【コロナノコトバ】PART.389
◼️『緊急事態の、要否、3月18にも判断…感染数、変異株の状況注視』
政府は、3月21日を期限に首都圏1都3県に発令中の新型コロナウイルス緊急事態宣言の要否について、3月18日にも対策本部を開いて判断する検討に入った。▶︎政府関係者が3月15日、明らかにした。▶︎政府内には期限通りの解除を求める声があるが、一部で新規感染者数に増加傾向がみられることに加え、感染力が強いとされる変異株が全国的な広がりを見せている。▶︎政府は専門家らの意見を踏まえ、慎重に状況を見極める構えだ。▶︎菅首相は3月15日の参院予算委員会で、緊急事態宣言解除の見通しに関し「言える状況ではない。▶︎専門家の意見も聞きながら最終的に判断したい」と強調した[2021/03/15]
▶️運命の別れ道まであと3日。変異株感染爆発か?それとも五輪爆進か?〆
◼️『河野太郎氏、ワクチン供給遅れにイラついて…「俺の言うこと聞け」に現場は戦々恐々』
◇露骨に冷淡な態度をとり…
いま霞が関と永田町で「河野三言」という言葉が広まっている。▶︎「河野」とは、もちろん新型コロナのワクチン担当である河野太郎氏のことだ。▶︎「河野氏の官僚に対する発言や態度をまとめると、三つの「言」に集約されるというもの。特にワクチン政策を担当している厚労省、外務省の官僚たちの間で話題になっています」(厚労省キャリア)。その中身とは、「俺の言うことを聞け」「言うことを聞かなければクビだ」「しかし、言うことを聞けば俺が責任をとる」の三つだという。河野氏は自分の言うことを聞かない官僚には露骨に冷淡な態度をとり、遠ざけるのです。そしてしきりに官僚に『責任は俺がとる』と言う。ただ、何かあってときに本当に責任をとってくれるようには思えない。官僚の間では『責任はとらないだろうから、河野三言じゃなくて、河野二言だよな』と言い合っています」(厚労省キャリア)。そんな河野氏の背景には苛立ちがあるという。自民党議員が語る。「1月にワクチン担当に就任した当初、河野さんは意気揚々としていた。『今年中には全国民に接種を完了できるんじゃないか』とも言っていた。ところがワクチンの供給が思った様に進まなかった。ファイザーとの守秘義務契約で遅延の詳細な理由を会見で明かせないことにもストレスを溜めているようです。官僚たちに八つ当たりするしかないのかも知れません」。現場を脅したからといって、急にワクチンが増えるとは思えないが[*週刊現代2021年3月13日号記事]
▶️河野氏のイメージダウンを謀った官僚サイドによるリークとしか思えない記事。官僚組織の陰湿・狡猾な世界が垣間見えて気持ち悪い〆
◼️中国🇨🇳:『新型コロナワクチン接種…3月14日時点で約6500万回』
中国国家衛生健康委員会は3月15日、国内の新型コロナウイルスワクチン接種が3月14日時点で約6500万回に達したことを明らかにした。▶︎中国は2020年にワクチン接種を開始し、国内で開発したワクチン数百万回分を他国に輸出。▶︎これまでに4種類の国内開発ワクチンを承認している。▶︎首都北京では、3月14日付地元紙によると1000万回の接種が完了。2回の接種を受けたのは300万人超だという。▶︎国営メディアによると、中国は6月末までに人口14億人のうち4割に接種することを目指している。これは1日当たり平均で約400万回接種しなければならないが、3月に入ってからの1日当たり接種は100万回を下回っている[2021/03/15]
▶️他国に配ってもこの量のワクチンを製造出来る謎…事前に用意されていたとしか思えない。考えすぎだろうか?〆
◼️タイ🇹🇭:『アストラゼネカ製ワクチンの接種を3月16日に開始』
