世界史の教科書5冊、一気読み! -5ページ目
<< 前のページへ最新 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5

序章 3.旧人の進出

さて、第3回は「旧人」のお話。


さっと彼らの出現時期を見比べてみたんだけど、
これは約20万年、ってことは共通してました。


有名な旧人は、ネアンデルタール人


だんだん現代人に近づいてきまして、
もうおさるさんだった頃よりも、すっかりモダンになってしまいましたよ(笑)


20万年前っていうのは、氷期って言って、
地球の温度がなかなか下がってしまって寒い寒い時期でした。


そんな寒い時期なのに、彼ら旧人たちは、
それまでの赤道付近主体の生活から、西アジア
そしてヨーロッパにまで進出していったんですね。


ヨーロッパなんていうのはね、
世界地図で日本と比べてみるといいけど、
意外に緯度が高い。
緯度が高いってことは単純に寒くなるよね。
これって太陽が直進的な光で、その日照角度がどーのこーのとか、
まぁいろいろあるんだけどさ。
だけどヨーロッパがあんな形してるおかげで、
暖流の北大西洋海流が流れ込んできて、
その上を吹く偏西風が暖かい風を提供してるの。
そういうわけで、緯度の割には暖かいのがヨーロッパなんだ。


脱線したけどさ、
なにが言いたかったかと言うと、
ヨーロッパって、緯度のわりにはけっこうあったかいけど、やっぱり寒いよ
ってことです(笑)
日本より寒いし、なんたって原人ってほとんど裸でしょ?
そういうわけで、今回の「旧人」たちは毛皮をまといまして、
さらなる進出を可能にしていったのでした。


さて、教科書を比較してくと、
浮かび上がってくるキーワードは、毛皮埋葬
なるほど、なんだよね、ここ。
服をしっかり着た、ってことは
そこに違いが生まれてくるんだよね。
カッコイイ毛皮、とまでいかなくても、
薄いだとか、ふさふさだとか、くさいとかさ(笑)


それをうけて、単純な美意識が生まれて、
そっからそれこそ原始的な宗教観念が生まれてきた。


そういうわけで、「死」ってなんだろう、とか思うようになってきて、
わかんないから「畏怖」なんて感情もわくんだろう。
そういう感じで、「埋葬」の習慣が生まれるというのも、
本当に自然なことだったんだろう思います。


ちょっと太古のロマンを感じたところで、今日のまとめ(笑)



<今日のまとめ>
約20万年前になると、毛皮をまとい埋葬の習慣をもった、旧人が出現しました。
有名なのはヨーロッパ、ドイツで発見されたネアンデルタール人
彼らの武器はさらに発達した打製石器。剥片石器とも言って、これがけっこう尖っててあぶない。
ヨーロッパやら西アジアにまで生活範囲を広げて、寒いけどがんばってたよ。



他にも
詳解世界史Bには詳しい記述があって、


p.9 l.10-11
「動物を解体して調理したり、なめし皮をつくりもした。」


なんて記述も。

そうそう、詳説世界史(旧)だけは


p.8 l.14
「ホモ=サピエンス=ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)」


なんて表記の仕方をしています。


あ、大事なのを忘れてた!


詳解世界史B


p.9 l.6-7
「1956年ドイツのネアンデル渓谷(渓谷はドイツ語でタール、みたいだね)で最初に発見されたので、

ネアンデルタール人と呼ぶ。」
※ ()部は筆者注釈。原文はルビのみ。


なるほどねー。



さて、次回は、やっと新人のお話。
新人だけど遠い遠い、ご先祖様です(笑)


序章 4.新人の台頭
http://ameblo.jp/syayou-history/entry-10014508290.html



人気blog ranking

序章 2.原人への進化


はーい、第2回目ですね。


本日は「原人」を扱います。
このくらいのペースで、
ほんとにひとつ、ふたつのテーマを、
5冊を比較しながらゆっくりやっていきます。
教科書の記述でだいたい6行ずつくらいかな。


世界史Bの教科書っていうのはね、

文部科学省の教育要領やらの教科書の規定によって、
だいたい350ページほどと決められています。
さて、1ページに多くて25行くらい、だからええと・・・

全部終わるのはいつのこととなるのやら(笑)


さてさて今回の部分ですが。


やっぱりさっと比較しても、新しい教科書のほうは、
ほんの4行ほどと、記述をすっきりさせています。
でも、よくよく見ると、
大切な情報はたいそう苦心して織り込んだような文になっていて、
そんなに削った感じに出来上がっていますよ。


