【コロナノコトバ】PART.742


◼️『バッハ会長が決して口にしないぼったくり算段”…東京五輪中止』

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)は、どんな批判にさらされても東京五輪開催へ揺るぎない姿勢を見せてきた。▶︎しかし終息気配のない新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本のみならず世界で吹き荒れる逆風は、五輪やIOCを脅かしかねないレベルに到達。▶︎緊急事態宣言の延長で517日の来日も見送りの見通しとなったが、〝貴族〟らしく保身目当ての作戦に出ているという。▶︎当初、バッハ会長は517日に開催される広島県の聖火リレーに合わせ来日し、518日には菅義偉首相(72)らと面会する予定だった。▶︎しかし東京五輪組織委員会の橋本聖子会長(56)は57日の会見で「緊急事態宣言が延長される状況になった時、その期間中に来てもらうのはバッハ会長に非常に大きな負担をお掛けするのではないかと考えると、非常に難しいことだと思っている」と厳しい見通しを語った。▶︎バッハ会長を巡っては、米紙「ワシントン・ポスト」が「旅行中に小麦を食べつくすどこかの王族のように、ホストを台無しにする」とし「ぼったくり男爵」と指摘するなど、国内外から批判が相次いだ。▶︎56日にはIOCが五輪選手団に米製薬会社大手ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを提供すると発表したが、これを「特別扱い」と見る日本国民からは逆に猛反発を食らった。▶︎完全アウェーの中での来日は、ネット上に「空港で卵投げようかな」などと不穏な書き込みがされ、身の危険を心配されるほど。▶︎さらには「特別待遇でもされたら、もっと国民感情を逆なでする。▶︎五輪を開催してほしい選手たちにしてみたら来てもらわないほうがいい」(ある競技団体強化関係者)と〝来日見送り歓迎〟の声も出るなど、逆風は強まるばかりだ。▶︎すっかり悪役となったバッハ会長が、このままホスト国に望まれない形で開催を強行すれば、大炎上は必至。▶︎大会期間中に新型コロナウイルス感染者が爆発的に増加する事態が発生しようものならIOC、五輪そのものの存続論にまで発展しかねない。▶︎それでも本当に「中止」の2文字がちらついていないのだろうか。▶︎バッハ会長の本音を、IOCの事情に詳しい競技団体関係者はこう推測する。▶︎「どんなに批判にさらされようと、IOCにとって4年に一度の五輪は重要な資金源。▶︎何があっても絶対に自分たちから『中止する』とは言えない。▶︎今は東京や日本が『できません』と言ってくるのを待っているというのが本当のところではないか」。▶︎開催不可能と言い出した東京や日本が莫大な違約金を支払ってくれるなら、IOCの痛手は少ない。▶︎上から目線で「そう言うなら仕方がありませんね~」となる。▶︎そして来年にはIOCの金満体質と相性の良い北京五輪も迫っており、東京が中止になったとしてもバッハ会長の責任が問われるわけではないのだ。▶︎〝貴族軍団〟は自分たちのメンツが潰れぬよう、東京のギブアップを待っている状況。▶︎「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」といったところか▶︎敏腕弁護士の顔を持つ「ぼったくり男爵」は、やはり一筋縄ではいかないクセ者。▶︎今のところ思惑通りに事は進んでいるようだ[2021/05/08

▶️そう言えば日本にも感染爆発を引き起こしたけど、一切謝罪しない弁護士出身の知事がいましたね知らんけど〆

◼️『海外では感染爆発も五輪強行へと突き進む日本のコロナ対策「これだけの問題点」』

3度目の緊急事態宣言が延長となりました。▶︎世界でも感染が再拡大し、🇮🇳インドでは感染爆発が止まりません。▶︎🇯🇵日本の水際対策の現状と問題点は?▶︎ワクチン接種は?▶︎など考えてみたいと思います。

