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                                                                                         by love

   Happy Birthday プレゼント 

 東宮・寝室  
いよいよ、誕生日当日。
シンは、朝早くに目が覚めた。
ふと見ると手に携帯を握りしめている。
 
シン:「そうか…あのまま寝てしまったんだ」
 
あの後、眼を閉じても瞼にチェギョンのショットが浮かび、
眠れなくて何度も携帯を開いては画像を見る。
胸がドキドキして…、そして、幸福感で満ち溢れる。
なんとしても手にいれなければ…。
その思いが沸々と湧きあがり、体を熱くする。
そして、この笑顔…絶対に曇らせないようにしなければ…。
4時を回ったところまで意識があった。イメージ 8
 
時計を見ると6時を過ぎたところ。
もう一度携帯を開く。
つい、頬が緩んでしまう。
なんて愛しいんだろう…。
つい携帯の場面に唇を寄せてしまった。
 
シン:「チェギョン、愛してる」
 
そう、囁くと携帯を閉じた。
勢いよくベッドから体を起こす。
数時間しか寝ていないと言うのに頭も体もスッキリ、十分満ち足りている。
シンは、身を清めるかのようにシャワーを浴びた。
そして、背広を着る。
パーティーは午後から、だからゆっくり時間を過ごそう。
 
 東宮・エントランス  
朝の挨拶に向かおうと部屋を出たシン。
シンの気持ちを反映しているかのように空は晴れていた。
エントランスは太陽の光が満ち溢れている。
 
コン:「殿下、お誕生日おめでとうございます」
 
シン:「ありがとう。今日はよろしくお願いします」
 
コン:「もったいないおことば」
 
シン:「では、朝の挨拶に」
 
コン内官は、シンの一点の曇りもない表情に頼もしさを感じる。
そうして、先に歩き出したシンに続いて東宮をでた。
 
 皇太后殿 ブーケ1 
シン:「おはようございます」
 
皇太后:「おお。おはよう。
      そして、誕生日おめでとう」
 
皇帝、皇后:「おめでとう」
 
なんと今日は、恵政宮・ファヨンとユルも席についていた。
 
ファヨン:「皇太子殿下、お誕生日おめでとうございます」
 
ユル:「シン、おめでとう」
 
シン:「皆さま、ありがとうございます」
 
ユル:「どうだ、爽やかな顔をしているが…」
 
シン:「身が引き締まる思いだ」
 
皇太后:「そうであろうな…特別な日なのじゃ」
 
ファヨン:「殿下、ユルから聞きました。
      そのような女性がいらっしゃったとは…時が過ぎるのは早いものですね」
 
シン:「まだまだ、未熟ですのでこれからさらに精進したいと思います」
 
皇帝:「ユルはシンより歳が上だがそのような女性はいないのか?」
 
ファヨン:「あら、皇太后さま。
      ユルは、まだ学生ですし…シン殿下とは立場が違いますから」
 
皇太后:「まあ、結婚は別としてこれ程いい男を女性はほっておかないであろう?」
 
ファヨン:「皇太后さままで…」
 
ちょっと困った様子のファヨン。
ユルは、口元を少し緩め、曖昧に俯いた。
この後、皆でシンのお祝いの朝食会を開いた。
 
 東宮・執務室  
東宮に戻ったシン。
 
ソファに座り、携帯をだす。
そっと開くと受信boxを開く。
携帯を見ながらふとある考えが頭をよぎった。
 
シン:「…(チェギョン?もしかして…これもプレシャー?
      これをきっかけに俺と話をしたかったのか?)」
 
シンは、ふとそんな気がして通話ボタンを押す。
すぐに愛しい人の声。
 
携帯チェ:「シン君?どうしたの?」
 
シン:「昨夜は眠れた?」
 
携帯チェ:「うん、シン君に叱られたからあれからすぐに寝たよ」
 
シン:「叱られたって…。叱ったわけじゃないよ。
    今、何をしてる?」
 
携帯チェ:「うん?誕生会に行く準備だよ。
      もうすぐガンヒョンが来るからドレスをとりに行ってくるね」
 
シン:「ああ…もうそんな時間だな。
    チェギョン、大丈夫だ」
 
携帯チェ:「…シン君?」イメージ 3
 
シン:「大丈夫だ。何も心配するな」
 
