AIZUマウントエクスプレス2014 | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

 10月に2回、会津鉄道に車内販売を利用しに出かけた。会津鉄道の快速「AIZUマウントエクスプレス」にも計3回乗車して、車内販売を利用した。この時の様子をまとめる。

 「AIZUマウントエクスプレス」は、1日3往復走っていてる。鬼怒川温泉から会津田島を通って会津若松まで、約2時間10分かけて運転している快速列車だ。3往復のうちの1往復は、東武日光まで延長運転され、この1往復だけ車内販売が実施されている。

 赤い色の気動車は、この秋に乗った時は、平日は2両、日曜は3両で運転されていた。客の数に応じて編成を変えられる小回りの利く車両だ。

 座席は特急並のリクライニングシートで、収納式のテーブルもついている。トイレも、バリアフリーで真空式。乗っていて実に快適だ。

 こういう立派な車両に運賃だけで乗れるのは、うらやましい限りだ。

 10月だから、車内の装飾もハロウィーンに。小さな鉄道会社だから、小回りがきいた対応がしやすいようだ。


 この列車には指定席はなく、全車自由席だ。観光客が多い列車なのに指定席がない理由の一つは、乗車距離が短い客が多いからだ。

 金曜日の東武日光行きは、鬼怒川温泉駅で急に客が増え、座席はほぼ埋まった。下今市で降りる人は皆無で、更に浅草方面からの客が乗り込み、立ち客多数で東武日光に着いた。鬼怒川温泉に泊まって、翌日に日光に出かける客には大変便利な列車となる。利用客も多いから車内販売が行われているようだ。

 東武日光からの折り返し会津若松行も、鬼怒川温泉駅から急に混雑した。鬼怒川温泉止まりの特急きぬからの乗り換え客がドッと乗ってきたが、短区間で降りて行った。

 今年の2月に乗った時は、混んでいて立ち客が出たのは、鬼怒川温泉から会津高原尾瀬口までだけだった。


 さて、車内販売だ。

 この「AIZUマウントエクスプレス」には、車内販売をする車掌が乗務している。今まで3人の車内販売員兼車掌から車内販売の品を買ったが、3人とも女性車掌だった。

  ワゴンは、写真のようなワゴンで、飲み物、お菓子の他、会津鉄道のグッズも売られている。



 飲み物は、ホットコーヒーは300円だが、缶コーヒーや三ツ矢サイダーなどの冷たい飲み物は130円、ビールは270円と車内販売としては標準的な値段だ。

 弁当はないようだが、チップスター110円、菓子パン120円など安い品物もある。これは駅前に店がない地元の客にも役立つ車内販売だと感じる。



 特産物も売っている。今回買ったのは、高田梅飴260円だ。梅のエキスが入ったアメで、会津美里町で作られた地元の品だ。



 ここで終わらないのが会津鉄道だ。10月に乗車した時には、2回とも別の人が地元の特産物を販売していた。

 金曜日は、地元の高校生が職業体験として2人乗務していた。1校だけではなく、複数の高校から受け入れているそうだ。昨年も10月に乗った時には高校生が車内販売していたが、恒例になっているそうだ。

 この高校生から買ったのは、「カレー焼きそば豆」360円だ。カレーの味付けをした豆と、焼きそばの味付けをした豆の2種類が混ざっていて、美味しかった。


 日曜日は、会津若松市役所の若手職員が、車内販売を行うために列車に乗ってきた。

 写真のようにザルに地元の名産品を載せて、乗客ひとりひとりに声をかけていく。市役所の職員がこういう仕事に慣れているわけもなく、ややぎこちなかったが、一生懸命さは十分伝わってきて、私のようなマニアでなくても、手に取って買う人が目立った。

 私は「ごま味噌せん」という煎餅を購入した。私は味噌ラーメンは嫌いだが、この550円のせんべいは、美味しく感じた。

 販売品は、会津らしさも表れていて、手ごろな値段の品物が多く、販売物の選択は適切だったと思う。熊本のくまがわ鉄道では、地元の品物を販売した時に、通販のカタログも渡して、持ち帰って美味しかったら通販でご注文くださいという形にしていた。まあ、市役所と言う立場上、通販の手助けまではしにくいとは思うけど。


 この「AIZUマウントエクスプレス」には、会津鉄道の関係者が、数多く乗務していた。運転士以外には・・・

(1)無人駅で乗降する乗客に切符を売る男性の「車掌」

(2)主に車内販売をする女性の「車掌」

(3)観光パンフを配布するなど、PR活動をする「会津鉄道の職員」2人

 要するに、金曜の「高校生」、日曜の「市役所職員」、そして運転士も含めると7人も乗っていたことになる。

 このため、途中駅から車イスの障がい者の方が乗ってきたが、乗車の補助など十分に対応できた。車両も車イス用スペースがあるなど対応はできる構造だが、ソフト面でも、この日は万全だった。



 会津鉄道の職員の方が、列車内の乗客に観光パンフレットを配布していた。東京方面から鬼怒川温泉までは多くの客が来るのだから、もう少し足を伸ばして欲しいと観光PRをするのである。この観光PRをする職員の方に、私は顔を覚えられていた。

 金曜日に、「鬼怒川温泉から東武日光」に乗って、すぐ折り返しで「東武日光から鬼怒川温泉経由で芦ノ牧温泉」まで乗車した。短区間の利用が大半の列車で、往復、それも長い時間乗ったら目立つはずだ。

 更に、観光地には似合わないスーツにネクタイ姿だ。3年前までは1年365日のうち360日くらいはネクタイをする生活だったから、旅行に出かける時もネクタイをしないと落ち着かないのだ。これは目立つ服装だ。

 こんなわけで、日曜日に再度乗車した時は、「昨日も乗車されてましたね。ありがとうございます」と言われた。私は「覚えていただき恐縮です。一昨日、観光パンフいただきました」と答えて辞退した。

 他のハイキングの客にも、「朝の電車にご乗車でしたね。いかがでしたか」と声をかけて、会話が弾むきっかけを作っていた。


 会津鉄道は何と温かいのだろう。くま川鉄道や秋田内陸縦貫鉄道や青い森鉄道でも、温かいサービスで感激したが、会津鉄道もトップクラスに温かいと感じたのだった。


【参考】昨年乗車した際の記事もあります。こちら↓をご覧ください。

http://ameblo.jp/syanaihanbai/entry-11653968785.html