◆なぜ変異の国内流入を止められないのか?……

水際対策は、そもそも万能ではない(加えて、日本はやるべきことをやっていない。国内でも感染力が増していると言われる変異株の流行が進んでいます。▶︎水際対策をやっているはずなのに、どうして変異株の国内への流入を止められないのでしょうか?「海外から到着した際に空港で検査をして、陰性であれば大丈夫なのではないか?」と思われるかもしれませんが、そもそも検査自体(通常は抗原検査で、「変異株流行国・地域」に指定されるとPCR検査)が、万能ではありません。▶︎体内のウイルスの量がまだ少ない等、検査の精度の問題で、ウイルスに感染していても陰性となるケース(偽陰性)が、一定程度あります。▶︎つまり現実問題として、ウイルスは必ずすり抜けて入ってきてしまうので、水際対策というのは、完璧にはいかないのです。▶︎もちろん、「水際対策には効果が無い」ということでは全くありません。▶︎万能ではない、ということであって、感染スピードを抑える効果等は確実にありますので、引き続きしっかり行っていくことが大切です。▶︎その意味でいえば、実は🇯🇵日本は、4月初旬から感染が急拡大している🇮🇳インドを、51日まで「変異株流行国・地域」に指定していませんでした(428日決定)。▶︎🇮🇳インドは、43日から、新規感染者数が世界一となって以来、急激な感染爆発を起こしています。▶︎それなのになぜ、これまで指定されていなかったかというのは、「🇮🇳インド政府が、変異株の出現を認めていなかったから」といったことが言われます(「当該国が認めていないのに、一方的に、変異株が出た国と決め付けることはできない」という理屈)が、しかし、少なくとも、感染者数の急増は、公表されているわけですので、指定の枠組みはどうあれ、外交上の気遣いよりも、国民の安全安心を守ることを優先すべきではなかったかと思います。▶︎ちなみに、感染急拡大を受け、🇬🇧英、🇹🇭タイ、🇮🇩インドネシア等は、4月中下旬から🇮🇳インドからの入国を禁止しています。▶︎現在、「変異株流行国・地域」以外から🇯🇵日本に入国する者は、空港で抗体検査を受けて、陰性であれば、誓約書を取った上で14日間の自宅待機となりますが、自宅待機とはいっても、事実上、自由に行動できてしまう状況にあり、毎日200300人が、連絡がつかない・実際に待機場所にいない、という実態があります。▶︎検査の偽陰性の問題も考えれば、諸外国が行っているように、たとえ陰性であっても、しっかりと政府が管理できる場所で、確実に待機させるべきと考えます。▶︎一方、「変異株流行国・地域」に指定されている地域からの入国であれば、抗体検査に加えて、検疫所が確保する宿泊施設での入国後3日間の待機とPCR検査が行われ、完璧ではないものの、より厳格な措置が取られます。▶︎54日現在、下記の33ヵ国・地域が指定されています。

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🇬🇧英国、🇿🇦南アフリカ共和国、🇮🇪アイルランド、🇮🇱イスラエル、🇧🇷ブラジル、🇦🇪アラブ首長国連邦、🇮🇹イタリア、🇦🇹オーストリア、🇳🇱オランダ、🇨🇭スイス、🇸🇪スウェーデン、🇸🇰スロバキア、🇩🇰デンマーク、🇩🇪ドイツ、🇳🇬ナイジェリア、🇫🇷フランス、🇧🇪ベルギー、🇪🇪エストニア、🇨🇿チェコ、🇵🇰パキスタン、🇭🇺ハンガリー、🇵🇱ポーランド、🇱🇺ルクセンブルク、🇱🇧レバノン、🇺🇦ウクライナ、🇵🇭フィリピン、🇨🇦カナダ(オンタリオ州)🇪🇸スペイン、🇫🇮フィンランド、🇺🇸アメリカ(テネシー州、フロリダ州、ミシガン州、ミネソタ州)🇮🇳インド、🇵🇪ペルー

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もちろん、「変異株流行国・地域」に指定されている地域に滞在していた人が、指定外の自国に帰国し、そこから🇯🇵日本に入国してくることも想定されますので、指定国・地域の規制も万能ではありません。▶︎なお、水際対策の話ではありませんが、クルーズ船「飛鳥」が出港翌日に感染者が判明し、横浜港に帰港するということがありました。▶︎1週間前と前日にPCR検査をし、前日の検査の結果が、出港後に判明したわけですが、「(検査後は外出をしないという前提で)前日の夜か当日の朝に検査をして、検査結果がすべて判明してから陽性者のみを乗船させる」ということにしないと、こういうことは当然生じ得ます。▶︎それから、クルーズ船に限りませんが、陰性が確認された濃厚接触者であるご家族含め、乗客乗員全員速やかに下船されたとのことですが、検査は完璧ではない、ということを前提にする必要があると思います。▶︎20202月のダイヤモンドプリンセス号では、乗客乗員を船内に長期間留め置かざるを得ず、712人が感染、13人が死亡という残念な結果となってしまいました。

