2019年10月24日 女優の八千草薫さんがお亡くなりになった


筆者は大好きな女優さんで、共演できる日を夢に見ていたのだがそれも叶わなかった


八千草さんは何歳になられても無垢な子供のような純粋さ、お姫様の気品、さらに一本筋が通った強さも持つ稀有な女優さんであった

最近では「執事 西園寺の名推理」の主人公の執事が仕える伊集院家当主を演じていらして、その気品や強さが強力に発揮された作品だったのだが、シーズン2では吉行和子さんに同役を譲られたので、お体の調子でもよくないのかと思っていたのだが



八千草さんは宝塚出身なのだが、偶然にもこのあいだご紹介した機内映画3本の記事の中で、「ダイナー」に出演した宝塚軍団の記述をした

これも何かの縁なのだということで、宝塚卒業生のドラマ等での活躍に関して調べてみた

 

 

実は、以前から感じていたのだが、ドラマや映画を見ていて、出てきた初めて見る女優になんとも言えない違和感を感じて、調べてみると実は宝塚の卒業生であることが何回かあった

 

 

別の言い方をすれば「フィクション感」

どんなに現実的に撮られた作品であっても、現実ではない雰囲気が出てしまっているという感じ

 

 

陽月華

 

一番最近では、「警視庁・捜査一課長」シリーズに板木管理官役でレギュラー出演している陽月華(2000年入団の娘役)

筆者はこの作品で初めて見た(と思っていた)のだが、調べてみると退団した2009年以降コンスタントにテレビドラマに出ており、「ハンチョウ」「赤かぶ検事奮戦記」「ATRARU」「ガリレオ」「遺留捜査」「相棒」等そうそうたる作品に出演している

 

ここで、気づいたのだが、

なんと筆者はこの方とドラマで共演していた

 

2013年「ガリレオ シーズン2」の3話(心聴る)

吉高由里子演じる岸谷刑事の大学の先輩で自殺した白井冴子役だったのだが、これには筆者も白井冴子の会社の先輩役で出演していて、本人に直接お会いすることは無かったが、葬儀の場面で確実に彼女の遺影を見ている

「捜査一課長」シリーズは全て見ているのに、今までまったく気が付かなかった

 

また、「相棒 Season 10 」第11話「名探偵再登場」では、直接ではないが同じ宝塚の先輩である真飛聖とも共演している

 

男役の面々にくらべると少しだけ「フィクション感」は薄められているが、この方も大げさな演技や表情は十分にフィクションしている

 

 

2000年以降入団の女優

 

一応、陽月華の同期やそれ以降に入団した女優の退団後の出演作を調べてみたが、多くの方がドラマにはほぼ出ていないか、舞台中心の出演であり、彼女のようにたくさんのドラマに出ている人は見つからなかった

この辺りも「フィクション感」が邪魔をしている所以なのではないかと感じた

 

 

1990年代入団の女優

 

なので、ここからは遡っていこう

一応取り上げる基準としては2桁以上のドラマ、映画作品に出演されている方としたい

 

映美くらら(1999)娘役

この方は、退団後大量のドラマにわき役として出演されているので、どなたでもかならず見たことがあるはず

他の方に比べると「フィクション感」は極めて薄く、宝塚出身と言われなければ気が付かない

ただ、決定的に印象に残る役は無いので、地味な印象はぬぐえない

 

音月桂(1999)男役

この方もわき役多し

西島秀俊が公安の捜査官を演じたMOZUでは真木よう子演じる西島の同僚の妹という役で映画版含めて複数回出演している

 

白羽ゆり(1998)娘役

わき役多数

最近では「メゾン・ド・ポリス」「W県警の悲劇」等に出演

 

仙堂花歩(1998)娘役

現在話題の吉本所属で、R1グランプリに3年連続で出場した(いづれも予選敗退)という変わり種

 

はいだ しょうこ(1998)娘役

宝塚では千琴ひめか

説明不要だが、ドラマ等には出演しておらず、タレント的な立ち位置

 

遼河はるひ(1996)男役

名前を言われてすぐに顔を思い浮かべられる数少ない存在だが、ドラマ等の出演はあまりない

最新作は白衣の戦士! 