携帯チェ:「うん」
 
シン:「チェギョン、メール嬉しかった。
    なのにお前の緊張がすぐに解ってやれずにごめん」
 
携帯チェ:「シン君…。本当はね。目クマができてる」汗
 
シン:「どんなひどい顔でも気持ちはかわらないからな」
 
携帯チェ:「なにそれ!」
 
シン:「いつものチェギョンでいいんだよ。
    失敗なんて考えるな。すべてフォローしてやるからな」
 
携帯チェ:「うん」
 
シン:「じゃ、楽しみにしているから」
 
携帯チェ:「うん」
 
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電話を切ってからシンは再度携帯を操作する。
 
シン:「もしもし、イ・シンです」
 
携帯チェギョンパパ:「殿下?アッ、本日はおめでとうございます」
 
シン:「ありがとうございます」
 
携帯パパ:「今日は、娘がお招きにあずかりありがとうございます」
 
シン:「いいえ、承知していただき感謝しています。
    それから、今日は正式に交際していることを公表させていただきます。
    多分、そちらは大変なことになると思いますが
    こちらの方で警備などは手配していますのでご不便をかけますがどうかお許しください」
 
携帯パパ:「それはご丁寧に…実は昨日、皇帝陛下より直々のお電話いただき
       大変恐縮しております」
 
シン:「父から電話…ですか?」
 
携帯パパ:「はい、本日、娘とのことを公表するのに挨拶が後になり申し訳ないと。
       そして、皇室としても万全な態勢をとるから…そうおっしゃってくださいました。
       それほど、ご家族の皆様にも望まれた結婚なら…我々としても大変光栄と思い
       娘をおくりだすことにいたします。
       どうか、本日はよろしくお願いいたします」
 
シン:「ありがとうございます。また、ご報告をいたします」
 
そういって電話を切った。
シンは、父がそのような配慮をしてくれたことに胸が熱くなった。
 
コン:「殿下。誕生日のお祝いの電報やお祝の品々が到着しております。
    これは、ヘミョン様からでござます」
 
シン:「姉上から?」
 
コン内官は、テーブルの上にプレゼントの箱を置いた。
シンは、ゆっくり手に取ると箱を開けた。
なかからは、ペアの時計が出てきた。
添えられた手紙。
 
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シン、18歳の誕生日おめでとう!
おそらく、一番嬉しい誕生日でしょうね。
報告は受けたわよ。
イメージ 4デレデレの顔が見れなくて残念よ。
これは私からの心からのプレゼントよ。
これからは二人で同じ場所で同じ時を一緒に刻みなさい。
ペアの時計は、今のところ1秒たりとも違ってないわよ。
何しろ、職人さんを脅して合わせて貰ったからね。
後は、二人の責任よ。
 
シン、この前公務の映像を偶然テレビで観たわ。
表情がとても穏やかで優しかった。
この結婚を祝福するわ。
そして、そんな笑顔をもたらした女性に早く会いたいわ。
その時は覚悟しておいて。
姉より先に結婚なんて許せないわ。
じゃ、その日のために今日はがんばってね。
                      たった一人の姉より
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シン:「クスッ、姉上…」
 
姉らしい手紙。
文字が霞んできた。
 
シン:「姉上、とても嬉しいよ」
 
シンは時計をじっとみて姉のからかう時の表情を思い浮かべ頬を緩めた。
 
 迎賓館・入口 ブーケ1 
次々と招待客が会場に集まりだした。
シンも式典の衣装に着替え、招待客を会場の入り口で迎えるために東宮をでた。
皇太子自らが入口にたち客を出迎えるのも異例だった。
来客は、シンの出迎えに驚きながらも口々にお祝いのことばをシンに伝える。
シンは、にこやかに出迎えながら一人一人の顔を確認していた。
そんななかにシンがもっとも警戒した3人の王族の姿が見えた。イメージ 11
3人ともそれぞれが妻や息子と令嬢が一緒だ。
シンは表情を引き締めた。
まず、リュウ氏がシンの前に来た。
にこやかに迎えるシン。
 