◇海外との往来を完全にシャットダウンはしていない……

変異株への対応策として、「完全に海外との往来をシャットダウンして、一切ウイルスを国内に入れないようにすればいいではないか」という声があります。▶︎確かに日本は島国ですので、空港や港湾で、一切海外から入国させない、という措置を取れば、理論的には、海外からのウイルスの流入は防げることになります。▶︎しかし、日本国籍を持つ人や永住資格を持つ人の日本への帰国を拒否するわけにはいきません。▶︎加えて、海外駐在員とその家族や、留学生、外国人技能実習生等の往来は行われています。▶︎例えば、202113月の訪日外客数(永住者等を除く外国人入国者)は46,522人(インドからは905人)、7,400人(同600人)、12,300人(同700名)、そして、202113月の出国日本人数は、48,691人、24,807人、28,900人です[日本政府観光局(JNTO)]。▶︎海外との往来が行われているのは、日本だけが特殊なのではなく、例えば、同じ島国で、感染をほぼ封じ込めたと言われているニュージーランド(人口約504万人)でも、202113月の入国者数は12,918人、12,276人、11,757人、そして、202113月の出国者数は、13,771人、13,373人、14,498人です[New Zealand Customs Service]。

◇国内で変異が起こっていく可能性もある……

国外からだけではなく、国内でウイルスが変異していくことによって、新たな性質を持つ変異株が出現する可能性も、もちろんあります。▶︎ウイルスはヒトからヒトに感染するたびに、変異のチャンスを得ることになりますので、感染者が多いほど、新たな変異株が出現する可能性も高くなります。▶︎したがって、国内変異という観点から変異株を制御する有効な方法は、ウイルスを複製させないこと、すなわち、感染そのものを抑えること、といえます

◆感染爆発の🇮🇳インドでなにが起こっているのか?🇮🇳インドの感染爆発の要因は?……

インドでは、1日の新たな感染者数が35万人に達し、死者も3500人を超えています(53日)。WHO(世界保健機関)は、「週刊感染報告」の最新版(427日)で、この変異株(B.1.617)が、🇮🇳インドのほか、🇬🇧英、🇺🇸米、🇸🇬シンガポールなど、これまでに少なくとも17の国・地域で報告されていること、この変異株には、感染力を強めたり、ウイルスを攻撃する抗体の働きを低下させたりするおそれのある、特徴的な変異が3つ(L452RP681RE484Q)あり、🇮🇳インドの急激な感染状況の分析からも、感染力が強まっている可能性が示唆される、としています。▶︎WHOは、この変異株を、感染状況を注視する「注目すべき変異株(VOIVariant of Interest)」に新たに指定し[※有害な変化が実証された「懸念される変異株(VOCVariants of Concern)には、まだ指定されていない]、各国に対し検出状況を報告するよう呼びかけました(https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---27-april-2021)

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(※)インド株B.1.6173つの主な変異のうち、「L452R」は、ウイルス表面のスパイクたんぱくの452番目のアミノ酸がL(ロイシン)からR(アルギニン)に、「P681R」は681番目のアミノ酸がP(プロリン)からR(アルギニン)に、「E484Q」は、484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からQ(グルタミン)に置き変わった変異です。▶︎L452R」は、カリフォルニア変異株と呼ばれるB.1.429(またはCAL.20C)という変異株などが持つ変異、「E484Q」は、南アフリカ由来の変異株501Y.V2、ブラジル由来の変異株P.1などが持つ変異です。

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なお、インドのB.1.617株は、「(13ある変異のうち)2つあるいは3つがすでによく知られている他の変異株と同じだった」という意味で「2重変異」「3重変異」という言い方がされることがありますが、これについて、🇯🇵日本の国立感染症研究所は「2重変異や3重変異の呼称については、スパイク領域の変異数を正確に表したものではなく、本アセスメントでは使用しない」としています[426日、https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2551-lab-2/10326-covid19-43.html]。

