22日(水曜日)は、ヒメノルミ先生といつもきものさんのコラボ企画、おとなの社会見学「染めもの講座」に行ってきました

呉服屋さんって敷居が高いですよね。
うっかり足を踏み入れると、あれよあれよという間に反物巻かれて電卓叩かれてローンの書類が用意されてて判を押すまで帰してもらえない…みたいなイメージもあったりなかったり…
まあ、そこまで極悪な商売してるところはそうそうないだろうと思いますが、うっかり店員さんに囲まれでもしたら、怖いじゃないですか。
そりゃデパート行ったら専任の外商さんが飛んできて、何もかもお膳立てしてもらって、あっさり何十万何百万のお買い物が出来る人なら別でしょうけど、乏しいお財布からなんとか着物代をひねくりだしてる庶民には、なかなか厳しいわけですよ、呉服屋さんって。
そもそも、着物って、カジュアル路線で比較的リーズナブルなものでも、反物から仕立ててもらうと結構なお値段になるわけで。
洋服と違って何年も着られるから、コストパフォーマンスという観点からみれば、むしろ洋服より安いともいえますが、初期投資が嵩むのは如何ともしがたい現実。
で、ワタクシのような有限の乏しいお財布の持ち主で着物を着たい人間は、お下がりとかリサイクルとかに走るわけです。
ホント、反物から仕立てた新品の時はさぞかし…って着物がリサイクルだとめっちゃリーズナブルになるんですもん。普段から気軽に着物着たい人にとっては、強い味方です、リサイクルの着物って。
閑話休題
そんなこんなで、良質の素敵な着物に憧れつつも、なかなか呉服屋には足を踏み入れられないワタクシにとって、この企画はまさしく渡りに船

お金をかけず、売りつけられる心配もせず、素晴らしい着物が間近で見られるなんて機会、そうそうありゃしません。
しかも、専門家にいろんなお話を聞けけるというのです。
これは行くべきでしょ

で、うきうきと阪急烏丸駅を降り立ったワタクシ
地上に上がると、めっちゃ可愛い人がいる

と思ったら、ルミ先生でした

相変わらず可愛い~
おかげさまで顔を覚えてくださってて、お声をかけてくださって、一緒に居られた生徒さんたちと一緒に会場へ。
めっちゃ普通のビルでした
もし先生ご一行と一緒じゃなかったら、絶対通り過ぎてた自信あるわ
で、今回の会場であるビルの4階にあがったら……
綺麗な反物や着物が、広い空間にズラリと……
素敵すきます

そんな素敵なものに囲まれながら、原料の生糸のお話とか、染めの手法のお話とか、いろいろと興味深いお話を小一時間。
糸の質のお話がワタクシ的には一番興味深かったかな。
蚕って凄くデリケートな虫で、餌の桑の葉が例えば車の排気ガスに汚染されてるとすぐに病気になってしまう、とか。
蚕を太らせると糸も太くなるけど、あまり太らせすぎると糸の質が落ちるとか。
繭から糸を引くときにお湯につけるんだけど、その温度が高ければ高いほど作業は容易になるけど、糸の質は下がるとか。
引くときの早さも質に関係するとか。
へえ

で、中国製の高温で速い速度で引いた糸で作った着物と、日本製の低温でゆっくり引いた糸で作った着物を触らせてもらいましたが、ビックリ

全然違う



こんなに違うのか、と思うくらい。
中国製のはパリパリしてて、日本製のはトロンとしてる。
単独で触ったら、中国製のでもちょっと固いわねぇくらいだったかもですが、比べるとはっきりと違いが分かるのが凄い。
お値段も随分違うようですが、そりゃそうだよな~と納得しました。
この日本製の絹で作った着物とか、一度で良いから着てみたいわ……
染めのお話も、なかなか興味深かったです。
インクジェットはインクジェットのよさがもちろんあります。
今時全部手書きで頼んだら何百万とかかるだろうものが百分の一とかのお値段でできるわけですから、それはそれでいい。
けど、手書きや型染めでも職人さんが手仕事で染めてるものは、同じ模様でも一つ一つ微妙に違っていてそれが味になる、というのがよく分かりました。
あと、よく、インクジェットは裏が白いという話を聞きますが、型染めも裏が白いものがあるらしいです。なので、全体をよく見ないと分かんないのもあるからね、とのこと。
一部で全部を判断しちゃダメってことだな~。うん、一つ賢くなった気がする

で、一通り説明を聞いた後は、おやつの時間。
お茶とお茶菓子を用意していただいて、まったりお喋りです。
とらやの柿のお菓子。と一緒にいただいて、フル活動だった脳みそも一時休憩です。
その後は再び会場に戻って、素晴らしい反物をじっくり堪能
この訪問着が一番好みだった~
淡いグリーンに白と銀でアラベスク模様が描かれてます。凄い素敵だけど、お値段も凄いんだろうなぁ…
怖くて聞けなかったんですが、またしても「いつか欲しいものリスト」に項目が増えました
素敵だったのは着物だけではなく…
長じゅばんも綺麗なものが一杯ありましたよ。
白地に竜が描かれた長じゅばん、めっちゃカッコイイ
キャンディーとか
大福とか、
の模様のお菓子シリーズの長じゅばん地。あと、昔話シリーズとか、足跡シリーズもあって、どれもこれも、めっちゃ可愛い
欲しいと思ったけど、デパートとかで反物買ってお仕立て頼むと、7万
らしく…
長じゅばんもいいのになると高いよね……
そんなこんなで目の保養なんだか目の毒なんだかのひと時を過ごした後は、ランチ会
いかにも京都らしいアプローチのお店に移動。
盛り付けも上品な、美味しいランチをいただきました。
そんな22日のワタクシ
この日は雨でなんとなくブルーな気分だったので、せめて着るものくらいは明るく、とオレンジに黄色で七宝が織り出されたウールの着物。
帯はヤフオクで落札した木綿の手作り名古屋帯。帯と色を反転させた茶糸の半衿を使ってみました。
年齢的にラブリーすぎる着物な気もするけど、着やすいし、パッと明るい気分になれるし、いいよね