから何ら変わっていないのかもしれません。▶︎それにしても報道が扱う諸分野に精通しているわけでもない千原ジュニアが、なぜニュースショーの顔を務めているのでしょう。▶︎それは視聴者層にとって人気者だからです。若年層は、その人のファンだから信頼するという調査結果がありました。▶︎この信頼は正しさではなく共感で形成されていると言えるでしょう。千原ジュニアのワクチン発言は、番組のターゲット層に理解があるよう見せかけた媚びであり迎合です。▶︎これは放送媒体(テレビ、動画配信)に限った話ではありません。▶︎冒頭に記したように、朝日新聞は2011年10月から2016年3月まで「プロメテウスの罠」を連載しました。
大袈裟な表現、特定の派閥に属した側からの証言、両論併記を装ったほのめかし、事実とあきらかに異なる叙述、これらを事実にまじえ原発事故と被災地を語る偽史が「プロメテウスの罠」です。▶︎のちに同紙で繰り返し使用される「被害者に寄り添う」という共感路線に極限まで振り切り報道のレッドゾーンをはるかに超えた印象操作集を連ねた物語が「プロメテウスの罠」と言っても過言ではありません。▶︎朝日新聞の看板と「プロメテウスの罠」という神話に基づくタイトルから報道の王道のように見せかけていますが、正しさより物語としての共感と感情の昂りに重きを置いている点はワイドショーと同じです。▶︎共感と感情の昂りに重きを置いているので一貫してインパクト重視であり、象徴的なのは町田市で少年が鼻血を流しているとする証言です。▶︎両論併記を装ったほのめかしとともに、この記事を読んで衝撃を受け避難の必要がない首都圏から関西へ母子避難した人さえいました。
朝日新聞は「科学を振りかざすな」とも言い出し、ゆるぎない根拠があったとしても批判は受け付けず共感を煽り続けると宣言したも同然になりました。▶︎ワクチン忌避につながった不安煽り報道がどのようなものだったか思い出してください。▶︎大袈裟な証言や表現、統計や科学を曲解または無視した表現は偽史「プロメテウスの罠」で使われたものと同じ手法であり、「科学を振りかざすな」と言わんばかりの姿勢も似ています。▶︎コロナ禍でワクチン[忌避もしくは不安]を煽る報道が目立ち、目立っただけでなく影響力を持ったのは、こうしたメディア側の姿勢があったからと言ってよいでしょう。▶︎ワクチンへの不安を振りまく報道は、メディアがコロナ禍で豹変した結果ではありません。▶︎原発事故以降、独自の正義感からなのか、商売上の理由なのか、論理より感情、理路より共感を煽るのを目的にした報道にますます歯止めが効かなくなっているのです。▶︎原発事故後との違いは、専門家を吊し上げた反原発活動家に相当する勢力がコロナ禍にはなかったため、疫学や医学の専門家を沈黙させられなかった点です。▶︎また原発事故後の反原発活動家と報道のやりたい放題に痛めつけら人々が多くを学び、コロナ禍対策に邁進する専門家をバックアップしました。▶︎とはいえ報道の共感路線、「科学を振りかざすな」路線は性懲りも無くワクハラ(ワクチンハラスメント)なる概念を浸透させようとしています。▶︎あきらかに、ある種の人々への媚びです。▶︎朝日新聞は「科学を振りかざすな」とも言い出し、ゆるぎない根拠があったとしても批判は受け付けず共感を煽り続けると宣言したも同然になりました。▶︎ワクチン忌避につながった不安煽り報道がどのようなものだったか思い出してください。▶︎大袈裟な証言や表現、統計や科学を曲解または無視した表現は偽史「プロメテウスの罠」で使われたものと同じ手法であり、「科学を振りかざすな」と言わんばかりの姿勢も似ています。▶︎コロナ禍でワクチン[忌避もしくは不安]を煽る報道が目立ち、目立っただけでなく影響力を持ったのは、こうしたメディア側の姿勢があったからと言ってよいでしょう。▶︎ワクチンへの不安を振りまく報道は、メディアがコロナ禍で豹変した結果ではありません。▶︎原発事故以降、独自の正義感からなのか、商売上の理由なのか、論理より感情、理路より共感を煽るのを目的にした報道にますます歯止めが効かなくなっているのです。▶︎原発事故後との違いは、専門家を吊し上げた反原発活動家に相当する勢力がコロナ禍にはなかったため、疫学や医学の専門家を沈黙させられなかった点です。▶︎また原発事故後の反原発活動家と報道のやりたい放題に痛めつけら人々が多くを学び、コロナ禍対策に邁進する専門家をバックアップしました。▶︎とはいえ報道の共感路線、「科学を振りかざすな」路線は性懲りも無くワクハラ(ワクチンハラスメント)なる概念を浸透させようとしています。あきらかに、ある種の人々への媚びです。
だからこそ第二の「プロメテウスの罠」、第二の偽史をつくらせないよう、社会の分断に正当化を与えぬよう、私たちは警戒し続けなければなりません。▶︎「プロメテウスの罠」に感化され自主避難をした母子がいても、二人の人生が大いに狂っても、朝日新聞は救いの手を差し伸べようとすらしていません[*note 2021年6月28日付記事抜粋/著者:ハラオカヒサ氏]
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TOKYO 🔴 2020
2021年7月23日午後8時 東京オリンピック開幕式まで、あと20日
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[*掲載日時:2021年7月3日(土)17:00]
それ、しらんかっとってんちんとんしゃん。