◇感染は、何度でも再拡大する……

以前ご説明したように、🇬🇧英や🇮🇱イスラエルのように、ワクチン接種が進んで、感染を抑えられた国がある一方で、🇺🇸米や🇨🇱チリのように、抑えられていない国があります。▶︎一度感染が抑えられたように見えても、何度も再拡大します。▶︎🇮🇳インドでは、20209月に感染者が9万人を超えましたが、その後減少し、20211月にモディ首相が「コロナ勝利宣言」を出しました。▶︎そして、数ヵ月にわたる大規模なヒンドゥー教の宗教行事「クンブメーラ」が始まり、マスク無しで数百万人が密集して、聖地の川で沐浴することが、繰り返し行われました。▶︎そして、元々、衛生状態も医療水準も極めて厳しい国ゆえ、被害が甚大になりました。▶︎先述のWHOの報告書においても、この宗教的な行事の開催など、社会的な感染対策が困難であったこと等も感染爆発の要因と指摘されています。▶︎あまり知られていないかもしれませんが、🇮🇳インドは、日頃から世界で流通するワクチンの6割を製造する「ワクチン大国」です。▶︎新型コロナワクチン(自国開発のものと、英アストラゼネカのワクチンを、自国でライセンス生産したものとがあります)についても、🇮🇳インドは、ワクチン接種数世界第3位(接種総数15600万回、一度でも接種した人は人口の9.25%[53日])で、他国に輸出もしてきていました。▶︎しかし🇮🇳インドは、感染が再び急拡大し、ワクチンを自国民に優先するため、新型コロナワクチンの輸出をストップしました。▶︎これにより、国連の支援を受けたワクチン公平分配プログラムCOVAXによる、中低所得国へのワクチン供給も滞っていますので、🇮🇳インドでの感染急拡大の影響は、世界への新たな変異株の拡散だけでなく、他の多くの国のワクチン接種にも及ぶことになります。

◇世界全体で収束させるために、助け合わないと、パンデミックは終わらない……

現代社会は、グローバル化が進み、航空網が発達し、ウイルスはたちまち世界中を駆け巡ります。▶︎したがって、自国だけ・自分だけ助かろうと思っても、結局は、感染を止めることはできません。▶︎自分を・自国を助けたければ、他者や他国を助けることが必要になります。▶︎「ウイルスを🇯🇵日本に入れない」ことはもちろん大切ですが、それだけではダメで、「世界全体で抑える、そのために助け合う」ことが、求められます。▶︎したがって、人道的な意義だけでなく、こうした視点からも、WHO40以上の国・地域が、人工呼吸器や酸素圧縮機、ワクチンや治療薬等を至急🇮🇳インドに提供しています。▶︎自国を守るため、世界を守るため、一人ひとりの努力が求められます

◇国内のワクチン接種の現状……

日本国内のこれまでのワクチン総接種回数は3,489,719回、内訳は、医療従事者3,348,013(1回目:2,352,2552回目995,758428日])、高齢者141,706回([429日]です。▶︎1回でもワクチンを接種した人の全人口に占める割合は約2%です。▶︎医療従事者は217日から、高齢者は412日から接種が始まり、今後、高齢者施設の従事者や基礎疾患のある人、6064歳の人、16歳以上の一般の人の順番で接種が行われる予定です(開始時期などは未定)。▶︎現時点では、国内で承認されているのは、米ファイザー製ワクチンのみで、その輸入量は約856万回分(約428万人分)です。▶︎

日本政府は、ファイザーとの間で2021年内に14400万回分(7200万人分)の供給を受けることで合意(※9月末までに、16歳以上の対象者約22000万回分[11000万人分]供給で合意との話もあり]、6月末までに1億回分以上を確保する予定です。▶︎4月到着分は約1226万回分[約613万人分]、5月は4300万回分、6月も4300万回分以上が届く見通しです。▶︎政府は、英アストラゼネカと米モデルナとも契約しており、アストラゼネカ製は12000万回分[6000万人分]、モデルナ製は5000万回分[2500万人分]の供給を受けることになっていますが、いずれも国内での承認を申請し、審査中です。

