なんか、プリンシパル全員書かないと落ちつかないので、まだまだ続くよwww
今回はメインの女性陣について
☆ファンテーヌ
今回、たまたまなんですけど、和音ファンテの大楽観たのですよね
9/10のマチネでしたけど、本当に楽とかそういうことは全然知らなくて、帝劇の後にどうしても相葉アンジョをもっと観たくて後から買い足した回が偶然それで
ファンテといえばやっぱり「夢破れて」なんですけど、その第一声「夢を見ていたわ」を聞いた瞬間、涙腺崩壊しました
今思い出してもうるうるしてしまう……
それくらい最高の「夢破れて」でした
それまで、和音ファンテはラストシーンで召されるバルジャンを迎えにくるシーンの聖母っぽさが一番だとは思ってましたが、その他の部分では非常にお固くて、この人がいくら娘のためとはいえ娼婦に身を落とすのか?と疑問に思ってたところもあったんですけど、あの「夢破れて」で何もかも全部吹っ飛んだ
自身の希望も夢も幸せも全て諦めた女性が最後に「娘だけは!」となりふり構わず生きた結果なのだなぁとしみじみ思いました
ずっとあの歌は去っていった男を想う歌だと思ってたんですが、そうではなくて自身の半生を顧み、そして娘を守る決意をする心の過程を歌い上げる歌なのだと納得
和音さん、最後の挨拶で「一旦、卒業ですけど…」と仰ってたので、もしかしたら2019はもう帰ってこないつもりでいらっしゃるのかもですけど、それだけに彼女のファンテの全てが込められた歌唱で、あれを聞けて私はなんて幸せ者だろうと思います
これも相葉アンジョのおかげだわ!
それから知念ファンテ
知念さんはコゼット・エポニーヌ、ときてファンテーヌと、レミゼの主だった女性役をほぼ網羅してるという凄い女優さんなんですが、思ってた以上に気の強さを感じさせるファンテでびっくり
なんていうか、工場で追い出される時も、なんで私が!って思ってるのがよくわかる感じで、後で書く二宮さんがとても儚げだったのと正反対のファンテ
娼婦に身を落とすのも、コゼットのためなら平気よ!って思ってるんじゃないかな、知念ファンテ
あの気の強さならマダムテナルディエもいけそう
まだお若くて綺麗だから勿体無い気もするけど、あと数年後にはぜひマダム役をやって、子役以外の女性役全制覇を成し遂げていただきたい
で、二宮ファンテですが、一番儚かった…
「夢破れて」で和音ファンテも知念ファンテも「待ち続けてるわ」と歌いつつ最後はもう男より娘よ!って感じになってるけど、二宮ファンテの場合、娘は勿論一番大事なんだけど、それでもまだ愛した男を忘れきれない感じが出てて切なかった
歌い終わった後の、一歩踏み出してそれから後ろを振り返るとこも、途方に暮れてどうしていいか分からないっていう雰囲気が一番強かった気がする
三人の違いが一番分かるのが娼婦になって、バタマボアという嫌な客とトラブルを起こしたシーン
和音ファンテはまだプライドがあってだからバタマボアの下種さに耐えられずトラブルを起こしちゃった印象で、知念ファンテは大抵のことは娘のためなら耐えられてきたけど、生来の気の強さからやられたことに腹を立ててトラブルになった感じ
どちらも娼婦の仕事自体、嫌な仕事だけど娘のためにはこれしかないと割り切っていて、客個人に対しての嫌さからトラブルが起きてるように思ったんだけど、二宮ファンテは全然印象が違った
なんていうか、仕事自体が嫌で嫌で、コゼットのためには仕方ないけど、本当に嫌で、そのつもり積もった嫌さがとうとう爆発した、という感じを受けた
みな、娘を思う母であることは一緒だけど、役の解釈や表現はそれぞれ違うんだということが一番分かる役がファンテーヌでした
☆エポニーヌ
レミゼ観てる人はほぼ全員が大好きであろうエポニーヌ
そりゃそうだろうと思う
育った環境が環境だからすれてるし上品とは言い難いし乱暴だし、けど愛する青年のためならなんでもして、最後には命まで捧げて、その愛する青年の腕の中で死んでいけることが幸せだといわんばかりに笑顔で召されていく
なんてけなげ
舞台には出てこないけど、彼女には妹が居て、その子は基本的にはエポと同じなんだけど、エポと違って誰かを心底愛するということがなかった少女として描かれている
妹は、だから物語の最後まで生き残るし、多分この後も強かに生きていくんだろうけど、読者はすぐ忘れてしまうようなキャラだ
ユーゴーは、バルジャンとジャベールみたいに、わりと光と影と言う配置でキャラを作る人のようだけど、エポに対比されるキャラとして妹とコゼットの二人を配置してるあたり、もしかして相当気に入ってたんじゃないかと思われる
というエポだけど、こういうキャラを嫌いな人の方が珍しい
物語中髄一の悪党として描かれるテナルディエ夫妻の娘でありながら、愛によって神の元に召されていくのだ
愛するマリウスを奪われることは分かっていても、彼が求めるならとコゼットと出会えるようにしたり、逆恨みでバルジャン邸を襲撃する父親をマリウスのために敵に回したり、八面六臂の大活躍
