就任



「それなら5択だ」

「⑤二人とも死ね」

ドドドド!!

念で具現化したマシンガン?撃ってくる3人の男

コック「….!!なにやってんだよ!!」

前髪「やめろ!本当に殺す気か!?」



*「引っ込んでろ」

ミュヘル「出口固めとけ」

**「地下へ降りていきます」

ミュヘル「好都合だ慎重に追い込め」

「口だけのスーツ野郎とルーキーにものされる腰抜けが!!

お前らの過大評価に前からむかついてたぜ!いい機会だ!!」

銃撃を避けながら地下への階段を降りていくジンとパリストン

地下は炭鉱の内部のような通路の様子

ジン「沸点低すぎだろいきなりドンパチかよ」

パリストン「ジンさんて言われてるほど破天荒じゃないですよね」

ジン「小さいムチャをコツコツ重ねて出来たイメージだからな ってうるせーよ」

「元はといえばお前が挑発したからだぞ!」

パリストン「ひどいな僕はジンさんに乗っかっただけですよ」

ジン「ま 始めちまった以上奴らも引くに引けねーだろ」

パリストン「やりますか?」

ジン「おう 軽ーくな」

通路をある程度進んみ身を隠している二人

先程の3人も捜索中の様子

ジン「放出系なのに銃を具現化するような連中だ 楽勝だろ」

パリストン「…..ぼくに見られてて大丈夫ですか?」

ジン「ああ 問題ねーよ」ズズ…

左拳に念を込めて?ふりかぶるジン


ドドドドド!!

パリストン「!!」

念を地面にうちこんだ?様子

パリストン「(….これは….レオリオの…..!?)」

ジンの念が地をはい3人の男のもとへと向かう

「!?」

ズギャギャ!!

ドオォ!

倒れる3人

それを見ていたパリストン「…..」

「他人の能力をトレース出来る能力….ですか?」

ジン「そんな大そうなもんじゃねーよ」

「打撃系の能力は一回くらうと大体マネできちまうんだ

ま ただの才能だな」



別の通路で警戒している残りの協専ハンター二人

*「静かだな….」

**「まさか3人共ともやられたか…!?」

*「いくか….?」

**「いや….合図があるかもしれん」

ちょうどジン達の通路の裏側に潜んでいる様子

小声で話すジン「レオリオは医者志望だったな ありゃ触診と打診を試行錯誤した結果の能力だと思うぜ

こんな事もやったはずだ」

トントン…

通路の壁を触診するかのようにしてたたく

「オーラを飛ばしてエコー検査の代わりとか 壁の向こうに二人張り付いてるな…..」

パリストン「なるほど….」

ジン「こことここか」

「体内のメスを入れられないような箇所の腫瘍や血栓を破壊するとかな」

「こんな風に….!!」



ドン!!