タイ政府は3月16日から、英製薬大手アストラゼネカが開発した新型コロナウイルスワクチンの接種を開始する。▶︎接種開始は3月12日に予定されていたが、安全上の懸念から延期されていた。▶︎まず、首相と閣僚が接種を受ける。▶︎政府報道官が3月15日、報道陣に明らかにした。▶︎同社のワクチンを巡っては、接種後に血栓ができる事例が欧州で報告されている[2021/03/15]
▶️EUのアストラゼネカ製ワクチン中断騒動最中での接種開始に疑問。トラブルがなければいいのだが〆
◼️ルポ葬儀業界:『オンライン葬儀も登場…新形態の裏に業界の危機感も』
人が集まる葬儀を避けたいが、お別れはしたい。▶︎そんなコロナ禍の切実な思いに応えた新しいサービスに注目が集まっている。▶︎群馬県のとある葬儀場。▶︎1台の車がゆっくり受け付け台の前に横付けすると、ドライバーが車の窓を開けた。▶︎すると係員が、記帳カードと香炉を載せたお盆をドライバーに渡す。▶︎ドライバーは車から降りることなく、車内で記帳と焼香、合掌を済ませ、香典と一緒にお盆を係員に戻した。▶︎係員から香典返しを受け取ったドライバーは窓を閉め、去った。▶︎この間、約1分。▶︎ドライバーは式場で葬儀が行われている亡くなった人の弔問客だ。▶︎「車の中からでもご焼香をしていただければ、その人なりの心の整理ができるのではないかと考えました」と、この「ドライブスルー焼香」を導入した葬儀場「日典ラサ」(本社・高崎市)葬祭部長の大塚一正さん(58)は言う。▶︎コロナ禍にあって「密」になる葬儀場への参列をためらう人は少なくない。▶︎しかし、最後のお別れはしたいと考える人は多くいる。▶︎そうした人たちの機会喪失を防ぐために何ができるかを考え、ドライブスルー方式を導入することにしたという。
◇オンライン葬儀が出現
車の中から故人とのお別れをする「ドライブスルー葬儀」は2017年に長野県上田市の葬儀場が足腰の弱い高齢者の負担を減らそうと始めて話題となった。▶︎日典ラサのドライブスルー焼香も、それをヒントにしたという。▶︎2020年8月中旬から高崎市、前橋市、太田市など同社の葬儀場で始めると、評判は口コミを中心に広がった。▶︎今では1カ所の葬儀場で月30~50件近い利用がある。▶︎利用者からは「大切な方にお別れが言えました」という感謝の言葉をもらうという。▶︎「葬儀は弔う人びとの気持ちで成り立っています。▶︎ドライブスルーであっても、故人を偲び、手を合わせることで、大切な人への心の整理ができるのだと思います」(大塚さん)。▶︎新型コロナウイルスの脅威を前に、お別れの仕方が変わってきた。▶︎通常のお見舞いはもちろん、愛する人の最期に立ち会い静かに看取ることすら困難になっている。▶︎弔いの在り方も大きく変わり、それに伴い様々なサービスに注目が集まっている。▶︎オンラインで葬儀を配信する「オンライン葬儀」もその一つ。▶︎遠隔地での葬儀や高齢者の参列をサポートするために登場していたが、コロナ禍の感染対策として葬儀会社だけでなくIT企業など他業種からも参入している。
◇訃報はSNSで伝える
2021年2月から本格的なサービスを開始した「おとむらいネット」。▶︎システムを開発したのは、イベントや店舗運営などを幅広く展開する「スパート」(本社・東京都新宿区)だ。▶︎代表の嶋崎琢也さん(53)は、誰でも気軽に「お弔い」ができる仕組みをオンライン上でつくりたかったと話す。▶︎「特にコロナで、親しい方のご葬儀への参列機会を失った方も多いはずです。▶︎それならば、どの葬儀社に依頼をしても、無料で参列がかない、香典決済などを行った場合にのみ手数料が発生するオンライン葬儀会場を構築しようと思いました」。▶︎操作は簡単だ。▶︎サービス利用者は葬儀会社を通して利用することになるが、利用者には専用URLとQRコードが発行され、訃報をメールやSNSで故人の知人に伝えることができる。▶︎葬儀期間を長めに設定でき、その期間内はどこからでもアクセスが可能。▶︎システム利用料は無料で、香典のカード決済から手数料5~15%が引かれる。▶︎「SNSで拡散し、参列者の裾野が広がり、ご遺族からすると参列者が増えて多くの方に見送っていただけます」(嶋崎さん)▶︎同サービスの関東エリアの問い合わせ窓口となっている葬儀社「エバーラスティング」(本社・東京都文京区)代表の高野浩樹さん(55)は言う。▶︎