もう一つ、おもしろいのが、
原人の出現時期。
さっと挙げてみると、


詳説世界史(旧)
50万年前

詳解世界史B
50万年前

世界史B
180万年前

詳説世界史(新)
150万年前

新世界史
150万年前


という感じで、ここでも明らかに、
旧過程と新過程との間で変化があったことがわかりますねー。


どの教科書にも「人類の変化」と題して、
変わって言った人類の姿と時代をあわせた図表が載せられてるんだけど、

旧過程の図表では、
猿人の時代」、「原人の時代」、「旧人の時代」、「新人の時代」
って、はっきりわけてあるんだけど、
新過程の図表では、
猿人原人が並存した時代もあったように描かれたものが使われてる。
このへんが、『空白の100万年』の原因ですね。


しかし、人類の歴史らしい歴史なんて、ほんの2000年ないくらい。
こんなに簡単に100万年の誤差が出てしまうなんて、
いかに人類の進化が加速度的なのかがよく分かります。


では要約ですけど、
これからは基本的に新過程の方針を採用してこうと思います。



<今日のまとめ>
およそ150万年前から原人が出現しはじめた。
北京原人・ジャワ原人などが有名です。
彼らは洞窟に住み、言語を使って狩猟・採集をして生活していました。
ちょこっと凝った打製石器(ハンドアックスとか)なんかが武器だったようです。



ちなみにピテカントロプスってのはジャワ原人のことになってます。
でも、


pitecus(猿)+anthropus(人)


で、猿人なんですよね。


旧過程では

ジャワ原人(直立猿人)


なんて記述も見受けられますが、
猿人なのに原人
ってことで、混乱しちゃうだろうなーんて配慮から、
削除されたんでしょう。

ここはあまり深入りせずにおきましょうかね(笑)



さ、次回は旧人の話です。


序章 3.旧人の進出|世界史の教科書5冊、一気読み!

http://ameblo.jp/syayou-history/entry-10014481446.html


人気blog ranking

序章 1.猿人の誕生

と、いうわけで!

世界史の教科書、5冊、ですね。

楽しく読みすすめてゆきましょー!


どうせ、硬い内容なんだろうから、

文体くらいは軽くかるーくいきますよ。

びっくりするくらい(笑)


ページを開くと、

なんかカラーの遺跡だか壁画だかの写真があって、

教科書会社ごとに特徴のある前書きがだらだら書いてあるよね。


こりゃ、いいや(笑)


んで、さてさて歴史の幕が開くわけだ。


なにから始まるかって、いわゆる先史時代

おさるさんだった、ご先祖様の話。


5冊中、2冊は第一章ってことにしてるけど、

3冊は「序章」ってくくりになってる。

迷うところだけど、僕は「序章」とすることにします。


これは僕がちょっと教科書業界について調べたときにわかったことなんだけど、

この先史を世界史として扱うかどうかってのはすこーし議論があるのね。


だいだい、このへんのことってのは人類学の範疇であって、

人間の社会・文明を学ぶ歴史学じゃないんじゃない?

って声があがった。

僕も、そうかもねー、って思うんだけどさ、

現場の教師からしてみれば

こんなおもしろい(生徒が)部分を切り離されたら困る

らしく、反論があがったそうで。


結局、どちらもまぁまぁ、ってことで、現在に至る、と。

この5冊を見る感じだとね、

2000年前後に検定に合格した教科書同士で、はっきりわかれてるように、

どうやらは縮小の傾向にあるみたいです。


解りやすいのが「詳説世界史()」だね。

詳説世界史(旧)では6ページにわたって解説されてるけど、

詳説世界史(新)では、3ページになってすっきりしちゃってる。


いきなりおもしろいぞ(笑)


まぁそんなこんなでいきますよ。



<今日のまとめ>

400万年前に出てきた猿人が人類の先祖。

アフリカで発見されたアウストラロピテスクが有名です。

彼らは二足歩行を会得し、両手が自由になったので、

超簡単な打製石器を使ったりしてました。



また細かいところにも微妙にこだわりがあるのよ(笑)

詳説世界史はともに

「なかには単純な打製石器をもちいるものもいた」

って言い方しててね、

みんながみんな使ってなかったってことだけはゆずれない、らしいです。


まぁ、詳解世界史Bなんて、


p.8 l.8-9

「脳の容積はゴリラなどの類人猿とあまり変わらなかったが」


なんて言って、下に脳の容積を図解してるけどね(笑)



さて、次回は原人の話。


序章 2.原人への進化|世界史の教科書5冊、一気読み!

http://ameblo.jp/syayou-history/entry-10014470004.html



人気blog ranking

<< 前のページへ最新 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5