エポの歌詞には何度も「一人」という言葉が出てくるんだけど、本当に孤独な少女で愛するマリウスには愛を分かってもらえず、愛する故に親とも敵対し、どこにも行くところのない寄る辺のない少女
これが嫌いな人がいたら、相当根性が捻じ曲がっているといっていいと思う
そのエポを演じた三人、昆ちゃん、ふうかちゃん、凜子ちゃん
中でも一番恋する乙女だったのはふうかちゃんだと思う
死んでいくシーンも、愛する人の腕に抱き締められてる事実が嬉しくて幸せで仕方ない、っていう笑顔だった
あんなに分かりやすく恋をしているのに、それに気付かないマリウスは堅物とか鈍感とかいうレベルじゃない、空前絶後のボンクラだと思う
なので、ふうかエポの時はマリウスに対する好感度が急落もいいところw
特に海宝マリウスは王子様然とした優しげなマリウスなだけに、気付かないということそのものに、怒りを通り越して憎しみすら浮かんでくるレベル
これが田村マリだと、そもそもが堅物そのものの学者じみた印象なので、本もいいけど、もっと生身の人間を知れ!と叱咤激励したくなるし、一番子供っぽい内藤マリだとお子ちゃまには分からなかったんでちゅね~と揶揄したくなる感じ
けど、「on my own」の後、バリケードに向かう背中が一番凛々しいのもふうかエポだったような
なんていうか、愛されなくてもいい、私はマリウスを守るんだ、って気概に満ちていた
とっても可愛くて凛々しいエポだったなぁ
それから昆エポ
私は大阪で初めて観たんだけど、やっぱり昆ちゃんスゲー上手い!って思った
すれっからしで、気が強くて、けど恋するのは初めてで、だからマリウスに対して素直になれなくて、ついついからかったりするけど、でも本当は分かって欲しい、っていうのがよく分かるエポ
死のシーンではようやく望みが叶った、ろくでもない人生だったけど、最後は幸せに死んでいけるわ、って満足そうに死んでいく
多分、一番生き残りたくなかったエポが昆エポだと思う
昆エポには、生き残った後の、どうせ貧困と犯罪の中、愛する人とも結ばれずに生きていくんだろうって人生が半ば見えていて、それくらいならここで死んだ方がずっと幸せだと思ってたんだろうなと想像したくなるところがある
最後に凜子エポ
多分、一番観たのが凜子エポだと思う
三人の中で一番気が強くて、お姉さんなエポだった
おそらくだけど、凜子エポはダメンズだと思うw
頼りない、ちょっと駄目な男に弱そうで、マリウスを好きになったのもあ、コイツ私がついててやらないと、って思ったのがきっけけじゃないかな
エポがマリウスに恋した理由が一番よくわかるエポだった
一番分からないのが昆エポで、その分恋の理不尽さがよく分かるともいえるんだけど、凜子エポはその点はすごく納得できる
そしてそれを裏付けるみたいにして、最期まで「私大丈夫だから、平気だから、泣かなくていいよ」っていうみたいに笑うんだよね、凜子エポ
ふうかエポも昆エポも死に瀕していても今の状況が幸せで笑ってるんだけど、凜子エポはエポにとって幸せな状況なことは一緒でも、マリウスを安心させるために笑ってる感がある
そういう凜子エポには内藤マリがぴったりだと思う
あの子犬みたいに頼りなくて可愛いマリウスがお姉さんなエポには合う
昆エポは田村マリだな
なんていうか、めっちゃ仲良しなんだよ、あの二人
もしコゼットが現れなかったら、普通に結ばれてたんじゃないか、ってくらい仲良し
となるとふうかエポには海宝マリか……
それだとマリウスひどい奴なんだけど、その落差がいいとも言える…
組み合わせって難しいなw
☆コゼット
コゼットって難しい役だと思うんだよ
歌自体はソロは殆どないし、単体での見せ場もほぼないけど、コゼットが魅力的でないと物語の世界自体が成り立たない
しかも相対する役が嫌いな人なんていないんじゃないかというくらいの人気キャラ・エポニーヌ
バルジャンにとっての愛の全てでマリウスが一目ぼれし熱愛する女性なんだから、当然愛らしく美しく清純でなくてはいけない
観客がそれに納得するようでなくてはいけない
本当、相当難しいよ……
その難役を演じた女優さんは、生田ちゃん、小南さん、彩花ちゃん
小南さんは1回しか観られなかったんだけど、一番大人びたコゼットだったな
なんというか、どこなくく寂しげな陰のある、谷間の百合のようなコゼット
皆が目を留める大輪の花じゃなくて、ひっそりと咲いて気付いた人の心を和ませるような、そんな感じ
バルジャンがコゼットに向かって歌う歌詞に「お前、淋しい子よ」っていうのがあるんだけど、それが一番ぴったりくるコゼットな気がした
一番多く観たのは生田コゼット
さすがに現役アイドルだけあって、清純さはぴか一
天使のように清らか、っていう表現が生田コゼットにはぴったり
綺麗なソプラノなので、その清純さが更に一層増す感じ
あと、マリウスの背中に向かって咳払いするシーンがあるんだけど、その咳払いが超絶可愛い!