「オンラインで時間も場所も距離も気にしなくていいので、コロナ禍で利用してほしい」。
◇葬儀会社の厳しい事情
葬送専門雑誌「SOGI」元編集長で葬送ジャーナリストの碑文谷創さん(75)は、コロナ禍で注目されるようになった葬祭サービスの変化は2000年以降に始まった葬儀の個人化の流れの中で起きていると指摘する。▶︎「密集状態を回避するために大勢が集まる葬儀や会食が制限される中、参列が困難な人たちの思いを代替するものに準ずるサービスが提供されるようになった。▶︎こうしたツールは、出席がかなわない高齢者や海外などに住む近親者に対して、コロナが収束した後も有効です」。▶︎一方、こうした葬儀形態が広まる背景には、コロナ禍で苦境に立たされている葬儀会社の危機感の表れもある。▶︎終活関連サービスを提供する「鎌倉新書」が2020年3月に公表した調査によると、約9割の葬儀会社がコロナの影響で「参列者が減った、または今後減少していく」と回答した。▶︎「厳しいです。▶︎生き残れるかどうかの瀬戸際です」。▶︎都内にある葬儀社の幹部は打ち明ける。▶︎コロナ前から葬儀は、高齢化や価値観の変化を背景に、身内だけで故人を見送る「家族葬」と通夜・葬儀や告別式を行わず火葬のみという「直葬(ちょくそう)」が葬儀全体の9割近くを占めていた。▶︎それがコロナ禍で拍車がかかり、家族葬や直葬がほぼ100%になった。▶︎結果、数百人規模で行われる葬儀はほぼゼロに。▶︎売り上げは激減し、昨年の6割減だという。▶︎「例えばコロナ前だと会社関係や友人も含め800人近く呼んでいたのが、コロナによって10人くらいで済ませる家族葬になっています。▶︎こうした傾向はコロナが収束しても元に戻ることはないと思います。▶︎生き残れるサービスが少しでもできないか、模索しています」。▶︎この幹部は、オンライン葬儀などができないか検討していると話した[*AERA 2021年3月15日号記事抜粋]
▶️参列者数百人以上の大規模な葬儀はもはや大企業の社葬ぐらいでしか見られない時代となりつつある。葬儀のスリム化、その先には「墓じまい」の流れが加速していくのかも知れない〆
◼️『上京者が「東京」で暮らす「寂しさと貧しさ」を、コロナは浮き彫りにしたかも知れなない』
首都圏で緊急事態宣言がまた延長された。▶︎新型コロナウィルス感染拡大防止のためにはやむを得ないとする声も多いが、長引く時短や自粛要請に悲鳴をあげる飲食業界や観光・旅行業界を筆頭に経済的ダメージが懸念される。▶︎ただ、国や自治体による経済的援助もあり、企業の倒産や失業率は低く抑えられている。▶︎これはこれで先々の大幅増税が懸念される大問題なのだが、喫緊の問題として、1年以上にわたるコロナ禍は私たちに新たな危機をもたらしている。▶︎それは孤独・孤立による「寂しさ」である。▶︎国も担当大臣を新設するなど対策に動き始めたが、寂しさは個人が感じる心の問題だけに、特別定額給付金のようにバラまけば済むものではない。▶︎また、とりわけ、上京してきた社会人、東京に暮らす人が孤独や寂しさ、貧しさを痛感する機会が多かったのではないだろうか。▶︎個人としてはどう捉えどう対処していけばよいのか。▶︎職場のコミュニケーションに詳しい人材育成支援企業・FeelWorks代表取締役の前川孝雄氏が考察する。
◇在宅勤務で孤立する若手社会人たち
