ねこがれ~咲子とサクラ~


第7にゃん



「咲子どのには話してもいいようじゃな。その前にわしの本当の姿を見せよう。


黒猫のリナが大きくなったかと思うと、それはマントらしきものに変わった。翻したマントから出てきた人物は、見た目20歳前後の長い黒髪に金と蒼のオッドアイ、マントが黒を基調とした紅いラインの入った浴衣のような服になり、凛とした女性が立っていた。


「リ・・・ナ?」


「そう。理那よ。」


「な・・なんかしゃべり方まで変わってない?」


「そうね。猫状態の時は歴々と受け継いだ知識と記憶が働くから、年寄りじみたしゃべり方が多くなるの。でも今は理那よ。13代目の、ね。ちなみに実年齢19歳よ。」


「じゅ、13代目?じゅ、19歳ぃ?」


咲子は驚いた。咲子の考えていたリナと言う存在は数百年前から永遠に生き続けてる神さまとか精霊の類だと思っていたからであった。


「うーん、簡単に言うと猫状態の時は13代のリナの記憶集合体。人間状態の理那は純然たる理那個人、ってところかな。寿命は人間と同じ。だけど記憶や経験は引き継がれてリナは生きていくのよ。それで私の説明はオッケーかな?」


「あ、う・うん・・・。」


幸いにも理那はサバサバした性格のようで咲子は嫌いじゃないタイプだった。


「それでネコーディネーターの話しよね?私を含め“リナ”の目的が知りたい・・って事?」


「うん・・簡潔に言えばそういう事かも。」


理那は複数の記憶が無くとも、そうとうに頭の回転の速い子であることは咲子にも即座に理解出来るくらい、物の要点を捕らえている。


「咲子ちゃんが頭いい人って言うのは分かるし、理解の早い子って言うのも分かるから簡潔に話すね。一番最初に話した通りの仕事は“リナ”の本分。でもそれ以外にも違う目的もあるの」


「違う・・目的?」


「そ。簡単に言えばネコーディネーターにスカウトって所かな?」


「ス、スカウトぉぉ?」


咲子は突然の、また突拍子も無い話しに変な声が出てしまった。


「え?それは私が次の“リナ”にって事?」


「ううん。違うの。そうねぇ・・・“初代咲子”ってところかしらね?」


「はぁぁ?初代咲子?」


にっこり笑った理那からは悪意は全く感じられない。かといって冗談で言ってる訳でもなさそうだ。