予土線の車内販売、ついに利用! | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

 最も利用しにくい車内販売は?という質問に、どう答えるか。

 「カシオペア」かもしれない。「カシオペア」は、料金が高く、10時打ちでも取るのは難しい。もちろん同じ日程で休みが取れる同行者も見つけにくい。更に上を行くのは「ななつ星」だが、庶民には初めから手が出ないから、初めから想定外だ。


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 それ以外で、真っ先に思いつくのは「予土線」だ。愛媛県の宇和島市と高知県窪川市を結ぶ予土線で、「しまんトロッコ」の運転日に、独特の車内販売が行われているのだ。

 「しまんトロッコ」は土曜休日の運転だが、私は土曜日の夜遅くまで仕事だ。日曜日の朝一の飛行機でも、飛行場から遠い予土線には間に合わない。土曜日はもちろん、日曜日も乗れないのだ。

 運よく、4月初めに土曜日曜に休みが取れ、土曜に「予土線」、日曜に「伊予灘ものがたり」に乗りに行くことにした。


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 「しまんトロッコ2号」に宇和島から乗車した。

 その様子は、こちら

 車内販売があるのは、途中駅の江川崎から土佐大正の間だけだ。

 「しまんトロッコ2号」に乗って江川崎駅に到着。27分の長時間停車だから、まだワゴンは見当たらない。改札付近を見ると、弁当を売っている。



 長時間、飲み物・食べ物を買えない列車だから、弁当の販売は助かる。オムライス390円、卵入り焼きそば250円、お好み焼き200円、イモの天ぷら280円などが売られている。子どもでも手軽に食べられて、安い品ばかり!

 売店の方から「四万十牛バーガー」を買った時に、「車内販売を利用するためだけに、予土線を乗りに来ました!」と言った。すると、ちょうど車内販売に乗り込むおばちゃんが来たので、こんな会話が。

「このお客さん、車内販売を利用するために来たんですって。」と説明してくれて、それに対して、「そうなんですか、これで売り上げゼロは避けられて良かった」なんて冗談飛ばしてくれた。



 車内販売のワゴンは、売店の横に置いてあった。品物を買える状態にしてあったが、ここで買ったら車内販売とは言えない。そこで私は「車内で買わせていただきます」と挨拶して、列車に戻る。


 「しまんトロッコ2号」窪川行きが、江川崎駅を発車した。いよいよ念願の「予土線」の車内販売が利用できる。何せ小さなトロッコ車両、数人降りて乗客が12人だけだから、ワゴンはすぐやってきた。

 予土線の車内販売は、地元の企業・山間屋が行っている。販売する物は、地元の特産物で、ビールやコーヒーは販売していない。



 ワゴンの上段は、その場で食べる品が並んでいる。地元のお茶「しまんと茶」も売られている。



 私が買ったのは、上の写真。

 写真の手前が「串だんご」だ。いちご、イモ、あんの3つの味が楽しめて、100円は安い。

 右奥が「天然うなぎおにぎり」だ。天然うなぎが乗った握り飯で、1個300円。天然うなぎなら、納得の値段だ。

 左奥は、江川崎の売店で買った「四万十牛バーガー」だ。ボリュームがあって、特に美味しかった。

 こういう品を、風を受けて、四万十川の風景を眺めながら食べられる・・・・それも念願の車内販売で買ったのだから、これは天国だ。



 中段と下段は、主に土産物を販売している。

 よくあるパターンが、地元の地名が入った記念タオルで、よく見たら中国製だったりするが、そんなことはない。

 


 私がゲットしたのは、上の写真↑の3つ。

 写真の中段からは、2つ。ゆずが効いたドレッシング「YUZU SAUCE」(写真右)で、100mLで350円。そして、パウンドケーキ200円だ。

 この写真の白米おにぎり(奥)は、上段に積まれていたものだ。白米だけの塩にぎり、これだけでも十分美味いのだが、食べたのが「天然うなぎおにぎり」の後だけに、やはり物足りなく感じてしまった。

 下段には、「山間米」「生野菜」も積まれていた。旅行初日で荷物になるから、これには手を出せなかった。



 そして、キーホルダーも購入。「半家駅」のキーホルダー500円だ。面白そうで、勢いで買ってしまった。



 この車内販売は、「しまんトロッコ2号」の江川崎12:05発、土佐大正12:54着で行われる。

 そして、「しまんトロッコ」の運転日は、ワゴンが江川崎に戻る普通列車でも車内販売をする。土佐大正13:51発の海洋堂ホビートレインだ。当然、土曜休日の「しまんトロッコ」運転日限定だが。



 車内販売をしている方のハッピが、格好良かったので、撮らせてもらった。注目は、四万十川の沈下橋を車が通るデザインだ。


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 この「予土線」の車内販売は、聞いてはいたが、実際に乗って利用してみて、更に驚いた。

 「しまんトロッコ」は、満席でも40人の乗客だから、車内販売をしても、利益はさほど多くない。私は1450円分購入して、他の乗客も何人か買ったが、乗客12人では赤字のような気がする。

 缶ビールや定番の土産を売れば、売り上げは上がるだろうが、地元の品だけの販売に、こだわっているのも凄い。

 「しまんトロッコ2号」にワゴンが乗るのは49分だが、車内販売に回ったのは5分くらい。そりゃ、12人に品を売るのは5分あれば十分だ。そして残りは、地元をよく知った人として観光案内を始めた。「もうすぐ左の方に良い景色が広がります」などと、乗客のために案内をしてくれたのだ。

 観光案内が8割以上で、ついでに車内販売をしているようなものだ。なお、昨年は日によっては、民話の語り部が乗車したとのこと。今年も乗車日があるという話は聞いたが・・・。

 予土線と地域の活性化のために、様々な団体や人々が、力を合わせて頑張っていると分かる。

 こういう車内販売を見ていると、車内販売の可能性は、まだまだ広がる気がする。


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 今回、予土線で車内販売を利用した。これで、車内販売はほぼ全制覇したことになる。

 たとえば、新宿発東武日光行の「特急日光」を利用したことはないが、販売している品などは、他の列車と変わらない。乗車して車内販売を利用しても、新たな発見は、ないと思われる。

 そうすると、残された最難関の車内販売は、「北条鉄道のパン 」ということになりそうだ。