「就職で親元を離れて東京に出てきて一人暮らしを始めたのですが、この1年ずっと在宅勤務です。▶︎仕事のやりとりは全部チャットやテレビ会議などオンラインで済みますし、引っ越しする必要はなかったのかなと思っています。▶︎何よりつらいのは、家族もいないので、一日誰とも話さずに狭い部屋で過ごすことも少なくないことです。▶︎最近、仕事やキャリアの目標もわからなくなってきて、これからを考えると不安で仕方がないんです。▶︎いったいこれからどうなっていくんだろうって」ある若手社会人から聞いた悩みだ。▶︎他人ごととは思えない人も多いのではないだろうか。▶︎「女の転職type」が2021年1月に21~39歳の女性へのWebアンケートを実施し、「過去に、どうしようもなく「寂しい」と感じたことはありますか?」と聞いたところ、「いつも感じる」「ときどき感じる」を合わせると66%にも至っている。▶︎フリーコメントを読むと、つらい様子がリアルに浮かび上がってくる。
○仕事中も人と会話をすることがないし、一人暮らしの家に帰って「誰とも話さずに一日が終わるな」と感じた時(28歳/一般事務)
○夜ご飯を食べている時です。一人で食べるのですごく寂しいです(25歳/エンジニア)
○テレビで幸せそうな家族を見たり、休日に家で一人で過ごしている時です(23歳/事務)
○悩み事を話せる相手がいないとき(34歳/キッチンスタッフ)
○休日に何も予定がなく、お腹がすいた時(32歳/製薬会社勤務)…。
まだ「寂しい」状態で踏みとどまればよいが、暗澹たる気持ちになるのは、自殺者が増えていることだ。▶︎警察庁が1月に発表した2020年の自殺者数(速報値)は前年比3.7%(750人)増加の2万919人で、リーマン・ショック後の2009年以来11年ぶりに増加に転じている。▶︎特に女性と若者の増加が目立つ。▶︎女性は14.5%(885人)増加し6976人。▶︎年代別では40代が3225人と最も多いものの、増加率では20代が16.8%(329人)増加の2287人と突出している。▶︎長引く休業、非正規雇用者の雇い止めなどで、自宅に引きこもり、相談する相手もいないなか生きる希望を失って命を絶つ若者が増えているのだ。
◇豊かさを求めた上京者が、日本で最も貧困という皮肉
コロナ禍以前は、孤独・孤立による寂しさの問題は、過疎化が進み限界集落も出てきている地方の問題と考えていた人も多いのではないだろうか。▶︎しかし、私は東京などの都会においても並行して数十年かけて深刻化していたと見ている。▶︎しかも、とても皮肉な形で。▶︎1月に国土交通省が発表したデータが、私の懸念をいみじくも裏付けることになった。▶︎都道府県別の中間世帯(所得の上位40〜60%)の月単位の可処分所得と基礎支出との差額で豊かさを順位づけしたところ、東京都は全国42位で、通勤時間で失われる機会費用を差し引くと、何と最下位だったのだ。▶︎1位は三重県の23万9996円、2位の富山県23万7390円、3位の山形県23万7202円に対し、47位の東京都は13万5201円と三重県の6割にも届かない。▶︎昭和の高度成長期以来、私たちの先人は豊かさを求め経済成長を追求してきた。▶︎かつての若者の多くは、地方の閉塞感や人間関係の煩わしさを嫌い、仕事と収入が得られる東京を目指してきた。▶︎こうして人口の東京一極集中が進み、若者は富と自由を手にして、衣食住に必要なモノはもちろん、レジャーから家事・育児・介護まで何でもサービスとして買える便利な生活を手に入れた。▶︎しかし東京で働く地方出身者の増加は、核家族化・一人世帯の増加を意味することになった。▶︎親戚づきあいや近所づきあいからは解放されて自由ではあるけれど、地方では地域や親族の助け合いで済んでいたことにまでお金がかかる生活を送らざるを得なくなったといえる。