7月末までに高齢者の接種完了?……

7月までに3600万人の高齢者の接種を完了する」との政府方針が示されました。▶︎ワクチン接種は感染収束に向けた切り札であり、政府に対する様々な批判がある中で、懸命に取り組んでいる姿勢を示したい、ということは理解します。▶︎しかし、一方的なかけ声ばかりで、「具体的にどうすればそれが可能なのか」が示されないことに、強い違和感を覚えます。▶︎実際にワクチンの接種を行うのは、全国の地方自治体です。▶︎自治体はこれまでも、住民に対する様々なワクチン接種の主体となってきているわけですが、新型コロナは、急速に世界に感染が拡大した新興感染症で、世界中が対処に苦慮している真最中であり、そして新型コロナワクチンは、人類がこれまで使ったことのないmRNAワクチンで、超低温での保管など厳格なルールがあります。▶︎こうした状況では、国からワクチンが配布される具体的なスケジュールや量などを、早い段階で示すとともに、各自治体が迅速な接種をできるようにサポートが行われなければ、「手元にワクチンが無い。▶︎いつどれくらい国から配布されるのかもわからない。▶︎そういう状況で、接種や会場の人の手当ても十分にできていない」状況において、突然「あと3ヵ月で全部終わらせろ」と言われても、自治体は困惑するばかりです。▶︎もちろん何であれ、「期限を決めて、このときまでにやる!」と決めて取り組むことは、目標を実現するための戦略として有用な場合も多いと思いますし、感染症対策として、迅速にワクチン接種が進められていくことは、望ましいことです。▶︎ただ、🇯🇵日本はまだ、人口の約2%しか接種が行われていない状況で大切なことは、「必ずいつまでに何人」ということをガチガチに決めて、それに過度にとらわれるよりも、国が為すべきことは、①短期的には、ワクチンを海外から入手して配布し、全国で接種体制を整え、実際に着実に接種が進むように、無理を課さずに、できることを自治体に精一杯やっていただく、そして、②中長期的には、日本がワクチンの開発・製造力を失った歴史的経緯も踏まえ、改めて、今後の方針を考え、改善・実行すること、だと思います。▶︎なお、国内の医療従事者(約480万人)で2回の接種が完了したのは、まだ約2割[995,758人(429日)]です。▶︎少なくとも、「ワクチン接種に従事する医療従事者の方が、ワクチンを接種できていない」という状況は、速やかに改善すべきと思います。

◇「大規模接種会場」の新設……

①の方針を実現する一環で、東京と大阪で、国直轄の大規模ワクチン接種会場を設置するとのことです。▶︎欧米では、野球場、競技場、博物館、大型駐車場等も、接種会場として使われ、ドライブスルー方式等も採用されていますので、大規模接種会場の設置自体は、あり得ることだと思いますが、問題は、人材の活用方法や高齢者にかかる負荷などです。▶︎まず、1ヵ所で「11万人接種」というのは、現実的ではないのではと思います。▶︎例えば、米ニューヨークの野球場ヤンキースタジアムも12000人程度、通常の集団接種会場は、1日数百人程度に接種が行われています。▶︎何人の確保を予定しているか分かりませんが、接種だけではなく、誘導、受付、問診、瓶から注射器に移す作業、接種後の待機時の管理等、様々な作業への人員確保が必要になります。▶︎大規模接種会場では、国が直接命令を出すことができる自衛隊の医官や看護官を活用するとのことです。▶︎それぞれ1000人ほどの医官・看護官が、全国の自衛隊病院や基地等で従事しているわけですが、①動員が可能であるならば、今現在、関西の「医療逼迫」と言われる地域に送っていただくことは、なぜできないのか(実際に202012月には、北海道旭川の病院に自衛隊の看護官10名が送られました)、②新型コロナワクチンの接種に協力したいという開業医・看護師の方も多くいらっしゃると思いますので、限られた人材の有効な活用という観点からは、この接種会場での自衛隊の医官・看護官の全面活用には疑問を感じます。▶︎また、東京大手町の大規模接種会場では、一都三県の高齢者が来ることを想定しているとのことですが、「高齢者にとっては、わざわざ都内に出ていくのはしんどい」「感染がこわいから電車には乗らないようにしている」といった声もあります。▶︎それぞれのお住まいの近くで早く接種ができるようにするのが望ましいわけですが、やはり難しいのでしょうか……▶︎なお、特に変異株は、若年層・壮年層にも感染し、重症化・死亡するケースも増えていますので、高齢者のワクチン接種さえ済めばもう大丈夫ということではないということも改めて申し上げたいと思います。

