歌舞伎座『風の谷のナウシカ』「上の巻 ―白き魔女の戦記―」 | sylvie-guillem-19650225のブログ

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初演の歌舞伎版『風の谷のナウシカ』が面白かったので、どのようにブラッシュアップされて再演されるのかとても楽しみでした。

 

前回感想:

 

 
今回はクシャナを菊之助さん、ナウシカを米吉くんと配役を変えて、クシャナを主人公に据えることと、三部制で上演時間が短くなることなどいくつか変更点が出るので完全な再演ではないということにも興味がありました。
 
特に、初演での七之助さん扮するクシャナのビジュアルがあまりに見事にはまっていたので、再演する際の配役はハンデになるかもしれないなという懸念もあり、自らクシャナを演じる菊之助さんはなかなかチャレンジャーでもあるなという期待もありました(国立で千本桜の通しを演るとか今一番チャレンジングな役者さんですけどね)。
 
感想がなぜ今頃かというと、今回の公演は演じながらどんどん進化していくだろうという予感があって、公演の前半と後半の2回チケットを取っていて、十分咀嚼してから感想を書き留めておこうと思っていたから。
そして、残念ながら後半の分は休演になってしまいました(コロナのバカ)
 
クシャナが主人公ということではあったのだけど、基本的には初演と大きく変わることは無かったです。
テトを追いかけたり、ナウシカのラボの場面、王蟲の幼虫を育てている実験室での本水を使った立ち回りなどはカット、マニ族との場面も少なかったような?
初演よりテンポが良くなった感じもありましたが、場面がカットされて分かりづらい所もありました。
 
菊之助さんのクシャナはどんな場面でも高貴で気高い。
七之助さんよりも静かな感じなのですが、声の使い分けが面白く、怒りを込めた低い声が魅力的でした。
全体を通してクシャナの悲哀や怒りが伝わってくるという点ではクシャナが主人公ではあるのですが、ナウシカより出番が多い訳では無かったです。
ストーリー展開の中心はあくまでナウシカでした。
 
米シカじゃなくて米吉のナウシカは予想通り可愛かったです。
私は開演から3日目(6日)に行ったのですが、見栄を切ったりする普段あまりやらない仕草などでまだ試行錯誤しているかなという感じがあって、でも一つ一つにすごい集中力があって、きっと1日ごとに成長していくんだろうなという気迫のようなものが伝わってきて、本当に後半で見にいくことが楽しみでした。
そして、米吉くん単独での宙乗り(暗転で空中から出てきて驚きました)と共にメーヴェが歌舞伎座を飛ぶシーンが見られる日が来るなんて最高です。
 
これで終わりにはしませんよね。
下の巻も考えているでしょうし、再演を楽しみに待ちます。