▶︎バブル崩壊以降、給与は頭打ちどころか減少傾向となり、一方で控除される税や社会保険料負担は激増してきた。▶︎給料は田舎で働く人たちより多いはずなのに、なぜか生活が苦しい――平成の30年間にそう感じる人が増え続けることになった。▶︎私自身、地方から東京に上京してきたかつての若者の一人であったため、こんな感慨を強く抱くようになっていた十数年前、沖縄県の離島に旅をすることがあった。▶︎沖縄に暮らす知人を通じて、島の祭りに参加し、夜は波打ち際の砂浜で宴会だ。▶︎島に暮らす人たちと交流する中で不思議に思ったことがある。▶︎島にはこれといった産業も仕事もないため、世帯あたりの月収が10万円ちょっとというのに、なぜか皆さん明るく楽しそうだったことだ。▶︎海風に吹かれながら泡盛を酌み交わした島の人は私の疑問にこう答えてくれた。▶︎「この島の平均世帯月収は12万~13万円です。▶︎でも、十分に豊かな暮らしです。▶︎お年寄りの家の窓が壊れたといえば、近所の働き盛りの人が修理する。▶︎朝6時にドンドンと門が叩かれ、近所のおじいやおばあが「畑で取れた野菜だよ」と運んでくれる。▶︎この島では、お金に換算できない経済が回っているんですよ」。▶︎頭をガツンと殴られたような思いがした。▶︎私たちは何を目指して東京に集まりあくせくと働いてきたのだろうか、と。▶︎本当の豊かさは大金を稼ぐことではなく、人と人のつながり、ぬくもりを感じることなのだと確信もした。▶︎もっとも、お金があれば、友だちと飲みにも遊びにも行ける。▶︎故郷に帰省すれば、親や兄弟姉妹、同窓生たちとも会える。▶︎旅をすれば、現地の人たちとも出会える。▶︎沢山稼いでいるから沢山使える。▶︎そう割り切れば、東京で働き稼ぐことの意味づけもできた。▶︎ところが、その東京で働き暮らす中間世帯が最も経済的貧困状況に陥っていたとは、皮肉どころか、もはや悲劇としかいいようがない。▶︎私たちは懸命に経済的な豊かさを求めてきたはずが、経済的な豊かさを得ることは出来ないどころか、最も大切な心の豊かさまで失いかけていたのだ。▶︎大阪市立大学大学院の斎藤幸平准教授は、『人新世の「資本論」』(集英社新書)のなかで、現代人の悲劇をこう論じている。▶︎
「私たちのほとんどは、自分の手で動物を飼育し、魚を釣り、それらを捌くという能力をもっていない。▶︎一昔前の人々は、そのための道具さえも、自前で作っていた。▶︎それに比べると、私たちは資本主義に取り込まれ、生き物として無力になっている。▶︎商品の力を媒介せずには生きられない。▶︎自然とともに生きるための技術を失ってしまっているのである。▶︎だから私たちは周辺部からの掠奪によってしか、都市の生活を成り立たせることができない」。▶︎そんな想定しなかった危機が訪れているさなか、盆暮れ正月の帰省も寸断するコロナ禍が一気に追い打ちをかけ、「寂しさ」という現代病が悪化したのではないだろうか。
◇自らを守るために何ができるか
こうした危機にさすがに政府も重い腰をあげた。▶︎2021年2月、菅義偉首相は、坂本哲史少子化相を兼務させる形で「孤独・孤立対策」担当大臣を新設した。▶︎自殺防止や学生支援など省庁横断で取り組む政策の調整を行うことになる。▶︎ちなみに、この孤独・孤立問題は資本主義の先進国共通の問題である。▶︎英国🇬🇧では、すでに3年前の2018年に世界初の「孤独担当大臣」を設置している。▶︎同国では、成人の2割である900万人が常に孤独を感じていることが判明しているという。▶︎これからの政府の政策にも期待したいところだが、いまこの瞬間も人と人のつながりやぬくもりを感じることができず、希死念慮に苦しんでいる人には間に合わない。▶︎緊急事態宣言の度重なる延長のなかであっても、なんとか自らを守る行動を起こしてほしい。