それからひと月足らずで

私達の大切な人の

その命の灯は燃え尽きた・・・。



ほどなくして

いとうづゆうえんの閉園が決まった。

〜現在は【到津の森公園】に

生まれ変わって市民の憩いの場に

なっているけれど〜

当時大きなニュースになった。


私自身も、小さい頃から

折に触れて訪れた

想い出かいっぱいの遊園地。

そして動物園。


最後の想い出が

あの絶望的な空気・・・

そのまま終わるのは辛過ぎる。


それだけは嫌だった。


3兄弟を持つ友人に

氣持ちを伝えたら

「一緒に行こう」と言ってくれた。


閉園前の最後の日曜日。

普段の私なら絶対に行かない

人がいっぱいで

あちこち行列が出来てる

いとうづゆうえんで過ごした。


春の暖かい陽射し

子供達の歓声

嫌いなはずの人混みも

イライラするはずの待ち時間も


全部、全部

幸せなことなんだ。


1番上のお姉ちゃんと

大はしゃぎで2回も

ジェットコースターに乗り

下の4歳の子を抱っこして

腕が痛い、と笑って・・・



想い出に、上書き保存は

出来ないけれど

最後が、悲しくなくてよかった。


いとうづゆうえんの想い出は

いつも輝かせていたかったから。



低く垂れ込めた雲

絶望感漂う中

手を繋いで歩いた

あの時の冷たい霧雨・・・


小さかった彼の記憶の中で

優しい雨となっていますように。

彼が今も、これからも

幸せでありますように。