YAMAHA T-3 1978年発売 43,000円

フロントエンドは5連バリコン

ヤマハのオーディオ技術を投入したFMステレオチューナー

いいですよね~バリコンチューナーのこのアナログな作りが好きです!

 

 

放送を聴けてはいたのですがいくつか問題がありました。

↑非受信時:DXランプのみ点灯←正常

↑強力な信号のFM-NHKを受信時、DXランプは消えるがSTEREOランプ点灯せず。

 

・Sメーター、Tメーター、DXランプはOK

・受信周波数を示すアクリル板のライトが点かない

・放送局受信してもSTEREOランプ点かない

 実際に聴いてもモノラルっぽい、スイッチでモノラルに切り替えても変化が無い感じがする。

 試しに信号の弱い地元コミュニティFM局を受信してみるとSメーターは1/4程しか振れないが

 かなりの雑音交じりでなんとかステレオ受信しSTEREOランプも点灯する。

 弱い局はステレオになり強い局はならない?なぜでしょう??

 

【修理】

 ★ランプの修理

  上の写真の上は交換前、下は交換後

  オリジナルのムギ球は間違いなく切れていました。

  試しにそのまま直でLEDを繋いでみたところ数秒で燃え尽きました(笑)

  電圧を測定し2.5V程度に落とすために300Ωの抵抗をかまして黄緑の高輝度LEDを使用。 

  たしかオリジナルは緑ランプだったと思うのでこれでいいかな

 

 ★強い局がステレオ受信しないSTEREOランプが点かない問題の対処

  

  古い器械で怪しいのは電解コンデンサー、トランジスタ、IC更に

  前回のTRIO KT-1000で学んだトリマコンデンサ―あたりでしょうか。

  可能な限りあてずっぽに交換していく作戦に出ました!

 

  --トリマコンデンサーの調整

  まずは5連バリコンにくっついているトリマーコンデンサーを

  FM-NHKを受信している状態で回してみました。

  結果・・・全く問題ありませんでした。

 

  --電解コンデンサーの交換

  次にすべての電解コンデンサーを交換!

  と思ったのですが小さいのまで入れると膨大な数が(^^;

  結局、電源部の全てとその他は1uFを超える容量のものを交換することにしました。

  ※電源部や容量の大きいものは壊れやすい、という自論より。


  

  これが電源部ですね。

  1uF~1000uFまで、陰で見えないのも入れて10個あります。

 

  

  電源部交換後

 

  

  こちらは取り外した電解コンデンサー全て

  見た目問題なさそうですし、全部計ってみましたが容量も特に問題は無かったようです。

  まあ、いずれは劣化するものなので(^^;

  20個交換しました。

 

  ちなみに、T-3に使われている電解コンデンサー 1000uF はニチコンですが

  その他は全て松下製でした。

  

  この三菱の様なマークは何処のメーカー?と悩みましたが

  松下のホームページに解説がありました! 

  三松葉と言うそうで1943年に作られたマークだそうです。

  このチューナーは1978年ものなのでその頃はまだ使われてたマークなんですね。

 

  ここで一旦動作テスト)

    結果・・・ステレオ受信せずもちろんSTEREOランプ点かず

         何も変化無し。

 

  --トランジスタの交換

  トランジスタは下記のものが使われています。

  2SC2021R、2SA844、2SD400、2SB544

  このうち2SB544以外は入手できたので全て交換してみようと思います。

  ※2SA844は互換性のある2SA733を使います。

 

  まずは2個だけしかない2SD400を交換
  外したトランジスタのhFEに問題なし。

    結果・・・問題は変わらず何も変化無し。

  

  次は14個2SA844→2SA733を交換
  外したトランジスタのhFEに問題なし。

    結果・・・問題は変わらず何も変化無し。

  

  2SC2021Rは数が多く小さいのでできれば手をつけたくなかったのですが・・・

  仕方ないです、20個全て一気に外し一気に交換しました。

  90分くらい忍耐の時間・・・面倒なのでhFE測定しませんでした。

    結果・・・あれ?治った!STEREOランプ点くようになり

         耳でもしっかりステレオのいい音です!!

  

  ブラボー!!

 

  仕方ないので外した20個の2SC2021Rを計ってみました。

  データシートによるとSクラスのhFEは180~390

  19個は250~420程度あり問題は無いと思うのですが

  1個だけ174と微妙に低いものがありました。

  う~ん微妙(^^;

  でも、問題があったとしたらこれしか考えられないですね。

  これが基板上のどのブロックについていたものかは不明です。

  

  ちなみに交換した新品は2SC2021S、上位のSクラスなので問題ないでしょう。

 

  

  交換した全てのトランジスタ

  左が2SA844 14個

  右下が2SD400 2個

  右上が2SC2021S

    小さいので外すのに苦労しました(^^;

 

以上

YAMAHA T-3 修理レポートでした