壁越しに倒される男たち「ぐ….!!」

トントン…

地面を触診するジン「新手はこねーみたいだな」

パリストン「諦めたんですかね」

ジン「逆だろ」

「”任務”が完了したと思ってるんじゃねーか?」

パリストン「え…..?」

ジン「やつらに一芝居打ってもらったんだろ?」

「段取り臭ハンパなかったぜ?」

「色々粗はあったが中でも最大の失敗はムカついてるはずのモヒカンが

俺達に迫ってきた項目に”2人とも出て行け”って選択肢が無かったってことだな」

「ま その選択を入れちまうとオレがそれに乗る可能性があったからなんだろうが」

「都合優先のクソ台本につき合わあされたあいつらに免じてケンカ買ったけど

次はテメー自身でかかってこいや オレの能力が見たけりゃな」

そういって歩き出すジン

ゴゴ…. あの暗い瞳でそれを見つめるパリストン



ミュヘル「そうか バレバレかぁ….」

「オレは結構いい演技してたと思ったのにな」

もとの部屋に戻りくつろぎながら話しているミュヘルとジン

ジン「ウソだろ? どんだけ自分に甘いんだよお前」

「なに!?あの棒読みの説明ゼリフ!」

「マエカラムカツイテタゼー」

「って言ってたぞ」

ミュヘル「マジで撃ち殺すぞてめー(怒)」

ジン「演技以上に心配なのはお前の兵隊だけどな」

「暗黒大陸で通用するレベルじゃねーぞ あれじゃいいとこ援護要員だ」

ミュヘル「それは問題ない 実際援護部隊だからな」

部下たち*「我々の主な任務は偵察及び銃弾補填で」

**「射撃は援護専門であります」

ミュヘル「撃つのはあいつの役目だ」

ガチャン

立ち上がるロボット?の様な男?

ジン「相互協力型(ジョイントタイプ)か」

ミュヘル「その通り」

「強力な銃火器を具現化し”弾”として放出系能力者を搭載することで

単体攻撃より遥かに威力が増す」

ジン「兵隊に念の武器を飛ばしたのもこいつか 色々出来るんだな」

ミュヘル「ああ 中長期の集団戦では実物の銃を念弾用として携帯するよりも

断然戦闘効率がいいのは実践で証明済みだ」

「弾丸兼偵察援護要員とこいつの11人編成部隊通称”石壁”

ルボの内戦で唯一死者が出なかった伝説の傭兵部隊だ」

ジン「そりゃすげーや やるなお前 名前は?」

ロボ「仲間ハ私ヲ”ゴレム”ト呼ブ」

「他ノ質問ニハ答エナイ」

ミュヘル「オレもこいつと知り合って3年経つがずっとこの調子だ

声も顔も本名も知らん」

ジン「やっぱな 話しかけんなオーラ出しっぱなしだったし」



「ーんで兵隊の仕切りは全員お前だよなミュヘル

出来たら皆にオレの金受け取ってくれるよう言ってくれねーか?」

ミュヘル「……」

「正直に言っていいいか?」

「オレはNo2云々の話を聞いた時あんたで何の文句も無かった

金の件さえ持ちだしてなければな…..!」

「傭兵が何より横の信用を大事にしてるのは知ってるだろ?

”金で寝返った”なんてウワサが立つだけでアウトなんだ」

「自然と金の出入りはクリーンでシンプルにしないとすこぶる気持が悪い」

「本のタイトルはリモコンの位置が全部決まってるのとおなじ感覚だ

変えられたくないんだ」

「あんたの発現を知った時点で”抜けたい”と言い出した奴さえいるんだぜ

この件はオレも結構怒ってる」

「釈明があれが言ってくれ」

ジン「……いや」

「ぐうの音も出ないな…..すまないとしか言いようが無い」

「混乱させて悪かった」

「だが…..もう既に受け取ってくれた連中のためにも今更引っ込めるってわけにもいかねーし

ノーウェル基金への入金で…..手を打たねーか?」

※ノーウェル基金 (勇兵遺族共済)

傭兵が戦士した時残された家族に対して金銭や・精神面・就職・育児・教育など

あらゆるサポートを保証している慈善団体

ワンウェイピープル(少年兵や難民・経済弱者など選択肢が極めて限られている者達)

の救済・生活支援に尽力した軍人ノーウェルの個人口座に同志たちが金を持ち寄ったのが始まりで

三世代口座という特殊な預金形態は信頼のみで成立しており奇跡の口座と呼ばれている

ミュヘル「本気で言ってんのか?」

「送金の為に孫口座を作ったらもうあんたも傭兵だぜ?親の要請は断れねーぞ?」

ジン「生半可な金じゃ受け取らねいんだろ

あの口座なら全員で共有管理してるから変な噂は立たねーよな」

少し呆れ気味?のミュヘル「…..全くわからんな なぜそこまでしてオレ達に金を渡したいんだよ」

「なんなんだ!?」

ジン「….まあオレは先に口に出しちまって後から”何であんなこと言ったのか”理屈を追っかけることが多いんだが

今回も正にその典型でな….