リュウ王族:「これは殿下、本日はお誕生日おめでとうございます」
 
シン:「ありがとうございます」
 
リュウ:「本日は、息子と孫と一緒に参りました。
     殿下には、私の孫娘を一度紹介したいと思っておりました」
 
シン:「それはありがとうございます。
     (チラッと令嬢をみてから)
    このような素敵なお孫さんがいらしたのですか?
    ご自慢のお孫さんなのですね。
    どうか、今日はごゆっくり」
 
シンは、そういうとわずかに頭を下げた。
しかし、紹介したいと言う令嬢には視線を向けず次に並ぶ王族に視線を移す。
てっきり紹介してもらえると思っていた令嬢はあきらかに不満そうな表情をして去って行った。
そのようすを視界の端に収めたシン。
そして、そんなシンの様子を見ていたカン王族。
 
カン王族:「本日は、おめでとうございます。
       ご招待にあずかり本日は妻とともに孫娘を連れて参りました。
       これが…さあ、(娘をシンの前に押しだすと)ご挨拶を…」
 
令嬢:「(はにかみながら)皇太子殿下、本日はおめでとうございます。
    カン・ヘギョと!!」
 
シンは、強引に自己紹介しようとする令嬢に軽く黙礼しことばを遮ると
王族に微笑み
 
シン:「どうもありがとうございます。
    お自慢のお孫さんでいらしゃるんでしょうね。
    昔からおじい様はお孫さん、特にお嬢様は可愛くて仕方がないでしょうね。
    今日は、ゆっくり楽しんでください」
 
そう言って頭を軽く下げると次の招待客に視線を向けた。
明らかに苦い顔をしながら3人は会場の中に入って行った。
最後のキム王族は、2組の様子を見ていただけに
無理に紹介を試みようとしなかった。
 
キム王族:「殿下、お誕生日おめでとうございます。
        こちらは、娘と孫娘でございます。
        どうか、後ほどゆっくりとお話を願えたらと思っております」
 
シン:「ありがとうございます。
    ごゆっくりお過ごしください」
 
後ろの2人には視線も向けずに黙礼するとシンは後ろからくる長老様に視線を向けた。
あっさり挨拶をかわされたキムもそれ以上はどうすることもできず
不機嫌そうに会場に入って行った。
 
シン:「長老さま、先日はありがとうございました」
 
長老:「いや、いや直接お出迎えとは、驚きましたな。
     お誕生日おめでとうございます。
     今日は、楽しみにしておりますぞ」
 
シン:「はい。ごゆっくりお楽しみください」
 
次々と訪れる来客にそつなく挨拶をこなすシン。
ほぼ招待客が入り終えたようだ。
シンがホッとため息をついた。
そんなシンにキム内官が耳打ちをする。
シンの表情がハッとしたようにきりっと引き締まる。
いままでの雰囲気と違った一団が会場の入り口に現れた。
ユルが先頭にイン、ギョン、ファン、後ろにチェギョンらの頭が見えた。
 
ユル:「シン、皆を案内してきた」イメージ 5
 
シン:「ヒョン、ありがとう」
 
会場にいた人々が一斉に彼らに視線を向ける。
インたちはさすがに韓国でもトップの企業の御曹司たちだ。
正装をするとなかなかの好青年、しかも風格がある。
 
イン:「シン、誕生日おめでとう」
 
ギョン、ファン:「シン、おめでとう」
 
シン:「来てくれてありがとう」
 イメージ 9イメージ 10
3人が挨拶し、ハイタッチしたあとゆっくりと横によけた。
女の子たち3人が緊張してカチカチの状態で立っている。
 
シン:「アッ」
 
シンの眼はチェギョンに釘付けになっている。
ドクンドクンと心臓が鳴りだした。
チェギョンは、白と赤の韓服をイメージした清楚なドレスに
髪をあげ、古典的な髪飾りをつけている。
いつものチェギョンではなく少し大人っぽく
可愛いというより綺麗だ。
シンは、チェギョンにまたもや恋をしてしまった。
 
                                                         \¤\᡼\¸ 3素材は、『kissme…』のAKKOさんに頂きました。
                              http://blogs.yahoo.co.jp/kissme_0516/29285157.html