◇五輪参加者への医療資源の提供が優先?……

五輪組織委員会は、看護師500名、医師(スポーツドクター)200名の東京五輪へのボランティア参加を求めています。▶︎五輪の選手村には、24時間運営の総合診療所と検査所が設置され、都内約10ヵ所・都外約20ヵ所の指定病院を確保し、選手にコロナ陽性、熱中症などで入院が必要になった場合には、優先的に入院させることにするとのことですが、もし五輪開催中に、東京や近隣県の医療状況が逼迫していたら、どうするのでしょうか?▶︎そのとき、国内に多くの入院や治療待機者がいても、五輪参加者を優先させる命の選別を行えるとする、合理的理由は何でしょうか?▶︎もちろん、五輪を開催するのであれば、主催国として医療体制を整備することは必要でしょうし、緊急事態宣言が出されているとはいえ、日本は世界の中では相対的に感染者数は少ないといえば、それはそうでしょう。▶︎しかし、相対的に感染者数が少なく、そして人口当たり病床数が世界一なのに、14ヵ月経っても、大変残念なことに、十分な病床を確保することができず、入院待機中に亡くなる方が続出しているという現実があります。▶︎直接お話をうかがいますが、新型コロナ対応に当たる現場の医療従事者の方の疲弊と緊張は相当なものです。▶︎「現在休んでいる(=現場を離れている)たくさんの看護師さんがいるから可能だ」ということだそうですが、育児・介護、体調不良等、現場を離れているには、基本、それ相応の理由があります。▶︎こうした潜在看護師の活用問題は、以前から指摘されていますが、なかなか解決していないのが現状です。▶︎本当に、数百名の医療従事者を動員することが可能なのであれば、今現在、医療従事者が疲弊・不足し、入院待機中に亡くなる方が増えている地域に助けに行っていただく、あるいは、大幅に遅れているワクチン接種を進めていただく等、国民が、「やってほしいと切望していること」は、他にもたくさんあるように思います。▶︎こうした疑問に対する明確な説明が無いことが、国民の不信感をますます増大させてしまっているように思います。▶︎「実際に五輪が始まれば、国民は盛り上がるから大丈夫」という見込みもあるようですが、そんな甘いことでいいのだろうか、と思わざるを得ません。

◇「誰ひとり、取り残さない」……

日本で高齢者のワクチン接種が始まったものの、「予約の電話がつながらない」「慣れないネット予約はできない」という声が多くあります。▶︎こうしたことは、生命の問題の前に大したことではないように思われるかもしれませんが、私はここに、政治や行政の重大な姿勢が問われているように思います。▶︎新型コロナ以前からですが、国を挙げてデジタル化・ICT化が推進されています。▶︎しかしながら、必ずしもすべての方が、先端技術を使いこなせるわけではありません。▶︎こうした「デジタル格差」問題を解決するに当たっては、「誰も取り残さない」ことが大切と考えます。▶︎もちろん「インターネットは非常に便利」であり、推奨することにより利用する方が増えることはよいことで、引き続きサポートは行われていくべきだと思いますが、強制するのは適切ではないと思います。▶︎電話のほかに、自治体に対応する窓口を設ける、民間に委託する等も含めサポート体制を作るといったことも必要だと思います。▶︎そういったことを「無駄」と切り捨ててしまうのではなく、技術や時代の変わり目において、「行政が担うべき必要なコスト」と考えるべきだと思います。▶︎🇮🇱イスラエルでも、ネットを使わない人は、予約センターに電話してIDナンバーを伝えると、オペレーターが代わりに予約してくれるシステムを取っています。▶︎スタート最初は、ネット予約システムも電話予約センターも混乱して、なかなかつながらなかったという状況だったそうです。▶︎何事も、すべてが、一挙に円滑には進みません。▶︎国民に寄り添いながら、できることを最大限やっていく、ということだと思います。▶︎ワクチン接種も、入院や治療を待って苦しんでおられる方も、どうか「誰ひとり、取り残さない」――平時でも、危機下でも、守られるべき大切な方針だと思います[*現代ビジネス 202158日付記事/豊田真由子氏・元厚労省官僚、元衆議院議員]

▶️元厚労省官僚らしい豊田真由子氏の分かりやすい解説でした〆

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【コロナノコトバ 本日の一句】

『サビついた 伝家の宝刀 緊急事態宣言』

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[*掲載日時:202158日(土)14:00]


それ、しらんかっとってんちんとんしゃん。