【コロナノコトバ】PART.208
◼️東京都:『感染者減少も…夜の人出は顕著に増加』
緊急事態宣言が延長されている東京の2021年2月12日(金)、夜の人出は1週間前と比べて顕著な増加傾向にあることが判明。東京都2月12日(金)の新規感染者は307人と6日連続で500人を下回り、直近7日間の感染者数の平均でみても426.9人となるなど減少しつつある。こうした中、携帯電話の位置情報の解析から都内の主要な駅での2月12日(金)午後9時台の人出を1週間前と比べると、▲銀座駅…+30.5% ▲東京駅…+18.9% ▲六本木駅…+12.1% ▲表参道…11.8% ▲渋谷駅…7.2% ▲秋葉原…13.2%などデータが公開されている都内15の駅のうち、12の駅で1割から多いとこで3割近く人出が増えていたことがわかりました。これらの地点での日中、午後3時台の人出には目立った増減は見られていませんが、夜の人出では増加傾向が顕著となっています[2021/02/13]
◼️東京五輪:『米・ファウチ氏、東京五輪開催「世界と日本の感染状況次第だろう」』
ファウチ氏は2月12日、東京五輪の開催について「日本政府の判断だ」とする一方で、世界と日本国内の「感染状況次第だろう」と指摘した。そのうえで、「世界規模で収束傾向にあれば、海外からの参加が可能になるかもしれない」と言及した。ただ、その際には海外からの観客に向けた安全に関するガイドラインが重要だと強調している。また、ヨーロッパの一部で参加予定選手へのワクチン投与が始まっていることについて、「選手たちが集まる選手村での感染予防が目的ならば、合理的な判断だ」との理解も示した[2021/02/13]
◼️『コロナ 企業業績が二極化…非製造業は出口見えず』
新型コロナウイルス感染拡大の影響で企業業績が二極化している。▶︎「巣ごもり消費」や海外の需要を捉えた製造業が上向く一方、外出自粛に伴い航空や鉄道など非製造業は苦戦が長引き、出口が見えない状況。▶︎コロナ禍で旅行大手が債務超過に転落する例も出ており、経済界の危機感は強い。
◇ソニー、利益1兆円
SMBC日興証券によると、東証1部上場の3月期決算企業1291社が2月10日までに開示した2020年4~12月期連結決算は、全体で減収減益。▶︎2021年3月期(通期)の純利益予想は423社が上方修正し、下方修正の77社を大きく上回った。▶︎上方修正の内訳は、非製造業の144社に対し、製造業が270社と6割強を占めた。▶︎外出を避け、仕事や遊びを自宅で行う「巣ごもり」が広がる中、新たな需要を取り込んだ企業の好業績が目立つ。▶︎ソニーは家電製品やゲーム機「プレイステーション」が好調で、20年4~12月期の純利益は前年同期に比べ約9割増加。▶︎通期でも初めて1兆円を超える見通し。▶︎アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が大ヒットした音楽部門も貢献する。▶︎任天堂はゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」の人気が収益を押し上げ、2020年4~12月期は営業利益がほぼ倍増し、通期の連結純利益見通しを4000億円(従来予想3000億円)に上方修正した。▶︎古川俊太郎社長は「『あつ森』のヒットでゲーム機の需要も拡大した」と話す。▶︎ソフトバンクグループは世界的な株高を背景に傘下投資ファンドの評価益が膨らみ、2020年4~12月期の純利益が日本企業初の3兆円超えを達成した。▶︎トヨタ自動車やホンダ、日産自動車といった自動車大手にも中国や米国の市場回復の追い風が吹く。▶︎トヨタは通期の連結純利益予想を1兆9000億円(同1兆4200億円)に引き上げた。
◇「断腸」の希望退職
