とても、賑やかな舞台でした。
開幕前に役に扮したキャストが場内や客席をうろうろしてて、それがそのまま開幕に繋がるという構成は、なかなか面白いなぁ、と。
日常と非日常があいまいなまま、話に入っていくというのは、新鮮な経験でした。
内容は、というと…微妙?いや、面白いは面白いんだけどね。
なんというか、キャストの魅力に頼りすぎな感じがしたりもして…
群像劇という位置付けなのか、1幕ではキャスト一人一人にスポットがあたるわけですが、それが些か冗長に過ぎる印象で、もうちょっとタイトだといいのにと思いました。
というか、彼ら彼らが共通に持つ「俺はここにいるんだ」という心の叫びにもっとスポットあてればいいのに。
きっと今の時代の若者なら、強く共感する気持ちだと思う。あれをもっとストレートに、強調してもいんんじゃないかと。
けど、そうしたら、キャスト一人一人にスポットあてるわけにいかなくなるのかなぁ…
それだと、キャストのファンの方の中には不満に思う方も出るんだろうな。…両立は難しいんだろうなぁ。
んで、2幕は劇中劇が展開されるわけですが、まあ、素人達が一から作ったという設定を考えれば、納得かな。
ちょいと素人臭いけど、素人が作り上げた舞台という設定上、あんまり完成されててもおかしいもんね。
全体に、キャストが若いお嬢さん方に人気のイケメン揃いということもあって、アイドル映画的舞台というか。
深みとか渋味が皆無というわけではない(いや、むしろ、ソコ!というところが随所にあったりする)んですが、味わう間もなく次の場面というのがなんとも(^^;
反面、若いキャストが多い分、勢いがあるから、理屈とかほうり出して単純に楽しむには、非常に楽しい舞台です。
きっと、この舞台は、演技がどうとか、脚本がどうとか、世界観がとか、小難しいことを考えずに楽しむのが正解なんだと思います。
とはいえ…私がこういうタイプの舞台に慣れてないせいなのか、お話の中心がよく分かんなかったのは致命的かもです(--;
会社辞めてまで何かを求めた潮見なのか、ならば舞台をやろう!と先頭切った柏木なのか、最初は流されてただけのはずが、いつの間にか夢中になってた水原なのか…
「何かをやりたい。自分はココにいるんだ、と叫びたい」という根底に流れる皆の心を代表するとしたら潮見なんでしょうけど…
↑きっと、こういうことを考える人には向かない舞台なんでしょうねぇ。
あ、でも。キャストさんたちのダンス、楽しかったです。普段、ああいうヒップホップとかの今時のダンスって見ないものですから、物凄く新鮮で、楽しかった。
前に見たコンテンポラリーダンスの時も思ったんですが、人の身体というのは、訓練次第で本当に美しい動きをするもんなんだなぁと感動しました。