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                                                                                              by love 

   癒し

  学校・映像科教室 映画 
翌日、シンは久々に学校に登校した。
いつものように始業時間ぎりぎりに教室に入ったシン。
 
イン、ギョン、ファン:「「「おはよう」」」
 
シン:「ああ、おはよう」
 
シンの机にたどり着くまでにクラスメートからもいままでになく気さくに朝の挨拶が続く。
シンも笑顔で答えながら席に着いた。
今までのシンは挨拶が煩わしくてほとんど視線もあわさなかったから
クラスメートも声をかけることはなかった。
そんな様子を感慨深げに見ながらシンの周りに集まった3人。
 
イン:「昨日は、みやげありがとう」
 
ギョン:「おおそうだった。ありがとう」
 
ファン:「しかし、お土産なんて長い付き合いだが今回が初めてだな」
 
ギョン:「そう、初めてだ。雪でも降るか?」
 
3人はニヤニヤ笑いながらシンに携帯をみせる。
そこにはお揃いのストラップ。
チラッと見ながら照れ臭そうに
 
シン:「何が言いたいんだ」
 
軽くファンとギョンを睨み、ギョンのニヤニヤした表情にブスッとした顔で答えるシン。
 
ギョン:「何がって…」
 
ファン:「だってな〰」
 
ギョンと視線を合わせてさらに思わせぶりなファン。
 
ギョン:「昨日は俺たちのおかげで旨くお持ち帰りできただろう?
      イッテッドンッ
 
ファン:「イッテッドンッ
 
シンが思わず持っていたノートを丸めてギョンとファンを叩いた。
 
シン:「まったく、何もしてない。ただ、送っただけだ」
 
イン:「誰もそんなこと聞いてないだろう」
 
ギョン:「そうだよ」
 
シン:「コホッ。
    じゃ、お持ち帰りなんて下世話な言い方するなむかっ
 
ギョン:「あれ?…怒ってるにしては、顔がニヤケテますが〰」
 
シン:「ブッ、もう勘弁しろよ」
 
ギョン:「逢いたくてたまらなかったんだろう」
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シンをツンツン小突く。
 
シン:「…」(締りのない顔)
 
イン:「おい、あまりからかうなよ。
    シン、チェギョンも
        いつもお前のこと思ってたぞ」
 
シン:「エッ?そうか?」
 
嬉しそうなシン。 
そんなシンを見るのも楽しそうな3人。
 
イン:「いつも携帯持ってさ…」
 
ファン:「そうそう、それで一応俺たちを気にしてから
      ツツツ…って隅っこに行って…ニコニコしながらメール打ってた」
 
ギョン:「時々着信があって…そしたら、輝くような表情して隅っこに飛んで行って…
      シンじゃなかったときのガックリしたリアクションがまた可愛くて」
 
シン:「そうだったのか…」
 
シンは、その様子を思い描いてる感じ…で幸せそうな表情。
次のギョンの言葉を聞くまでは…。
 
ギョン:「なんだか健気でだきしめたくなったよな」
 
シン:「エッ?」
 
インもファンもアッという声をだしそうになった。
ギョンは気がつかず、天を仰いでいる。
 
イン:「おい、ギョン」
 
ギョン:「なんだよ」
 
インを見るとあっちといういうように顎でシンの方をさす。
ギョンがその方向を見るとシンが睨んでいる。
そこで自分のいった言葉にハッとするギョン。
 
ギョン:「シン。誤解するな。
      俺は、ガンヒョン一筋だ。俺が言いたかったのは…」
 
シン:「わかった」
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ギョン:「いや、解ってないと思う」(焦)
 
ギョンがシンに近づくと
 
シン:「プッ、クックッ…(笑いをこらえている)
    すまない。ギョン」
 
インとファンもホッとしたようにため息をついた。
ギョンは、力が抜けていくのが解った。
 
ギョン:「お前…」
 
シン:「ちょっと驚いたのは確かだ」
 
ギョン:「いや、それほど切なそうだったってことだ」
 
シン:「ああ、わかった」
 
シンは、そんなチェギョンを思い浮かべ
逢いたい気持ちがまたもや沸々と湧きあがってきた。
担任が教室に入ってきた。
3人もそれぞれ、席に戻って行った。
シンはそれを見届けてから携帯を取り出した。
見つからないように隠しながらメールをうった。
そして、ニヤッと笑うと送信ボタンを押した。
暫くすると着信。
そっと携帯を見るとまたまた口元がほころんだ。
 