一方、人の移動制限が直接影響する業界は苦境にあえぐ。▶︎JR東日本は通期の純損失(赤字)予想を4180億円から4500億円に下方修正した。緊急事態宣言の再発令を受け、鉄道収入が従来計画を下回る見通しとなり、深沢祐二社長は「年度内に需要は回復しない」と表情を曇らせる。▶︎日本航空も通期で3000億円の赤字を見込む。菊山英樹専務は「感染再拡大による国内線の需要の低迷は誤算だった」と事業環境の悪化を嘆く。▶︎近畿日本ツーリストを傘下に置くKNT―CTホールディングスは2020年末時点で34億円の債務超過に陥った。▶︎負債が資産を上回る債務超過が2期連続となれば株式の上場廃止に追い込まれるだけに危機感は強く、構造改革のため希望退職も募集。▶︎多くの応募が寄せられ、米田昭正社長は決算記者会見で「断腸の思いだ」と苦しい胸の内を語った。▶︎今後の企業業績についてSMBC日興証券の安田光株式ストラテジストは「感染動向は鉄道や空の便、外食といった業界を大きく左右する。▶︎経済活動がいつごろ正常化するかが焦点だ」と指摘する。▶︎経済の立て直しには国民全体でコロナワクチンの接種が欠かせず、景気の押し上げ効果が期待されてきた東京五輪・パラリンピックの開催も不透明感が消えない。▶︎企業は固唾をのんで情勢を見守っている。
◇2020年4~12月期決算に関する経営者発言
▽ソニー・十時裕樹副社長 ゲーム事業の好調で過去最高水準の利益を見込む
▽任天堂・古川俊太郎社長 巣ごもりを背景とするゲームソフトの人気で、ゲーム機の需要も拡大した
▽トヨタ自動車・近健太執行役員 半導体供給の世界的逼迫がリスク。供給元と連携を密にする
▽ソフトバンクグループ・孫正義会長兼社長 1年前は機能しないと言われたファンドが収穫期を迎えた
▽JR東日本・深沢祐二社長 緊急事態宣言の再発令もあり、年度内に需要は回復しない
▽日本航空・菊山英樹専務 コロナ感染再拡大に伴う国内線需要の低迷は誤算
▽KNT―CTホールディングス・米田昭正社長 これまでにない厳しい状況。希望退職には多くの応募があり、断腸の思いだ
◼️『コロナ禍の年度末に「引越し」集中?』
年度末まであと1カ月半。▶︎例年であれば、人事異動や卒入学もあり、引っ越しの繁忙期となる時期。▶︎国土交通省は1月13日、3月の引っ越し件数は通常月の約2倍になるとして、民間企業の異動時期分散化の検討要請をするなど、引っ越しの分散化を呼びかけている。▶︎同省の予測で「特に混雑が予想されます」としているのが、3月20日から4月4日までだ。▶︎しかし今年はコロナ禍ということもあり、大学の授業がオンラインとなったり、完全テレワークに移行した企業が出てきたりと、引っ越しをする必要性が薄い人もいるかもしれない。▶︎一方で、働き方の変化に伴い、区切りの年度末に住環境を変えることを検討している人もいるだろう。▶︎実際はどうなのだろうか?そして引っ越しとなれば業者と接触は避けられないため、作業時の感染予防対策も気になるところだ。▶︎年度末の引っ越し事情を、日本通運の担当者に聞いた。
《例年と比べ受付の出足は鈍い》
――引っ越しシーズンの予約状況だが、例年と比べて変化はある?
【日通】緊急事態宣言再発出の影響や今後の状況について不透明なことから、人事異動の規模・内容を決めかねているお客様も多数いらっしゃいます。▶︎受付の出足は例年と比較すると鈍い状況にあります。▶︎
――コロナの感染拡大から1年が経った。この1年、引っ越し業界にはどのような影響があった?
【日通】緊急事態宣言の発出による移動の自粛、転居を伴う人事異動の見合わせなどにより、引越需要は縮小しました。▶︎その結果、業者間の競争が例年にも増して激しくなっています。▶︎一方、接触を避けたいというニーズが高まり、リモート見積もりの開発など新たなサービスを生み出す呼び水にもなりました。
――では、引っ越しする人の傾向などに変化はあった?
【日通】この1年ということではありませんが、人口及び世帯数の減少等もあり、家族での引越しより単身の引越しの比率が増加しております。▶︎今後、各企業においてテレワーク導入による就業環境の変化が進み、移動を伴う引越しの需要が変化していくと考えられます。
《接触機会を減らす“リモート見積もり”などで感染対策》
――コロナ禍においては感染予防が重要だが、従業員においてはどのような対策をしている?
