今日11月25日はボクの誕生日です
前期高齢者の仲間入りを果たしました。
中学校で教えていたころ,
この日に必ず発行していた学級通信があります。
ボクと息子ケイとの思い出話。
良かったらお付き合いください
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● ケイちゃんのお友だち
家に帰ってからのボクの最大の〈お仕事〉?〈任務〉?は
息子ケイくんと遊ぶことです。
今,ケイくんはウルトラマンごっこに熱中。
テレビ番組を参考にして自分でストーリーを考えて
「怪獣」たちと「ウルトラマン」との戦いを繰り広げています。
だからボクは毎晩,XIGの隊員にされたり,「高山我夢」にされたりで,忙しいのです。
(テレビを見ていない人には全く分からないだろうなあ)
そのうえ,ケイくんの考えるストーリーは
ある程度テレビを下敷きにしているとはいえ,
話がどう展開するか全く予想がつきません。
怪獣役のくせにウルトラマン役のボクにやっつけられそうになると怒りだしたりするのでとても疲れます
しかも夕ご飯を食べた後は,ホッとしてしまうからかすごく眠たくなってくるのです。
ケイくんの相手をしながらコックリコックリ
始めてしまうことも珍しくありません。
つい先日も,遊びながらもう眠たくてしかたがなくなりました。
「ケイちゃんごめん。アッパ(韓国語で「おとうちゃん」)は
もう眠くて死にそうだから,お布団に行くね。
あとはオンマ(韓国語で「おかあちゃん」)に遊んでもらって」
ダウンを宣言すると,案の定ケイくん。
「だめアッパ~~。寝ちゃだめえ~」
と引き止めにかかりました。
そして,次にこんなことを言ったのです。
ボクはそれを聞いてちょっとジ~ンときてしまいました。
「アッパはケイちゃんのお友だちでしょう,
もっと遊んでよお~」
そうかあ~~
ケイくんにとって,ボクは「お友だち」だったのかあ
スゴ~イ大発見をした気分です
ボクは40歳。
4歳のケイくんとは10倍もの年齢の開きがあります。
それなのに「お友だち」に思ってもらえるなんて,
すご~く光栄じゃありませんか。
もう何だかムチャクチャ嬉しくて
眠気は吹き飛んでしまいました。
それから1時間,奥さんに「2人とも早く寝なさい」と
しかられるまで大暴れして遊んじゃいました。
こんなケイくんも
いつかは同年代の子どもと遊ぶ方がずっと楽しくなるでしょう。
中学生くらいになったら「うるせえなあ」「あっちいけよ」とかボクに向かって憎まれ口をたたくようになるのでしょうね。
ボクのことを
「お友だち」なんて考えることはなくなっていくでしょう。
ボクはいつまでケイくんに遊んでもらえるのかな--
遊び疲れ,お布団に入っているケイくんの寝顔を見つめながら,しみじみとしたアッパでした。
● 大学生になったケイ
そして今日でボクは56才。ケイは大学2年生。
ミュージカルサークルに入り裏方仕事に精を出しています。
かと思うと,何ヶ月もかけて書いた脚本が採用されたとかで,
来春の公演に向けて夜遅くまでがんばっています。
ボクとは相変わらず仲良し。
先日テレビを見ていたらケイが通っている大学のミスキャンパス候補たちが出演していたので,誰が好みか投票したら・・・
ケイと同じ結果でした。親子だなぁ
―― さて,この学級通信は今から9年前に書いたものです。
息子ケイは今年29才。
アメリカ・ニューヨークで就職しています。
2年目にして早くも転勤。
給料が2倍になったそうです
労働ビザが取れたのでますます安定した生活を営めそうです。
彼女の気配は感じるけれど,まだ紹介をしてくれません。
もし,将来孫ができたならば,ボクのことを何て読んでもらおうかな…なんてことを考えるようになったのも
「前期高齢者」の仲間入りを果たしたからでしょうか