 学校・美術科 アート 
一方、チェギョンたちの教室では、先生を待っている状態。
席が近い4人は、顔をうつきあわすようにしてイメージ 5
 
スニョ:「今日は、殿下は登校?」
 
チェ:「だと思う」
 
ヒス:「この時間じゃ、会えないね」
 
チェギョンの机の周りで話をしていると
 
クラスメート:「殿下が来たよ」
 
窓際でいたクラスメートが騒ぎだした。
どうもシンの車が見えたようだ。
しかし、授業が始まるので駈け出す生徒はいない。
ヒスンとスニョンも窓際に飛んでいく。
しかし、車は車寄せに入ってしまったようですぐに席に戻ってきた。。
美術家の教室からは車寄せの屋根で車が見えないのだ。
 
ヒス:「ねえ、昨日はあれからどうしたの?」
 
チェ:「エッ?ああ、それはその
    そう、そう、送って帰ってもらったの。それだけだよ」
 
スニョ:「え〰なんで顔が赤いの?」
 
ヒス:「怪し〰い」
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チェ:「な・な・何もないって」
 
スニョ:「もしかして〰」
 
チェ:「な・な・なんで〰
 
ガン:「あんたたちもよしなさいよ。
    チェギョンもすぐに顔に出てるよ」
 
チェ:「うん」
 
ヒス、スニョ:「きっと…」「うんうん」
 
ガン:「お昼休み、バスケットしてるってさ」
 
チェ:「エッ?」
 
ヒスン:「ガンヒョンどうしてそんなこと知ってるの?」
 
ガン:「…」
 
スニョ:「なんだか最近、ギョン君と情報交換を良くしてるみたいだけど…?」
 
チェ:「そうなんだ〰」 
 
ガン:「チェギョンのためじゃない」
 
チェ:「うんうん、ありがとう。ガンヒョ〰ン」にひひ
 
ガン:「あ・あのね。本当なんだからね」
 
ガンヒョンは、真っ赤な顔をしてプイっと横向くと本を読みだした。
3人で顔を見合せながら笑いをこらえた。
するとチェギョンの携帯に着信メール。
嬉しそうに携帯を開く。
 
from シン
チェギョン、おはよう
昼休み、バスケットしてるからおいで。
昨夜は眠れた?
俺はチェギョンのこと考えてたら朝になった。
逢いたい
 
チェギョンは、一瞬信じられなかった。
そして、じわ〰っと喜びが湧いてきて思わず携帯を胸に抱きしめた。
それから、慌ててメールを打つ。
 
from チェギョン
おはようシン君。私は熟睡。
ごめんね〰<m(_ _)m>
でも、シン君が帰ってきて会えたからだよ。
きっと、安心したんだね。
お昼休みにね〰
 
送信を押してから携帯を眺めニヤつく。
 
先生:「こらドンッ
   シン・チェギョン。携帯みてニヤついてないで!!!
     授業が始まるよ」
 
いつの間にきたのか前の教卓から担任がどなった。
チェギョンは慌てて携帯をしまった。
それでも、ついついにやけてきてどうしようもなかった。
ガンヒョンが横からジロッとみて、「ニヤケテル」って言ったけど
頭の中はシンのメールのが飛び交っていた。
 
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 学校・校庭  
昼休み、校庭の隅にあるバスケットのコートで軽く汗を流すシンたち。
最近は、クラスメートたちも一緒にゲームをすることが多く
女生徒たちも集まり結構賑やかだ。
しかし、以前のように遠巻きに見ると言うのではなく意外に近くに来て応援をしている。
チェギョンたちと親しくなったおかげで、特別な集団だったシンたちのグループが
徐々にその垣根を低くして近寄りがたかった雰囲気が消えている。
シンも以前は学校ですら皇太子という仮面をつけていたが、
今は、緊張感がなくイ・シンでいられる場所になった。
シンにはそれが心地よく、本当に息抜きできる場所と時間になった。
それは、インたちも同じだった。
御曹司というブランドが特別だと無意識に垣根を作っていたことに気がついた。
チェギョンたちと接することで周りが見えてきて横柄な態度がなくなった。
それとともに友達が周りに集まってきたのだ。
そして、たくさんの足りなかったものが見えてきた。
チェギョンたちによって変わっていく彼ら。
だから、まるで忠誠を尽くすかのようにいつもチェギョンたちを囲みナイトをかって出ていた。
 