【日通】従業員においては以下の対策を徹底させています。
○出勤前の検温、事務所より出発前の体調確認
○訪問時、事前に「うがい」「手洗い」の励行
○移動中における車内換気
○休憩時3密防止(休憩時の車内窓開け等による換気、少人数かつ対面を回避した食事取得)
○業務従事中のマスク着用
そして、発熱があるなど体調が悪い従業員は、その日の勤務を念のため取りやめています。
――では、接客時においては?
【日通】接客時には、以下のような対応で感染予防をしています。
○非接触型(リモート)による見積 「リモミ」の積極的な活用
○お客様との対応者を限定(原則作業リーダーのみ)
○お客様へ作業時の換気(窓開け)の依頼
○お客様へ見積時のマスク着用の依頼
○繰り返し使用する資材の作業都度の消毒
「リモミ」とは、お客様のご自宅への訪問をせず、スマートフォン端末などを利用してお客様が映すお部屋の様子をもとに、訪問時と同様のお見積書を作成するサービスとなっています。コロナ禍の昨年7月1日から導入しています。
《ピーク時のスタッフ確保は苦戦を予想》
――例年のことだと思うが、引っ越しシーズンの人手の確保は今年も難しくなりそう?
【日通】需要期(3・4月)に必要となる作業スタッフ及び車両については、引越し以外の業務に従事している社内、グループ会社における戦力調整、協力会社への協力要請、臨時スタッフの雇用等を中心に、必要とする戦力確保に取り組んでいるところです。▶︎臨時の作業スタッフについては、イベント関連、飲食店を中心としたサービス業等、アルバイト等の臨時スタッフを多数雇用されている業種が、新型コロナウイルス感染拡大・緊急事態宣言再発出等により規模縮小、時間短縮等を行わざるを得ない状況もあり、例年と比較すると確保しやすいのではないかという見方もありますが、運輸業界では以前よりドライバー不足が続いており、コロナ禍でも変わりはありません。▶︎人手の確保に努力していますが、最ピーク時はかなり苦戦すると予想しています。▶︎やはりコロナ禍というイレギュラーの状況でもあり、年度末の人の移動は現在のところ例年より少ないようだ。▶︎ただし、同社は「受付の出足は鈍いものの、最終的には例年に近い状況となる可能性もある。▶︎引っ越しを検討している方は早めに申し込みをしてほしい」としており、引っ越しの予定がある人は、時期がずらせるかを検討しつつ、日程が決まった時点で予約することをすすめたい。
[*FNNプライムオンライン2021年2月13日放送内容抜粋]
◼️フランス:『コロナ感染者はワクチン1回接種すれば効果』
フランスで医療政策の提言を担う高等保健機構(HAS)は2021年2月12日、新型コロナウイルスに一度感染した人は、接種は1回だけで十分な効果が得られるとの見解を公表した。HASによると、こうした見解を出すのは世界で初めて。政府には回復した人には接種を1回にするよう勧告しており、ワクチンの供給不足が起きているフランスで「節約」の効果があると期待されている。感染した人に1回だけ接種した場合、感染したことのない人に2回接種するよりも同じか、より多くの免疫が獲得できることがわかったという。感染したことのある人への接種では、接種時に痛みを感じやすいほか、倦怠感や熱が出る傾向も報告されているという。感染して半年ほどは抗体が残り、再感染を防げる可能性があるとの研究結果も出ており、HASは感染から3~6カ月後に1回接種するのが効果的だとしている。現在フランスで認可されているワクチンはいずれも2回の接種が必要。同国では340万人以上が感染した一方、接種者は222万人にとどまる。勧告に従えば340万回分以上が「節約」できることになる[2021/02/13]
◼️感染対策:『まるでSF映画? 多機能なフルフェイスマスク』
