この間届いたCD。「エレクトロニカ」や「ノイズ」に相当する音楽ゆえ、「ブログのタイトル」に反するが、(仮)がついてるし、先回も取り上げたし、「ま、いいか」―と思い、再び取り上げた。
前のブログで取り上げた「ovalcommers」と同時に注文したのに、「commers」が先に届いた都合で、今回のブログ紹介となった。
ところで「英語」にcommers」という言葉は存在しない。だが、「commerce」は存在する。
commerce
【名】
- 〔大規模な〕商業、交易、貿易
- 〔学問としての〕商科、商業学
- 〈古〉〔知的・社会的〕交流、交際
- 〈古〉性的交渉
なかなかに「意味深」である―。あの作品に「エモーショナル」な側面が感じられた理由の1つの説明にはなるかもしれない(ま、本来説明はいらないのだが)。
ではこの度はどうか―。「ovalprocess」である。
process
名
- 〔ある目的に向けた〕一連の行為[変化・作用・過程・作業]
- 〔製品の〕製造[処理]過程[プロセス]
- 〔時間や過程の〕進行、経過、推移
- 《法律》訴訟手続き
- 《法律》召喚状、訴状
- 《生物》突起
- 《印刷》写真製版
- 〔化学薬品による〕ストレート・パーマ
クラウディオ・アバドはBPOとの共同作業について、「最善の中間報告」という趣旨のコメントを残したと記憶している。
「プロセス」は必要不可避なのものように感じられる。いきなり「結果」には結びつかない。
「過程」を省略できるのは「天才」の所業なのかもしれないが、「彼ら」は「本当に」一握りの人々である―(あの「シャーロック」ですら、「観察」という「プロセス」を経由する)。
でも僕たち「庶民」は、「プロセス」を何度もこなすことで「ショートカット」が経験上可能になる。それは「直感」という姿で現れてくることだろう。
僕たちは生きている限り、人生という「移行期」の「只中」にいるのだ―。
「ovalprocess」は2000年リリース作品。もう20年以上経つのか―。
でもその「斬新さ」は失われてはいない―僕が、この音楽を支持する所以である。
全10曲。日本盤のみボーナストラックが5曲収録されている。「シークレット」はないようだ。
1曲目はいきなり「ノイズ」で始まる。ただ不思議なゆったり感がある。
電子音の「唸り」は相変わらずだ。「ゴリゴリ」の「アンビエント」音楽。
「untitled」。この曲だけタイトルが付いている(「アンタイトル」だが)。
2曲目。グリッチ音が耳を引っ掻く。「プリペアドCD」の効果か。背後で何かがうごめいている。
3曲目では、さらに「エラー音」が強調されている。「逆回転再生」とかもしてそうだ。
プレーヤーの故障すら「楽しめ」そうだ。本当に「故障」してても気づかないかもしれない。
「Track 3」。これが「音楽」として聞こえるのが不思議で仕方ない。
4曲目は6分近くある、アルバム中「最長」の楽曲。マーラー/交響曲第9番第1楽章冒頭の「アウフタクト」に似た雰囲気のフレーズを見出せる。「緩徐楽章」の性質を特に感じる曲だ。
もちろん、アルバムの中で僕が好きな曲の1つだ―。
「Track 4」。穏やかな中に、ちゃんと「起伏」も用意されている。5分55秒。
5曲目。さらに「穏やかに」曲が進む。オルガンのようにも聞こえるフレーズが興味深い。
そこに「ノイズ」が絡む。この曲展開は意外だ―。
6曲目ではエレキ・ギターのような「うなり」で始まる。「音飛び」によるグリッチ音がリズムを刻み続ける。「うなり」も続く―。
7曲目。「電子音」通しのおしゃべり―。何を語ってるかは不明。
8曲目は「シンフォニック」な印象だ。何故そう感じるかは僕にもわからないのだが―。
ただ、スケールの大きさを感じる。壮大な風景が心のスクリーンに映し出される思いがする。
「Track 8」。確かに「空間性」を感じる―。
「Track 10」。グリッチ音がビートを刻んでるように聞こえる。静かな音楽だ。
「海外盤」にはシークレットトラックが存在した。これがその音源―。
マーカス・ポップへのインタビュー動画。コンピューターでの「作曲」も披露。
2003年リリース。「SO」。豊田恵里子(vo)とのコラボレーション。