▶︎このコラムが届くことを願って、「寂しさ」という病を克服する私のおすすめ方法を3つほど提案しておきたい。【1つ目】は、「少短離の5時から飲み会」。2020年、一時的にオンライン飲み会が流行ったが、最近は下火だ。▶︎やはり、実際に会って、店員との会話も楽しみながら、同じ空間で美味い酒と肴を共にすることで感じる人のぬくもりにはかなわないからだろう。▶︎であるならば、感染対策を徹底するために、少人数で、短い時間、距離をとって、近場で飲みニケーションをしてみてはどうだろうか。▶︎あいにく飲食店の多くは午後8時までの営業を余儀なくされているが、逆に明るい時間帯から酒の提供をする動きは盛んだ。▶︎ぜひ夕方5時ごろの明るいうちから飲みにでかけよう。▶︎友達も1〜2人なら誘ってもいいだろうし、勇気を出して自宅近くの常連さんたちが集うカウンターのお店の暖簾をくぐってもみてほしい。▶︎そこで少人数の人たちと、席を一つ空けるなど距離をとる、しゃべるときはマスクをするなどしたうえで、笑顔で挨拶からはじめて、天気や時事の話題など何気ない日常会話をしてみてほしい。▶︎寂しいのは自分だけではないと知るだけでも安心でき、絆が生まれるはずだ。【2つ目】は、「みんなで黙々アウトドア」。▶︎密閉・密集・密接の3密の対極にあるアウトドア。▶︎ただ、大勢でバーベキューをして酒を飲み大声で騒ぐことはまだできない。▶︎であるならば、友だち距離をとってマスクをして喋らずに黙々とアウトドアスポーツを楽しんではどうだろう。▶︎私のおすすめはスポーツフィッシング。▶︎フットサルや野球などもよいが、どうしても声を上げたり、人の人の接触も起きやすい。▶︎ランニングも一人なら走りやすいが、友だちと一緒に走ると息遣いや咳こむことで感染リスクになるかもしれない。▶︎その点、最近流行しているジギングなどルアーで楽しむスポーツフィッシングなら、適度なアクションもあり、距離を開けて黙々とやっていても、互いのテクニックや釣果も競い合えて楽しめるはずだ。【3つ目】は、「Clubhouseでバカ騒ぎ」。▶︎今年に入って爆発的に広がりつつある音声のみのSNSであるClubhouse。▶︎TwitterやFacebookやInstagramなど文字や動画SNS、LINEやZOOMなどを使えばテレビ通話も可能なのに、あえて音声だけのClubhouseがヒットするのは、やはり声だけのコミュニケーションの気楽さからだろう。▶︎そして、何より身近に人のぬくもりを感じられることだろう。▶︎テレビなどと比べて断然にリスナーとナビゲーターの距離が近いラジオのような感覚なのかもしれない。▶︎ClubhouseはまだiPhoneユーザーにしか使えない。▶︎経済的貧困が若者に広がりつつあるが、高額でもiPhoneだけは持っている人も多い。▶︎ご無沙汰している友達に声をかけてClubhouseでルームを開設しておしゃべりしてみてはどうだろう。▶︎密になる心配はないので、思い切り大声で話し、バカ騒ぎしても全く問題ない。▶︎もちろん、有名人同士のおしゃべりを聞くだけでも人と人のつながりを感じられるはずだ。▶︎寂しい、人恋しいと感じることは恥ずかしいことではない。▶︎社会動物である人間としてまっとうな感覚だ。▶︎孤独や孤立する人が増えている現代。▶︎みんな誰かと繋がりたい、癒されたい、優しい気持ちになりたいのだ。▶︎自分を守るための行動をぜひ起こしてほしい。▶︎そしてその行動は、同じように寂しさに悩んでいる誰かを救うことにもなるはずだ。
[*現代ビジネス2021年3月15日付記事/文・前川 孝雄・FeelWorks代表]
▶️「都会で一旗あげる」と言う言葉がもはや死語となりつつある昨今。若者たちの夢や希望は、何処で昇華させればいいのだろうか?〆