昨今の生活に欠かせないマスクは、機能性やデザイン上さまざまな進化を遂げているが、「Blanc」はSFチックな見た目だけではない多機能なフルフェイス型マスク。 すべてを守る フルフェイス型のデザインが目・鼻・口の全てに触れる空気を浄化。内部にHEPAフィルターと呼ばれる交換式のフィルターが内蔵されており、マスク内の空気は全てこのフィルターを通る。フィルターの効果は、使用状況にもよるが、最大2週間持続する。また、装着性を高めるためのエルゴノミクスデザインを採用。 「Blanc」が守ってくれるのはウイルスからだけではない。属性を推定するカメラや、スマホのカメラ撮影への映り込みも防止できるので、プライバシーが気になる人にもおすすめ。もちろん、スマホの顔認証にも影響が出そうだが……。 優れた拡張性 フロントパネルは交換可能で、さまざまなデザインからお気に入りのものを選んでカスタマイズできる。さらに、今後発売予定の追加モジュールを使えば、音声変換機能・内部の環境調整機能・Bluetooth機能・ヘッドアップディスプレイ・AR(拡張現実)機能など、必要に応じて機能追加可能。 これまでウイルスから鼻や口だけを守ってきたマスクは、セキュリティ強化で個人が特定される脅威からも身を守れるようになった。こんなお隣さんが引っ越してきたらどうだろうか? [Product by Blanc Inc]
◼️米国:『LAでワクチン不足…大規模接種会場が閉鎖』
米国では、新型コロナウイルスのワクチン接種のペースが加速する一方、ロサンゼルスでワクチンの供給不足により一部の大規模接種会場が閉鎖される事態となっている。ロサンゼルスでは、先週は、9万回分のワクチンが供給されていましたが、今週は、1万6000回分にまで減り、一部の大規模接種会場が閉鎖されることになった。詳しい理由は明らかになっていないが、地元当局では、ムラがある供給量への対応が課題となっている。こうした中、ロサンゼルスの大学に整備された新たな接種会場がメディアに公開された。バイデン政権による取り組みで、全米各地に先駆け、2月16日にオープンする。運営側担当者「ここは連邦政府から直接ワクチンが届けられる。ほかの会場とは異なる供給分」。担当者は、この会場では、供給不足が起きる心配はないと強調している[2021/02/13]
◼️東京五輪:『もし、東京五輪が中止になったら…研究者が“警戒”すること』
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い今国会で改正された特措法と感染症法。▶︎都道府県知事の営業時間の短縮の命令に従わない事業者や、入院拒否や逃亡をした患者、保健所の調査を拒否した人には行政罰としての「過料」が科されることになった。▶︎近現代史学者は「自由や権利を自ら差し出してしまった」と内なる戦前に警鐘を鳴らす。▶︎新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、患者や事業者への罰則を設けたふたつの改正法が2021年2月13日に施行された。▶︎戦前の歴史に詳しい研究者は、「戦前と同じように、人々が自ら自由や権利を差し出してしまった」と懸念する。▶︎空気による同調圧力、美談や恐怖に巻き起こされる感情的な議論。▶︎その先に待っているものとは何なのか。▶︎そして、なぜ私たちは東京五輪の「あと」を警戒しなければいけないのか。▶︎「外側からくる戦前ではなく、人々の内側からくる戦前を、懸念しています。▶︎われわれが自発的に、自由や権利を差し出してはいけないはずなのに……」。▶︎そう語るのは、近現代史研究者の辻田真佐憲氏だ。▶︎「日本人にとって、太平洋戦争は大きな教訓であり、失敗の比喩として用いられます。▶︎私はあらゆることについて『戦前』ということに対しては反対ですが、いまこそ言わなければならないと感じています」。▶︎「戦前の歴史で気をつけなければいけないのは、政府からではなく、民衆の側から私権制限を求めてしまうという動きがあったことです。▶︎私たちは政府から押しつけられたものには警戒感を持っている一方で、我々が自発的に権利を差し出してしまうことには無警戒なのです」。▶︎辻田氏がこのように「警戒」するのは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い今国会で改正された特措法と感染症法をめぐる議論だ。▶︎改正されたふたつの法律では、都道府県知事の営業時間の短縮の命令に従わない事業者や、入院拒否や逃亡をした患者、保健所の調査を拒否した人には行政罰としての「過料」が科されることになった。
《私権制限に前のめりだった「リベラル」》
