息子が中学受験を決めた理由。


それは、『給食嫌だ。お弁当がいい』が第一で、次が『生物部に入りたい』という理由からでした。


「え? そんな理由?」と、ご不快に思われる方もいるかもしれませんが、ご容赦いただければと思います。。


息子はめちゃくちゃ偏食で、学校の給食は白米、パン、麺類(汁をつけずにそれのみで)しか食べられません。


牛乳は6年間かけてなんとか克服しましたが、それも本人的にはお腹を少しでも満たすためだけに、ほぼ苦行の気持ちで飲み干しているそうです。


混ぜご飯のときは具を混ぜる前の白米をもらっているのですが、わかめご飯や酢飯、ターメリックライスのときは、食べられるものはゼロです。


学校側にお願いして、そのような日は塩おむすびを持ち込ませてもらっているのですが、それをからかってくる子もいるようで。。


そういうストレスが少しずつ溜まって、爆発しそうなときが何度かあったので、「こういう選択肢もあるんだよ」と私立中学受験の話をしたら、ものの見事に食いついてきました(笑)


早い段階から中学受験を志していたわけでもありませんし、条件さえあえばあとは少しでも家から近いところというのが息子の希望だったので、正直偏差値は度外視で、おっとりした子が多そうなところがいいねーと話しておりました。




通学圏内の学校説明会などをまわって、すごーく行きたいわけではないけれど、ここいいねえ、という学校がなんとかひとつできました。


さほど無理しなくても手が届きそうなレベルで、先生方の雰囲気も温かくて、面倒見の良さそうな校風。


よし、じゃあここに照準を合わせて、一応他にもいくつか探してみようね、というときに。


ちょっとした母の好奇心で、一生縁がないであろうと思われる難関校の見学に行ってしまったのです。


もちろん、息子には


「お母さんが見たいだけの難関校なんだけど、つきあってー(人*´∀`)。*゚+」


と、断わりは入れておりました。




学校に着き、あちこち見てまわり。


息子の目はキラキラしていました。


そして、ポツリ。




「俺、ここ行きたい」




えっ。




正直、えっ、しか出ませんでした。


それは難しいかな、とも、頑張ってみようか、とも、どちらも言えませんでした。




私が固まっていると、息子はすぐに、



「あ、でも、無理か。俺、受験勉強始めるの遅かったし。無理だよね」



と、言ってしまいました。




私は、何も言えなかった自分が不甲斐なくて、でも、不用意に「大丈夫だよ、頑張ってみようよ」とも言えなくて。


ほかでもない息子のことだから余計に、無責任なことが言えませんでした。




息子はそれ以上何も言いませんでしたが、もらってきたパンフレットを家で眺めて、


「わあ‥‥」


とつぶやいていました。




公立校は向いていないと、かなり以前から思っていたのに、なんでもっと早くに受験対策をしてこなかったのかと、これほど後悔したことはありませんでした。




でも、なんの知識もない私がうじうじ悩んだところで、突破口はありません。


餅は餅屋です。


悩むくらいならと、すぐに日能研の先生に面談をお願いすることにいたしました。




面談時、先生には


「無謀なのは重々承知の上なのですが」


と口火を切り、相談いたしました。


正直なところ‥‥


「いくらなんでも、無謀すぎます」


とやんわり窘められるか、或いは丁寧に説得されて、諦めるように言い聞かせられるかと覚悟しておりました。


けれど先生は、


「本人が言ってるんですか?」


とまず確認され、そこに親の思惑が絡んだりしていないかを確認した後、


「本人が行きたいと言っているのなら、頑張りましょう」


と、すぐに今後の対策を考えてくださいました。


そして、



「息子くんは、模試での結果こそふるいませんが、それは蓄積されたものがないからしかたないんです」


「でも、育成テストでは確実に点数を取れています。これは、今後まだまだ伸びしろがあるということです」


「本人がやる気なら、まだ追いつくチャンスはあります。とりあえず偏差値60を目指しましょう。夏期講習でどこまで吸収できるかが勝負です」




頭から否定されなかったことが、ものすごく救いでした。


頑張っても無駄だと言われなかっただけでも、モチベーションが上がります。


息子は今まで、それなりに頑張ってはいましたが、ハングリーさはからっきしでした。


本人の中でも、程々のところに入れればいいや、という緩さがあったからでしょう。


私も、それでいいと思っていました。




でも、息子が入りたいと思う学校があるのなら。


頑張れば、もしかしたら手が届くのかもしれないのなら。




夫は、


「落ちたときのことを考えると胸が痛い」


と、早くも弱気モードです。。


けれど息子に日能研での面談の内容を伝えたところ、ハッとした顔をして、


「俺、絶対無理だと思ってた。もしお母さんが頑張ってみなって言っても、信用してないわけじゃないけど、でも、やっぱり無理だろうって気持ちは消えなかったと思うし、やる気も起こらなかったと思う。でも、日能研の先生がまだチャンスはあるよって言ってくれたんなら、ほんとに無理じゃないのかも。可能性あるなら、頑張れる。頑張りたい」


と。




ここにきてまさかの茨の道となりましたが、目指すものができたのなら、あとは頑張るのみです。


母にできることは微々たるものですが、息子の可能性を信じて、突き進むことになりました。