18さい 2 | 炊飯器

炊飯器

炊飯器はお家で、お米はお友達で、しゃもじはしゃもじ。

あるところに、大嘘つきなアリスがいました
でもアリスは嘘が大嫌いなので、嘘をついてることを隠しました

全ての嘘が本当になるのか
全ての嘘が嘘だとバレるのか
時間の問題でした

なのでアリスはとある世界を作ります

その世界の住人に、アリスはひとつずつ本当を嘘、あるいは嘘を本当にして、いやもしかしたらただの嘘かもしれない、はたまた本当かもしれない
そんな出来事を被せていきました

全てはアリスの作った世界で行われた出来事
現実じゃないわ
私の知っている現実じゃないわ

どうして私はこれを知っているの?
??
どうして私はこれを知らないの?
???
私は嘘つきなの?
(そんなはずがない)

これを書く私にとってアリスは嘘つきである
前はアリスを嘘つきとしかかけなかったが
今は他にもアリスを表現する言葉を知った

アリスは正直者である

私とアリスは古い友人であるが
アリスは私のことを知らない

私は言った
アリス、君は正直者だ。
嘘つきではない。
でもアリス、君は嘘をついている
誰にだかわかるかい?

アリスは言った
ええ、解るわよ
私は私に嘘をついている
あなたの存在が嘘ね
でもあなたはこうしてここにいるわ
だからその嘘はもうとっくに本当に変わってるのよ

嘘が先か本当が先か
最後に嘘つきになるか
最後は正直者になるか
それはアリスの目が決めることである

三月程前、私はアリスが怒りで泣くのを初めてみた
アリスが自分作った世界に押し付けた記憶
これは本当のことなのだ
しかしアリスは自分ではなくその世界の住民におきたことであると自分に嘘をつく
その嘘は嘘であるとわかっていてもそれを受け入れることができない
何故なら

アリスの母親は臆病であった
自分にも他人にも嘘をつきまくった
だからアリスは嘘が嫌いである

アリスの母親は臆病であった
自らついた嘘を誰かにおしつけた
だからアリスは自分の世界を作った

アリスは母親が嫌いだった
嘘が嫌いだった

母親は言った
「アリス、あなたは自分に嘘をつきながらしか生きていけないのね。
自分でわかっていてもそれをやめることはもうできないのね。
かわいそうな子。」

アリスは怒りで泣くのを抑えられなかった

アリスはその時
何よりも嘘が大嫌いになった

でも
本当は嘘が大好きになった

帽子屋はいつものように紅茶を楽しく飲んでいた
それを母親の近くで見る私に、母親は言った
「アリスも私の子供
帽子屋も私の子供。
二人で愛情を比べるなんてできるわけがないわ」
私に包丁を突き付けながら

死にたくないと嘘をついた
死にたいと嘘をついた

母親のことが好きだと嘘をついた
母親のことが嫌いだと嘘をついた

わけがわからないわ

そう一言つぶやくと自分で作った世界をみた
空いてる子が何人かいた
一人に
あなたは死にたいのよ
と嘘をつかせた
一人に
あなたは死にたくないのよ
と嘘をつかせた

一人に
あなたは母親のことが大嫌いなのよ
と嘘をつかせた
一人に
あなたは母親のことが大好きなのよ
と嘘を付かせた

ちょっと考えてから
アリスは思った
私は死にたくないわ

私は母親が大好きだわ

そういう風にしか
アリスはもう生きられないのである


アリスに私は見えてない
でも私の存在はしっている
私を否定しながらも私を必要としている

私は思った
私は死にたい
私は母親が大嫌い

ん?
でもアリスは私を必要としているではないか
しんじゃダメね

私は思った
私は生きたい
私は母親が大嫌い
アリスが大嫌い