だからこうしてお前らに迷惑かけてるわけだが まず….一番でけぇのは

金に目がくらむ連中はいねーと思ったから かな」

「だから 受け取ってくれる時はそれなりにオレを認めてくれる時だと思った」

「それと」

「おそらく 嬉しかったんだ」

「同じようなバカがいっぱいるってな」

クルリ コック ウサメーン おかっぱ ペコテロ達の顔

「元もとオレがこっそり楽しみにしていた渡航計画に横ヤリが入ったみたいな感覚でムカついていたんだが

でもさらに遡るとビヨンドの方がオレより先に挑戦していたわけだし

まぁ正直感情を整理しきれないままここに来たんだ」

「とにかくなんか文句が言いたくてな….」

「でもここに来て最初にオレの口から出た言葉が”オレも混ぜろ”

だったのには自分でも少し驚いた」

なるほど?…といった様子で話をきいているミュヘル

「ハッキリ言ってそこから”金だす”までの流れはよく覚えてねーよ」

ミュヘル「どうだったんだ?マッシュル」

マッシュル(おかっぱ)「自分が彼に問いただした記憶があります」

「契機は彼とパリストンの口論であります

私の印象では終始ジンの方が挑発的な態度を崩さず混乱をもたらす危険人物でしたが

前会長との件に起因する両名の確執とジン個人の大陸への思いを鑑みると

酌量に相当するものと言えるでしょう」

「しかしその当時はわたしも事情がわからずジン突然かつ一方的に人事変更を宣言したため

混乱防止の制圧行動を想定しマリオネ(おそらく例の人形、ロボの様な少女)とともに

臨戦態勢を整えつつ論理的解決の達成を優先するため

ジンに指揮系統変更のメリットを問いただした次第です

以上」

ミュヘル「なるほどな よくわかった」

「その結論が金….と」

ジン「まぁなんつーかさっきはかっこつけたけど

あの時は金なら押し付けても困らないだろって思ったんだよ!!」

「パリスとの因縁は…..少しばかり複雑でな….決してかき回したい訳じゃないが

やつをNo2から引きずり下ろして企みを阻止したいのも本心だし

ビヨンドの計画そのものには協力したいのも本心だ」

「認めるよ この金はオレからの餞でもあるが打算でもある」

「受け取るかどうか お前が決めてくれミュヘル」



ゴレム「ナゼ最初ニ ソウ説明シナカッタ?」

「ソウスレバスムーズニ話ガ進ンダノニ」

ミュヘル「いやだから….(何故それが出来なかったかを混乱収束のために恥を承知で話させてるわけで)

そこはまぁ察しろよ(汗)」

ゴレム「ハ?」

マッシュル「……..」


ジン「(まぁ こーゆーのも含めてオレのせいだな うん)(汗)」


ミュヘル「わかった」

「傭兵たちには全員了承させる そのかわり金はノーウェル基金だぞ」

「先に確認しておくがNo2はあんたでいい

ただし 現場で兵隊を束ねるのはオレって事でいいんだよな?」

ジン「ああ勿論だ」

ミュヘル「それと」

「子の孫(オレの息子)として口座を開設する以上お前はもうオレのチームの一員だ

戦場ではオレの命令は絶対!!イエス・サー以外の返事は許さねぇ

いいな?No2….!」

敬礼するジン「SIR YES SIR!!」ビシッ

ミュヘル「……」

「ま….あんたがそれでいいならオレ達はいいさ」

「これから戻ってくる連中もパリストンがジンをNo2と認めている以上反対はしないだろ」

パリストン「ええ 今全員の了解を得ました」

「潜入に失敗したので全員に堂々と送金してもらって結構です

これからリストを送信しますね」

「No2就任おめでとうございます」

ジン「名ばかりさ 今までどおりお前が仕切ってくれて構わないぜ」

向かい合う二人

パリストン「お断りですね お手並み拝見します」

ジン「そうかい なら遠慮無く」