◼️『私たちはコロナ後、元の生活に戻ってはならない…「人新世」とは何か?』
「人新世(ひとしんせい)」という言葉が注目されている。▶︎地球が新たな時代に入ったことを意味するもので、環境危機と人類の文明をとらえ直すなかで広く議論が起きている。▶︎関連の著書もある気鋭のマルクス研究者、斎藤幸平・大阪市立大学大学院経済学研究科准教授は、新型コロナウイルスと「人新世」には深い関係があると分析している。▶︎その斎藤氏に、「人新世」について解説してもらった。▶︎「人新世」とは、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェンが提唱した時代区分で、人類の経済活動が世界全体に広がり、その痕跡が地球上のいたるところまで及んだ年代という意味です。▶︎地質学的にみて、現在の地球は約1万1700年続いた「完新世」の時代。▶︎それが新たな年代に突入したのではないかと議論されています。▶︎現在の経済活動、すなわち際限なく利潤を追求する資本主義が、それほど地球に大きな影響を与え、環境を破壊しているということです。▶︎なかでも、「人新世」の時代で地球に大きな影響を与えているのが、人類が大気中に排出している二酸化炭素で、気候変動という人類の存亡にも関わる大きな問題を引き起こしています。▶︎一方、2020年は、新型コロナウイルスが世界を襲いましたが、これも人新世と無縁ではありません。▶︎経済のために森林破壊を続け、人とウイルスの距離が近くなり、人やモノが移動することでパンデミックが起きやすくなった。▶︎ただ新型コロナに関しては、ワクチンがパンデミックに終止符を打ち、私たちの生活は、まもなく以前の姿に戻れるのと期待されています。▶︎けれども、私は、元の生活に戻ってはならないと考えています。▶︎気候変動の観点から考えると、大量生産・大量消費・大量廃棄で、二酸化炭素を排出し続ける資本主義への逆戻りは、人類滅亡への道でしかないからです。▶︎すでに、世界の主要国は2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにすると宣言し、日本政府もようやく同じ目標を掲げました。▶︎そうしないと、もはや人類文明が存続できないからです。▶︎けれども、気候変動の原因である資本主義そのものに挑まなければ、目標達成はできないでしょう。▶︎こういった話をすると、気候変動問題は科学技術で解決すべきで、そのためには資本主義をもっと発展させるべきだと主張する人がいます。▶︎この「緑の資本主義」の考え方は経済成長を加速させるわけですが、経済の規模が拡張を続ければ、二酸化炭素排出量は増加し、気候危機は止まりません。▶︎日本はこれまで、先進国として大量に二酸化炭素を排出する生活を続けてきました。▶︎だからこそ、日本は世界に先駆けて“脱炭素・脱資本主義社会”を実現しなければなりません。▶︎2021年以降は、地球規模の危機に立ち向かうことが求められています[2021/03/15]
▶️ 個人的には、経済成長の実現と二酸化炭素排出量の削減の二兎を同時に追えるというような、都合の良い話はないと考えている。各国で推進されているSDGs(持続可能な開発目標)も望ましいもののようでいて、利潤第一の資本主義の論理によって骨抜きにされ、タイムロスにつながるリスクが高いと考えられる。広く喧伝される耳障りのいい話にはくれぐれも用心が必要だ。そうしないと、まやかしの大海で人類という名の舟は難破することになりかねない〆
◼️『コロナ禍の今、改めて注目されふ「パラダイムシフト」の動向』
「それまで当たり前だと考えられていた価値観や概念が、大きく変化する」ことを意味するパラダイムシフトは、社会が未曾有の危機に直面した際に起こりやすいという。▶︎シフトの背景と成果に学ぶこととは?
