・蒔かぬ種子は生えぬ

 

 この原因結果の法則は、人間が人間の定めた法律の網の目をくぐるように、

 

原因結果の法則をくぐりぬけて「悪い事」を想念しながら「善い結果」を得ようとしても、

 

決してそのような狡い事は許されないのであり、善因には必ず善果があり、

 

悪因には必ず悪果があるのである。これを仏教では「因果くらまさず」と言うのである。

 

 日本の諺に「蒔かぬ種子は生えぬ。蒔いた種子は生える」と言うのはこれである。

 

そして茄子を蒔いたら、その茄子の種子からは茄子が生え、茄子の実を結ぶのであり、

 

瓜の種子を蒔いたら、その瓜の種子からは瓜が生え、瓜の実を結ぶのである。

 

「瓜の蔓には茄子は生えぬ」と言う諺がある所以である。

 

 キリストはこの真理を「汝の信ずる如くなれ」と言うことばや「汝の信仰汝を癒せり」と言う言葉や

 

「もし辛子種ほどの信だにあらば、この山に動いて海に入れということも必ず成らん」

 

と言う訓えをもって示しているのであり、仏教ではこれを「三界唯心」の言葉で表現しているのである。