一時は「懲役」を含む刑事罰の導入も議論の遡上にあがったが、結核やハンセン病の強制隔離で患者の人権が侵害された歴史を踏まえ、患者に対する差別や偏見を煽りかねないとして、専門家らが強く反対。▶︎行政罰である過料にとどまった。▶︎なお、特措法においては特定地域における重点的取り組みを実施するための「まんえん防止措置」も新設された。▶︎緊急事態宣言と同様に罰則を伴う措置にもかかわらず、その発動要件に対しては恣意的な運用への懸念もあがっている。▶︎一方で、多くの世論調査では強制力のある法改正を求める声が高まっていたのも事実だ。▶︎NHKの2020年6月の世論調査では、「外出を禁止したり休業を強制したりできるようにする法律の改正が必要」と答えた人は42%に対し、「必要ない」は18%だった。▶︎また、毎日新聞の2021年1月の世論調査でも、罰則が「必要だ」との回答は51%で、「必要ない」の34%を上回った。▶︎辻田氏はいう「このような感染症ですから、市民が自分で考えて、自らの行動を制限するのは問題がないと思います。▶︎しかし、政府による私権制限や、それをもとにした同調圧力が用いられていることについて、私たち市民はもっと自覚、危機感を持つべきだと思います」。▶︎「また、感染拡大の防止策をめぐっては、リベラルと言われる野党側やその支持者も私権制限に前のめりだったように感じています。▶︎そうなってしまうと、制限によって奪われる移動の自由や集会の自由を擁護するのは誰になるのでしょうか」。
《美談、恐怖、そして空気》
日中戦争から太平洋戦争に突き進んだ日本。▶︎メディアや多くの企業もそれに乗じ、熱狂が生まれた。▶︎人々は率先して戦争に協力し、多くの権利を「お上」へと差し出した。▶︎その悲惨な結果は、今を生きる私たちが知る通りである。▶︎「前線も苦労している、人も亡くなっているのだから、少しだけでも辛抱しなければならないーー。▶︎美談や恐怖など、感情を刺激するような報道がメディアを通じて流れ、人々がそうした『空気』に煽られ、同調圧力に走り、政府が私権制限へと動いていくのは、戦前とまったく同じです」。▶︎「医療従事者がいかに大変なのか、重症患者がいかに苦しんでいるのかを伝えることは、止むを得ないでしょう。▶︎しかし、そうした感情的なものと私権制限は本来であれば切り離して議論をしなくてはいけないと思います。▶︎こういうことをいうと、反発が寄せられると思うのですが……そこまで、戦前と同じですよね」。▶︎戦前といま。日本社会において、変わらず大きな力を発揮しているのが、「空気による同調圧力」だ。▶︎戦時中は「隣組」によって相互監視をし、戦争協力をしない人たちが「非国民」と後ろ指を刺されていた。▶︎これは近代日本社会において、普遍的なものであると辻田さんはいう。▶︎「『空気』を気にして生まれる日本社会の同調圧力は、戦時中に限ってあったわけではありません。▶︎東日本大震災のときにも『節電警察』のような振る舞いがあったように、非常時に現れやすいものなのだと思います」。
《政府が煽った「同調圧力」》
評論家の山本七平はいまから40年以上前の『「空気」の研究』(1977年)で「『空気』とはまことに大きな絶対権を持った妖怪である」と指摘している。▶︎日本社会では「いざというときは(…)すべてが空気によって決定され」、合理的な判断から遠ざかっていく、というものだ。▶︎辻田氏はこの考え方に触れながら、コロナ禍の特殊性についても言及した。▶︎「いまの日本社会では東京五輪が予定されていたため、みんなでやろう、感情でひとつになろうという同調圧力が広がっていました。▶︎それがコロナに置き換わり、自粛の同調圧力へと変化した。▶︎政府も五輪を開催したいがために本来は強制力を用いたいがそれをせず、人々の同調圧力を煽るような振る舞いをみせた」。▶︎「警察が警棒を持って巡回したり、自治体が県外ナンバーを監視したり……。▶︎そうしてできた特有の空気によって差別なども横行し、SNSでの特定など人権侵害に近いようなことも起きてしまった。▶︎ハンセン病などの教訓が普段はあれだけ叫ばれているにもかかわらず、非常時にはここまで変わってしまうのだな、と感じましたね」。
《もし、東京五輪が中止になったら…》