そして、そんな雰囲気の中でいつの間にかシンとチェギョンは
なんとなく一緒にいることが特別という感じがなくなっている。
チェギョンといるシンは、いつも微笑んでいるし、人当たりもいいから
女生徒たちも自然にシンの側にいることができて嬉しいのだ。
しかも、なんとシンの親衛隊もチェギョンには好意的で一目を置いている。
当然、チェギョンには作為もなく、ただ親衛隊のシンを思う気持ちを理解し
彼女らをシンに近づけたからだった。
シンは最初戸惑っていたが、ただ、彼女たちに微笑んだり、
たまに写真を撮らせたりするだけのことだ。
それでチェギョンが受け入れられることが分かったのだ。
ガンヒョンでさえそれが意外だった。
 
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バスケットをしているシンたちの所にチェギョンたちがやってきた。
直ぐそばのベンチに近寄ると座ってバスケをみるチェギョンたち。
シンの動きは無駄がなく安心して見ていられる。
シンがゴールをすると歓声が一段と高くなる。
チェギョンもそのカッコ良さにポーとなる。
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チェギョンが来たことに気がついたシン。
友達に手をあげ、休憩することを告げている。
シンがゲームを止めてベンチに戻ってきた。
続いて、インたち3人も他のメンバーと交代してシンの後から歩いてきた。
 
ヒスン:「殿下、やめちゃうんですか?」
 
シン:「ああ、もうくたくた」
 
チェギョンの横に座ったシン。
 
チェ:「シン君、凄い汗」
 
そういいながらハンカチを差し出す。
シンは嬉しそうにハンカチを受け取ると汗をふく。
それを見ていた女子高生から「キャー」と黄色い声援が飛ぶ。
チェギョンは、そっちを見るとイメージ 9
 
チェ:「ヤッター」
 
とガッツポーズとピースをしてみせた。
すると拍手が起こった。
 
イン:「なんだか信じられない光景だな」
 
ガン:「そうなのよ。なんだかみんながチェギョン、
         『がんばって』なんて応援してる感じなのよね」
 
ファン:「なんとなくわかるよな〰」
 
チェ:「そう?」
 
イン:「チェギョンって垣根をつくらないからな。
    自分たちは特別って感じじゃないからだ」
 
ファン:「そう、きっとそう。
      だから、僕たちも最近はよく声をかけられる」
 
シン:「…」
 
シンは、チェギョンにハンカチを渡し、こっちを注目している女性とたちの方をみた。
キャ〰〰黄色い歓声が上がった。
仕方なく微笑むシン。
さらに歓声があがる。
 
シン:「本当は苦手なんだけどな〰」
 
チェ:「ウフフフ…シン君、顔が真っ赤」
 
ガン:「けど、チェギョンがいるとこうして殿下が笑ったりするから
    チェギョンが中傷もいじめもなくいられると思う」
 
ギョン:「ガンヒョンの存在も大きいと思うけど」
 
ガン:「なにが?」
 
ギョン:「いや、そんなに睨まなくても…。
     その、君がいるからその…」
 
ガン:「怖がってるってこと?」
 
ギョン:「と・とんでもない」
 
チェ:「ガンヒョン、ギョン君そういう意味で言ってないよ。
    ガンヒョンも解ってるくせに…。
    冷静沈着なガンヒョンがいるから私も安心してるしみんなも落ち着いているんだよ」
 
ギョン:「そう、そうだよ。チェギョン、良いこと言うな〰」
 
ガンヒョンは苦笑い。
チェギョンはギョン君がガンヒョンの良さをわかってくれてて嬉しかった。
そんなガンヒョンとギョンを見ているチェギョンを見てシンは心が暖かくなった。
 
シン:「…(チェギョン、君が人のこと心配している余裕があってよかった…)」
 
昼休みはあっという間に時間が過ぎて行った。
名残惜しそうにシンは、教室に戻った。
 
 
 
                                                              \¤\᡼\¸ 3素材は、『kissme…』のAKKOさんに頂きました。
                              http://blogs.yahoo.co.jp/kissme_0516/29285157.html