 

月船さらら(1996)男役

2時間ドラマ等のわき役として大量に出演

ヒガンバナ〜警視庁捜査七課〜では檀れい、大地真央、紺野まひる等ととも出演

 

紺野まひる(1996)娘役

宝塚よりも女優としての認知度が高いめずらしい女優

本当に大量のドラマに出演しているが、特にだれもが思い浮かべるのは

NHK「てるてる家族」の長女役

「スペシャリスト」での主人公の元妻役

橋田寿賀子のドラマにもちょいちょい

 

宮本真希(1996)娘役

宝塚時代は斐貴きら

この方も女優としての認知度高し

宝塚出身であることを知らない人も多いはず

特に最盛期の2時間ドラマはこの人無しでは成立していなかっただろう

 

真飛聖(1995)男役

なんといっても「相棒11」での成宮寛貴演じる甲斐亨の恋人役のレギュラー出演によっておなじみとなった

やはり、最初に見た時から「フィクション感」はあった

他にもわき役として多くのドラマに出演

 

檀れい(1992)娘役

ここまでくれば、もう説明不要

このあたりからドラマで主役を張れるような方々がでてくる

筆者の印象に残っているのは

「感染列島」

「福家警部補の挨拶」

 

純名里沙(1990)娘役

一時期はたくさんのドラマに出演していたが、2011年あたりから歌手活動に主軸を置き、ドラマには出演していない

代表的といえば

宝塚在籍時代の朝ドラ「ぴあの」

「ラブ・ジェネレーション」の主人公キムタクの元カノ役あたり

 

ここまで、見ていくとわかるように、このあたりまでで退団後にテレビや映画等で活躍している方は圧倒的に娘役が多い

ドラマ等では女優が男を演じることは基本ないので、そこに男役の方々を使いにくい理由があるのかも

 

1980年代以前

 

麻乃佳世(1988)娘役

たくさんのドラマ等に出演されているが、そのお姫様的な雰囲気から「水戸黄門」中心に時代劇が多い

 

天海祐希(1986)男役

言うまでもなく、現在では主演作品を含めて最も多くのドラマに出演されている女優

主演作品の「BOSS」では筆者も共演させていただいたが、テレビで見るより実物は華奢な方なのだが、存在感が半端なく、遠くから見ると大きく見える

男役の「フィクション感」を逆手にとって、押出の強い女性を見事に演じていることが、多くの作品に出演されている所以か

 

紫吹淳(1986)男役

この方もサスペンス、刑事もののドラマに多く出演

 

愛華みれ(1985)男役

この方も似たような作品に多く出演なさっている


一路真輝(1982)男役

舞台中心に活躍されている
ドラマでは「渡る世間は鬼ばかり」のレギュラーであった

真矢ミキ(1981)男役

映画ダイナーでの殺し屋の親分役は強力だった
サスペンスドラマでの主役も多数
押しの強さはさすが

涼風真世(1981)男役

この方も真矢さんと同じような立ち位置で「芸者弁護士シリーズ」で有名

黒木瞳(1981)娘役

言うまでもなく、日本を代表する女優の一人
退団後からコンスタントにドラマに出続けている
最近では昨年の「犬神家の一族」では犯人役
韓国ドラマのリメイクのTwo weeksでも悪役
最近は悪役にも目覚めたようだ

毬谷友子(1980)娘役

この方も2時間サスペンスに多数出演
ちょっと憂いのある表情が特徴

大地真央(1973)男役

言うまでもなく、それまで多くの宝塚出身者が作り上げてきた宝塚以外の活躍の場を後の世代に引き継いだ功績は大きい
今はCMでの姿が最高
おそらくこの方でないとこの役は出来なかっただろう

このように1970年代1980年代入団の方々でドラマ等で活躍されているのは圧倒的に男役
ここが1990年代以降と逆転したところ

1960年代以前

この辺りになるとお亡くなりになった方やご高齢の方々が多くなるので、今現在テレビでお見かけすることは少ないが、筆者が青春だったころには、この方々がテレビに出ない日は無かった

失礼ながらお名前と入団年のみ記述する
まあ、みんなお名前は知っていると思うが

安奈淳(1965)男役

鳳蘭(1965)男役
加茂さくら(1955)娘役
浜木綿子(1953)娘役
朝丘雪路(1952)娘役
有馬稲子(1949)娘役
寿美花代(1948)男役
八千草薫(1947)娘役
新珠三千代(1945)娘役
淡島千景(1941)娘役
越路吹雪(1937)男役
乙羽信子(1937)娘役
月丘夢路(1937)娘役

なんとこの年代でまた娘役が多数になっている

最後に
八千草薫さんのご冥福をお祈りします