今回の法改正は、第3波における緊急事態宣言下という、やはり特殊な「空気」のなかで議論が進んだ。▶︎懲役刑などの刑事罰の制定は回避されたとはいえ、罰則付きの法改正がされたことには変わりがない。▶︎「本来であれば、冷静なときに議論をすべきだったのに、なぜそれをしなかったのか。▶︎この法改正では、さらなる感染拡大が起きた場合、営業している店舗の通報合戦や脅迫など、より激しい同調圧力を目覚めさせてしまう恐れもあると思います」。▶︎「また、日本は先進国のなかでも強制力を持たずに感染者を比較的抑えられてきている。▶︎第3波も減少傾向に入っています。▶︎それにもかかわらず、ここで自由を捨ててしまうのであれば、次の感染拡大では際限なく私権制限が広がり、歯止めが効かなくなってしまうという怖さもある」。▶︎このように語る辻田さんが特に警戒するのは、東京五輪が中止になった場合だという。▶︎「いまの自民党政府は、その憲法改正草案からもわかる通り、国民に権利よりも義務を科したいと考えている。▶︎五輪があるからそのような強権的な姿勢は出していなかったわけですが、中止になれば、ロックダウンができないのならできるように憲法改正をしよう、という流れになりかねないと思っています」。▶︎実際、新型コロナウイルスの感染拡大当初の2020年1月末には、自民党の重鎮である伊吹文明元衆院議長から、コロナ禍が「緊急事態のひとつ」として、「憲法改正の大きな実験台と考えた方がいいかもしれない」などの発言が飛び出したこともあった。▶︎「憲法改正そのものは否定しませんし、変わっていくべきだと思っていますが、政府ではなく国民を縛るための改正には反対です。▶︎非常時にこうした議論をすれば、感情的に進んでしまうわけですから、私たちは次の感染拡大のときに、どう振る舞えるのか、政府が何をしようとするのかを、より警戒しないといけないと感じています」。
《新たな「失敗」にならないために》
では、そうした政府の振る舞いを警戒するために、どうすべきなのか。▶︎辻田さんは「冷静でいるために、歴史を参照するべき」と語る。▶︎「法律や憲法を変えるような、われわれの権利や自由に関わる議論をするときは、▶︎冷めた態度をどこかで持つことが大切だと思っています。▶︎沸騰した議論を冷静にするために、効果を発揮するが過去の非常時の『失敗』なのです。▶︎現代日本社会のおける最大の失敗は、やはり戦争ですよね」。▶︎「一方で、戦争から教訓を学ぶというパターンに、『昔の話でしょ』と感じてしまう人が多くなっているのも事実です。▶︎政権批判のたびに『戦前』が用いられすぎたことも関係しているでしょう。▶︎政治の側だけではなく、自分たちの内側にある『戦前』の要素にも自覚的になるように、言葉の使い方や、歴史を伝えるアプローチを変えるべきなのかもしれません」。▶︎「このような非常事態は、何十年に一度しか訪れません。▶︎社会は進歩したところもある一方で、やはりパニック状態における振る舞いは変わらない。▶︎歴史を知っていれば、政治も、私たちも、同じことをやっているなと冷静になれるはずだと思っています。▶︎いまのコロナ禍が、後世に『失敗』として参照されないためにも、まず自分のなかにある『戦前』を見つめて見ると良いのかもしれません」。▶︎あの戦争は政府によって生み出された失敗であるという、わかりやすい「戦前」だけではなく。▶︎人々が率先して熱狂という空気を作り出し、自らすべてを捧げていった「戦前」を、私たちは改めて知る必要がある。[*BuzzFeed 2021年2月13日付記事/文:籏智広太 氏/評論家・近現代史研究者 /BuzzFeed News Reporter, Japan]
==================
【コロナ関連お役立ちリンク集】
◎LINE『コロワくんの相談室』(コロナワクチン接種関連情報)リンクURL:https://corowakun-supporters.studio.site/
◎ 『ワクチン”相談専用コールセンター』[2021年2月15日午前9時開設]
ワクチンに関する質問や相談受付窓口。言語は日本語のみで、100人程度で対応。電話番号はフリーダイヤル「0120-761770」で、午前9時から午後9時まで土日・祝日も実施[*個別の接種スケジュールや接種会場については市町村のコールセンターに要問い合わせ]
◎ 【コロナワクチン詐欺無料相談】
無料相談電話(0120)797188
[2021年2月15日より開設/午前10時~午後4時。土日祝日も相談可]
◎ 『東京都新型コロナウイルス感染症 支援情報ナビ』
https://covid19.supportnavi.metro.tokyo.lg.jp/
◎『新型コロナワクチンについて』
[首相官邸公式ホームページ]
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html
[掲載日時:2021年2月13日(土)13:30]
それ、しらんかっとってんちんとんしゃん。