◇コロナ禍で“常識”が揺らぐ時代に
科学分野に限らず、ビジネスやソーシャルムーブメントにおいても頻繁に使われる言葉、「パラダイムシフト(規範の転換)」。▶︎元は、米国🇺🇸の科学者で哲学者のトーマス・クーンが1962年に発表した著書『科学革命の構造』のなかで提唱した学説で、「科学史において、それまで主要だった価値観が急激に変化すること」だった。▶︎その後、社会科学の分野で多く引用されたため、元来の意味から離れ、現在では、多分野において「それまで当たり前だと考えられていた価値観や概念が、大きく変化する」という解釈で一般的に広く使われるようになった。▶︎サンノゼ州立大学の哲学部のジャネット・ステムウェデル教授によると、「社会がある問題に直面し、解決方法を見出せない場合、つまり危機に直面したときに、今までの物事の見方自体を変えて、新しいアプローチを施さないと、局面を打開できない段階に達することがある。パラダイムシフトはそのときに起こる」。
◇「スポーツに政治を持ち込むな」は、今は昔
最近の米国で起こったパラダイムシフトは、2020年5月に始まった警察改革を求める抗議運動だとステムウェデル教授は指摘する。人種差別が常態化した警察に対する不信感を募らせた市民が、「これまでの警察の構造は間違っている、今後は違うシステムが必要だ」と感じ、以前とは全く違うイメージを警察に対して抱いたことで、パラダイムがシフトしたと説く。▶︎環境を私たちの生活基盤を構成する単なる素材としてではなく、地球全体で取り組まなくてはならない問題と考えるようになった気候変動問題も一例だ。▶︎多様性への理解の深まりによって、異性愛者でない人々に対する社会的価値観が変化したことも挙げられる。▶︎ではパラダイムシフトが頻発し、新しい考えが次々と生まれることは社会にとって、ポジティブな変化なのだろうか?▶︎マサチューセッツ工科大学の物理と科学史を専門とするデイビッド・カイザー教授いわく、「万人にとってパラダイムシフトが必ずしもよいことだとは限らない」。▶︎社会には多くのサブグループがあるので、ある一定の人々に対しては利益があるが、それ以外の人々も存在するためインパクトは不平等に与えられる。
◇国家最大のタブーが大きく揺らぐ背景
例えば近年に一般化した「ギグエコノミー」と言われる、臨時労働者が単発で請け負う雇用形態では、個人に対する保障がなくなるなど、ネガティブな側面も。▶︎そのため「次々と発生する社会的変化や予期しなかった影響に急いで対応するよりも、前もって変化を予想し、悪影響を防ぐように努力すれば、シフトによるダメージも少ないのでは。▶︎シフトによって起こる良否を把握することが大切だ」と語る。▶︎一方で、パラダイムシフトが全く起こらない社会に生きるとは「今存在する同じ概念を持つコミュニティの中にずっと閉じ込められ、なぜ他者や他の社会が違った視点で世界を見ているか、決して理解できなくなることだ」と警鐘を鳴らすのは、前出のステムウェデル教授だ。▶︎「パラダイムシフトによって、他者を理解し、自分とは違った視点で物事を見る人々とも価値観をシェアし、コミュニティを築くことができる。分断をなくす一歩になるのです」と語る。コロナ禍の嵐を抜けた後、我々を待ち受けるパラダイムシフトは、果たして幸福をもたらす女神となるのだろうか[2021/03/15]
▶️【用語解説】
『ギグ・エコノミー』=インターネットやスマホアプリ等を通じて、企業に雇用されることなく、プロジェクト単位で単発の仕事を請け負う働き方、およびこれらによって成り立つ経済の仕組みのことを指す
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[*掲載日時:2021年3月16日(火)0:40]
それ、しらんかっとってんちんとんしゃん。