孤独な状況になると
ネガティブな気持ちが
どうしても出てしまいますよね。

孤独と病気の因果関係が研究によって解明されたようです😌


以下forbes記事より転載↓


孤独の蔓延を放っておくわけにはいかない。
それはすでに「切迫した健康上の脅威」になっている、と世界保健機関(WHO)は言っている。

WHOは「孤独を差し迫った健康上の脅威と位置づけ、社会的つながりを優先事項として促進し、あらゆる所得の国々における解決策の規模拡大を加速」させるために、「社会的つながりに関する委員会」を発足させた。

同委員会は今後3年間、孤独の蔓延を「世界的な公衆衛生の優先的課題として確実に認識し、資源を動員する」ことを目指し、「社会的つながりに関する国際的目標を提案し、委員に就任した高官たちと協力して行動を起こし、実証済みの解決策を拡大し進捗を測るための支援体制を整える」としている。

孤独のもたらす健康上の脅威はどれほど大きいのだろうか? 

それはかなり悪い、と米国公衆衛生局長官で医学博士、公衆衛生学修士のビベック・マーシーは言う。

マーシーが今年5月に公開した「Our Epidemic of Loneliness and Isolation」(私たちの孤独と孤立の蔓延)と題したレポートによれば、
孤独の健康への悪影響は、1日15本の喫煙にも相当するという。

実感がわかない人のために言っておくと、「毎日タバコを15本吸いなさい。問題ありません」という医者はいない。

15本分のタバコと同等というたとえは、慢性的な孤独の体験が、さまざまな慢性疾患を引き起こすリスクを高めるという観察結果から生まれた。

たとえば、社会的つながりが乏しいあるいは不十分な状態は、心臓病のリスクを29%、脳卒中のリスクを32%増加させ、不安、うつ病、認知症、呼吸器系疾患、ウイルス感染のリスクも高めるという研究結果が、同レポートには引用されている。

このような調査結果は「心身相関」の重要性を改めて強調するものだ。
心は肉体と身体的につながっていることが望ましいというだけでなく、心の中で起きたことは必ずしも心の中に留まらずに、身体全体の働きに大きく影響を及ぼす可能性がある。

言い換えれば、精神的および感情的な健康は、肉体的健康に極めて複雑な形で影響を与える可能性があるのだ。

米国公衆衛生局長官のレポートの題名が、この問題を「彼らの」孤独と孤立の蔓延ではなく、「私たちの」と呼んでいることに注目してほしい。
それは、孤独が世界的問題になっているにもかかわらず、同レポートは米国内で起きていることに重点を置いているからだ。

このレポートでは、高齢者の社会的孤立が、メディケア(高齢者向け医療保険制度)の出費を毎年推定67億ドル(約1兆円)増やしていることや、従業員が孤独を原因に欠勤することで、雇用者に推定1540億ドル(約23兆円)の損害をもたらしていることに言及している。

そして、もしあなたが孤独を感じているなら、それはあなただけではない。
レポートが引用している複数の研究結果によると、米国の成人の中で他人と強くつながっていると感じている人はわずか39%であり、米国の成人の約半数が孤独を体験しているという。

状況は過去数十年の間に悪化している。他の米国人を信頼できると感じている米国人の割合は、1972年の約45%から2016年には約30%へ減少していることを明らかにした意識調査の結果にも、このレポートは触れている。

人々が一人で過ごす時間も増え続けており、2003年には1日あたり285分、月間142.5時間だったが、2019年には1日あたり309分、月間154.5時間へと増加している。

また、X(旧ツイッター)やティックトック、インスタグラムのフォロワーが何人いようとも、フェイスブックに写真を投稿するたびに他の人から「可愛いね」とか「全然歳をとらないね」とか「魅力的」と何度言われようとも、実世界の友達との社会的つながりは時間とともに着実に減り続けていることを、多くの調査結果が示している。

2003年から2020年の間に、友達と対面で過ごした時間は、月間平均30時間から10時間へと20時間も減った。そしてなんと、この減少は15~24歳の年齢層で特に顕著であり、これは未来にとって決して良い兆候ではない。

さらに厳しい現実を示しているのは、親密な友情を保っている人の数だ。

親しい友人が4人未満と答えた米国人の割合は、1990年の27%から2021年の49%へと増えている。感情や悩み事を打ち明けられる親しい友人がいない場合、その感情と悩みはどこに溜まるのだろうか。

もちろん、孤独の蔓延の渦中にあるのは世界で米国だけではない。たとえば、2018年に私がフォーブスに書いた記事は、英国が孤独担当大臣を任命した経緯を紹介している。

そして、もしあなたがグーグルで「なぜ[ここに国名を入力]の人はそんなに孤独なのか」と検索すれば、さまざまな国における孤独の状況を記述した記事やウェブサイトがたくさん見つかるだろう。

2015年にジョン・デビッド・リッツがViceに書いた「なぜスウェーデン人はそんなに孤独なのか?」は、そんな記事の1つだ。

また、オーストラリア政府が運営するウェブページには、「オーストラリア人における孤独は、新型コロナウイルス感染症パンデミック以前からすでに懸念されていた問題であり、『流行病』であると同時にオーストラリアで最も差し迫った公衆衛生課題の1つである」と記載されている。

米国公衆衛生局長官のマーシーは、アフリカ連合青少年特使のチド・ムペンバと共に、11名からなる「社会的つながりに関する委員会」の共同議長を務めている。

この委員会には、米国からカレン・デサルボ医師およびハーベン・ガーマ法務博士、日本から加藤鮎子大臣、バヌアツからラルフ・レゲンバヌ大臣、モロッコからカリッド・エイト・タレブ医学博士、スウェーデンからヤコブ・フォルスメド大臣、パキスタンからヒナ・ジラニ弁護士、ケニアからクレオパ・マイル医学博士、チリからヒメナ・アギレラ大臣がそれぞれ参加している。

この委員会には困難な仕事が待ち受けている。孤独の蔓延は、長年のネグレクト(放置)から生じた複雑な系統的問題だ。数十年もの間、人々の内外に存在する社会的つながりの悪化を引き起こす要因や変化に対して、社会は適切な対応を取ることに失敗してきた。

つまりこれは、単純で簡単に解決できる問題ではないことを意味している。

同委員会は世界の数多くの意思決定者と共に、世界中の人々の間に真の社会的つながりを作るため、現在起きていることを、点と点で結びつけていく必要があるだろう。


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