東洋のヴェネツィアとも呼ばれる中国・蘇州(ソシュウ)はご存じでしょうか。美しい庭園や運河が魅力的な水の都で、上海からのアクセスがとても良いです。そんな蘇州は、日本人の口に合う絶品グルメの宝庫でもあります。今回は蘇州に行ったら外せないグルメを紹介します。

 

1. 蘇州麺

日本で言うところのラーメンのようなもの。蘇州はどこへ行っても麺が美味しいと評判ですが、日本のラーメンとは味も見た目も食べ方も異なり、まず麺はストレートな細麺で、スープは醤油味の紅湯、塩味の白湯の2種類のみ。そしてスープは乗せる具材によって分けられていて紅湯には肉系の具材が、白湯は魚系の具材、というふうに決まっているのも特徴的です。特に紅湯はちょっと甘く、日本人には珍しいと思うので、是非トライしてみていただきたい一品

蘇州面のお店といえば「同得興」で、朝から大賑わいな地元民に愛される蘇州一の麺専門店です。こちらでは、「紅湯」ではなく「白湯」と書かれた方を注文してください。ストレートな細麺の上には青梗菜とめちゃくちゃ分厚い豚肉が乗っています。
 

2. 蘇州ワンタン

蘇州の人々の心の中では、ワンタンは蘇州麺に次ぐべきです。
蘇州の人々は長い間ワンタンが好きでした。言うまでもなく、ここ数年、全国の食べ物が蘇州のいたるところにありますが、ワンタンは今でも蘇州の人々のお気に入りです。

北部の人々が好む餃子とは異なり、蘇州のワンタンほど人気が​​ないことは明らかです。餃子の皮は厚く、ワンタンほど薄くて軽いわけではなく、餃子の汁はワンタンほどふっくらしていません。蘇州の人々にとって、ワンタンはスープやお湯と組み合わせることができ、とても暖かくて快適です。特に冬は、スープを飲みながらワンタンを食べるのはとても満足です。そのため、蘇州の人々は餃子よりもワンタンを好みます。

 

3. 生煎饅頭(シェンジェンマントウ)

生煎饅頭(シェンジェンマントウ)は日本で焼き小籠包と呼ばれる食べ物です。皮はパリッとしています。

「蘇式生煎」で肉餡の甘じょっぱい味付けが特徴です。上海でも生煎は食べられますが、肉餡の味付けが異なります。

 

4. 松鼠桂魚(ソンソケツギョ)

蘇州料理に欠かせないのが「松鼠桂魚(ソンソケツギョ)」。松鼠桂魚とは、淡水ハタの丸揚げに甘酢あんかけを絡めていただくもの。蘇州料理の代表と言っても過言ではありません。

清の乾隆帝が蘇州来訪時に「松鶴楼」で食されて、気に入られ名物料理になったといわれている料理。たくさんの切り込みが入れられていてサクッとした食感の後に甘めの味がひろがり紹興酒が進みます。

 

5. 大閘蟹(ダージャーシエ)

日本では「上海蟹」(シャンハイガニ)と呼ばれていますが、実際に上海ではなく長江流域が主な生息地で、正式名称は「チュウゴクモクズガニ」です。中国、台湾の人々は「大閘蟹」(ダージャーシエ)と呼んでいて基本的に養殖のものであれば1年を通して食べることができます。

オスとメスで美味しい時期が異なり、メスが一番美味しい時期はたっぷり卵を蓄えている9〜10月、オスが美味しい時期は白子をたっぷり蓄えている11月〜1月と言われています。

そんな大閘蟹は、姿蒸しから大閘蟹スープ、大閘蟹小籠包、日本では酔っ払い蟹とも呼ばれている酔蟹として食べるなど楽しみ方が沢山あります。

さらに中国では、体を冷やす食べ物と体を温める食べ物で分類されていて、蟹は体を冷やす食べ物と言われています。なので、たとえば夏場の熱い時期、あるいは体を温める作用を持つ紹興酒やショウガ湯などと一緒に楽しむのが最高です。

 

6. 清炒河虾(川エビの炒め物)

蘇州では新鮮な川エビがとれるため、来客の際に最初にでてくることが多いメニュー。また、「エビ」の発音が蘇州の方言の「歓迎する」の発音と似ている事もあり始めにだすことが多いとか。

蘇州に近い上海、杭州一帯の江南エリアは湖沼が多く、前述の桂魚や上海蟹など湖沼の素材が料理で多く使われます。
桂魚や上海蟹以外で特によく使われるのが川海老。1年じゅう新鮮な川海老が手に入る蘇州では庶民の食卓でもよく川海老料理が並びます。

 

7. 湯包 (蘇州風小籠包)

「湯包」は蘇州らしい少し甘めの味付けが特徴の小籠包です。薄皮に味付きの豚肉餡と肉汁スープがたっぷり入っています。

 

8. 响油鱔糊(タウナギの炒め煮)

蘇州は水郷のため、水田も多くタウナギがよく取れます。写真の「响油鱔糊」はタウナギの炒め煮。どじょうほど臭みや癖がなく、甘辛くした味付けでとろみがついているものです。この味は日本人好み!蘇州麺にこのタウナギが乗っている「爆鱔面」も美味。名店から街角のお店まで広くみかけます。

 

運河や庭園で有名なことは知っていたけど、グルメは知らなかった〜!という方が多いと思いますが、蘇州グルメは日本人の味覚にもぴったりな絶品料理がこんなにもたくさんあるのです。

日本ではあまり食べたことがない料理ばかりで味の想像がつかないと思います。そんな方は、ぜひぜひ現地へ足を運んで自分の舌で存分に蘇州グルメを味わいに行ってみてください。蘇州グルメのファンになってしまうこと間違いなしだと思います。