久しぶりにDP-3000の弟分DP-1000の不具合品を入手したのでメンテ&修理することにしました。
初めて手にしたのは1年ちょっと前、1代目のメンテ&修理記事はこちらです↓
シリアルナンバーからちょっとだけ1代目よりは古め
ただ、中身は全く同じですね。
問題点その1
高速回転します。
よくある故障です
トランジスタ・電解コンデンサ、パーツ交換すればよくなるでしょう。
と気楽に始めました。
パーツの交換
基盤初期状態↓
とりあえず基板上の全てのトランジスタ(TO-92パッケージ)、電解コンデンサ、
フィルムコンデンサを取り外し測定します。
トランジスタ
Q1,Q2,Q3,Q4 2SC458D hFe実測値 293~441 問題なし
Q5,Q6,Q7 2SC1222 hFe実測値 600~635 問題なし
Q8 2SA561Y hFe実測値 128 多分問題なし
電解コンデンサ
全体的に静電容量が25~30%高めになっている=劣化?
250V 100uFの一番大きなものは問題なし。
フィルムコンデンサ
全て静電容量に問題なし。
ということでここでの推測
高速回転は電解コンデンサの劣化が原因か?
ということで
可能な限り電解コンデンサを新品に交換しました
手持ちで無かった47uFは100uF2個を直列に繋げて代用、3.3uFは1uFと2.2uFを並列に繋げて代用した。
ついでに評判の悪い2SC458Dは4つ、2SC1815GRに交換
あとの取り外したパーツは全てまた付けなおしました。
テスト
ここでひとまず回してみたところ
おおー定速で回った~!
問題点その2・・・発生
と思ったのも束の間・・・30秒後、静かに回転は止まりました。なんで!?
対処
最初はヒューズ切れを疑いました。
・ヒューズを外してチェック・・・問題なし
その後下記のいろいろなチェックを実施
・整流用1D2Z1と1D2C1コモンダイオードを外してチェック・・・問題なし
・速度調整用のボリューム20kΩBの接触不良?外してチェック・・・ガリがあるようなので交換
ここで再度テスト・・・回転せず
・今一度トランジスタ(TO-92タイプ)をすべて外してチェック・・・問題なし
・モーターを手で回すと重い気がしたので分解清掃グリスアップ
ここで再度テスト・・・回転した!がまた30秒でストップ
ますます謎に
・トランスの不具合?を疑いトランス出力をテスター計測・・・問題なし
・通電時33/45回転にしてモーターへの給電電圧をテスターで測定・・・通電なし!問題
※つまり何らかのパーツの問題でモータに通電がないのはほぼ明確
・ON/OFFと33/45回転切り替えスイッチの接触不良?を疑い手持ちの代替品に交換
ここで再度テスト・・・回転せず
・TO-66パッケージの2SD256と2SC1504を外しhFe値を計測・・・問題なしだと思う
・モーターにつながる3uFの大きな電解コンデンサをチェック・・・問題なし
・基板上のダイオード3つをチェック・・・問題なし
ここで再度テスト・・・回転せず
いよいよ疑うところが無くなってきました。
・再度モーターへの給電電圧をテスターで測定
テスターをよく見たらOFF時は0Vだが33/45回転時にかすかに0.003Vくらい微電力がある!!
※断線とかではなく増幅できてない?? ということはトランジスタしか考えられん!
・今回互換品の手持ちもなかった2SA561Yと2SC1222
試しにとにかくなにかそれっぽいものに交換することにした。
2SA561Y→2SA562Yへ
2SC1222→2SC1815BLへ
なんと問題なく定速で回るようになりました~
試しにここでモーターへの給電電圧を測定すると75Vと150Vとなってました!
これが正常値なんですね。
ここまで要したのは2日間、長かった~もうお蔵入りかと思いました(^^;
交換したON/OFFと33/45回転切り替えスイッチ↓
3uFの電解コンデンサ:コンセント抜いてもしばらくは蓄電してるので感電に気を付けましょう!
モーターの給電電圧は、白とオレンジが75V、白と黄が150Vが正解のようです。
TO-66のトランジスタ、基板上のが2SD256、横のアルミに放熱してるのが2SC1504
今回の教訓
とにかく古いトランジスタは
hFeの実測値にかかわらず全部疑え!
以上(^^)v ではでは~