恋歌   昭和38年作

・雪の夜に 愛しき女と 握手せし 別れし後の 火照りしこの手

・電話すと 小さき声で ささやけり 愛しき女の 言葉ぞ 優し

・電話鳴る ごとに駆け下り 弾ませど 愛しき女に なかり悲しさ

・仄かにも 愛しき女の 微笑を 瞼に浮かべて 一人笑みする

・いつまでも 我に優しく あれかしと 愛しき女を 仄かに想えり

・彼の女と 並びてグラス 傾けし 薄紅色の 目元ぞ優し

・我が恋し 愛しき女の 微笑は かくまでわが胸 掻き乱すやも

・生を受け 初めて恋し 我なれば 切なき気持ち 耐えざりがたし

・遠くより 我を見つめて 微笑みける 愛しき女に 我も微笑む

・弾ませて 連絡待てど なかりけり 罪ある女と 恨めしくなり

・青春の 熱き血潮の ほとばしる 我が胸の内を 君は知らずや