あれ、生田コゼットのために作ったシーンじゃないかと思うくらい可愛かったw
観る前は一番不安なコゼットだったんだけど、観てみたら良かった!
多分、お人形さんのように可愛い分、生身を感じさせる役が苦手なんじゃないかなぁ(なので、次のモーツァルト!のコンスタンツェは相当不安(^^;))
彼女と海宝マリ(と相葉アンジョ)が並ぶと顔面偏差値の高さにくらくらします
マジでキラッキラ
なんていうか「象徴」としてのコゼットとしては一番しっくりきたのが生田コゼットだった
そして彩花コゼット
一番生き生きとした明るいコゼットが彼女だった
恋をした浮き浮きな雰囲気とか、バルジャンにパパと呼びかける甘えた感じとか、そういうのが全部綺麗で可愛くていかにも愛されて育った無邪気な娘って感じ
父性溢れるヤンバルジャンと組み合わさると、メチャクチャ幸せな親娘に見える
パパが大好きで、マリウスに恋をして、その時その時を精一杯生きてる、そんな素直で優しくて可愛いお嬢さんなコゼット
彩花コゼットが一番好きという人が多いのが頷けるコゼットでした
そういや15日に出待ちした時に、「彩花ちゃん」って声をかけたら握手してくれたんだけど、華奢で可憐で妖精かと思った…
パンフレットの写真見るとなんか老けてて可愛く見えないんだけど、なんであれを選んだのか
実物の彩花ちゃんはあれの数百倍可愛いのに
ていうか、パンフレットの写真、どの役者さんもそうとう見劣りするようなの使ってるよね……
東宝さん、もうちょっと考えようよ(^^;
☆マダムテナルディエ
え~と…この役は1997年からずっと演じ続けてる森公美子さんがいて、もうすっかり森公美さんがスタンダードになってる感が否めないわけなんですよ
観てるほうも演じるほうも、なんかすっかりそんな風になってる……
毎回キャストはオーディションで選ばれるこの作品で20年ずっと、ってことは制作者側もそれでいいと思ってるってことなわけで
実際、あの声と貫禄とはそりゃもう凄くて、なんていうか、「凄かった」以外の感想が出てこない…(^^;
その分、トリプルキャストの面白みが一番少ないのがこの役だったりするんですよね…(--;
ただ、あ!と思ったのが、リトルコゼットに井戸水を汲んで来いというシーンで、「行かせないで」と泣くコゼットに対して、森公美さんとほのかさんは甲高い声でコゼットの真似をして馬鹿にするんだけど、ゆうなさんはちょっと違ってて、なんというかコゼットという少女に全く興味がないんだな、ってリアクションだったんですよね
そっちの方がより冷酷に見えて、一番怖いと思ったのはゆうなマダムだったなぁ
ほのかマダムは他のお二方よりかなりスリムな分、コゼットを引き取りにきたバルジャンに対して色目を使うシーンでドキドキが多かったような
ほのかさんは初代コゼットでもあるわけなので、次回はスタンダードと思われているマダムとは違った路線のマダムも見せて欲しいな~と贅沢なことを夢見る私でございます
最後に、リトルコゼットについてちょっとだけ
子役ちゃんはリトコゼとリトエポを日替わりで演じてて、どの子もとっても可愛くて歌も上手いんですけど、私は井出柚花ちゃんが一番好きでした
歯を食いしばって辛い境遇に耐えながら、夢を見ている幼い女の子っていう感じが一番胸に迫ってきたのが柚花ちゃん
子役ちゃんの場合、年齢とか諸々の事情で続投があるかどうかかなり微妙だし、特に女の子は成長期が来るのが早いから、2019年も、っていうのは難しいんだけど、彼女がまたレミゼに帰ってきてくれたら嬉しいな、と思います
以上、女性プリンシパルについてでした