今日も暑いです。焼けそうです。外を歩くと汗が噴き出る。
こんな時には,もっと汗をかいてスッキリ!
そこで銭湯の話題
8月17日(火)雨の中,JR山手線に乗って鶯谷(うぐいすだに)駅へ。
目指すは,「萩の湯」。
今日は「東京銭湯フェスティバル2020」「銭湯アートプロジェクト」
観覧開放最終日なのです。
こんな貼り紙を気にせず写真を撮りまくれるシアワセ❣
あいにくの雨とあって,来場者まばら。
女湯に入ったときはボクは一人。
でも,そのおかげで,若い担当者さんを15分くらい独占。
たくさんのお話を伺える幸運に恵まれました。
おかげで,今回のプロジェクトに関する疑問がすべて氷解!
さらに,「アールブリュット」に対する理解も少し深めることができました。
疑問1:今回のプロジェクトに参加した4軒の銭湯の決定過程。
何となく公募かと思っていたけれど違いました。
・浴場と作家は組合が選定。
最大の条件は「ペンキ絵が大きくかかっている」こと。
さらに「立地」と「特徴」も考慮されたそうです。
以下はボクの勝手な妄想--
パブリックビューイングが近い+外国人が多い=渋谷区(八幡湯)+漫画(ヤマザキマリさん)。
都心+伝統美=中央区(金春湯)+富士山とプロジェクションマッピング。
郊外+ファミリーが多い=武蔵野市(弁天湯)+子ども向け「見いつけた」。
下町+斬新性=台東区(萩の湯)+アールブリュット。
こんな感じで浴場と絵が選定されていったのかもしれません。
疑問2:なぜ期間が終わるとペンキ絵を戻してしまうのか。
著作権があるので期間限定にせざるを得ない。
それ以上公開するならば,有料観覧。だから期間終了で塗り直し。
今回に限ったことではない。萩の湯は企業から依頼を受けて,ペンキ絵を描いたことが何度もあるある。
映画(ゴジラ!),自動車,アイドル・・・。
萩の湯のペンキ絵は「変幻自在」のようです。
絵は飾れば次第に汚れていく。
企業にとっては商品イメージが落ちてしまう。
なおさら長期間の展示は無理とのこと。
ちなみに費用は,あちらの依頼で描くのであちら持ち。
描きなおし代も同様。
「うちのようなところが一軒で賄える金額じゃありませんよ」とのこと。
ビジネス話も,いちいち,なるほど~でした。
いやぁでもペンキ絵って,塗り替えられていくのがアタリマエ,保存されないのがアタリマエ,なんか複雑。
「芸術作品」ではなくて「商業作品」だからかぁ。
う~~ん,でもモッタイナイ。モッタイナイとしかいいようがありません。
・でも例外が今回の萩の湯の絵。
一番大きいペンキ絵は作家さんの自筆一点もの。
(男湯)
なぜ自筆一点物が飾られたか。
作家さんのペースで描かなくてはいけない。
高所に上って描いてもらうことも出来ない。
ふだんの制作場所で描いていただいた。
それを運んできて取り付けたのだそうです。
会期が終わったら,取り外して美術館に飾られる予定とのこと。
何となくホッとしました。
絵描きさんは興味の向くまま。
いつ書くか何を描くかわからない。
女湯の絵は完成まで4か月かかった。
男湯を描いた青木尊さん。富士山と人の顔を描くのが好き。
女湯を描いた星清美さん。動物の顔を描くのが好き。それも,パンダ,キリン,牛。
星さんは,ふだんクレヨンを使って描いている。
その絵を浴室に飾るために,ペンキ絵師の田中みずきさんが,特別に絵の具を配合して,それを使って描かれた作品だそうです。
さらにアールブリュットについて教えていただきました。
作家さんの個性は千差万別。
自分が気に入ったモチーフをずっと描き続ける人。
お気に入りが変わってしまう,何年か経つと,以前のモチーフは全く描かなくなる人。
誰かに背中をさすってもらっているときだけ描く人。
描くことすらやめてしまう,今はクッキーづくりばかりしている人。
誰かにほめてもらうために描く,ほめてもらえるから描く,というわけではない。
すべては,その人の今,今がそこに表れるだけ。
アールブリュットって,なんだかペンキ絵と似通っているところもあるのかな。
そんなことを感じつつ,萩の湯を後にしました。
あっ,銭湯話をあと少し。
(1)女湯に初訪問。露天風呂の空が広~~い。塩サウナがある~~。うらやまし~~い。
年に一回くらい入れ替え日をつくって欲しいところ。
(2)浴室の床がポカポカしている。今日は休業日なのに?たずねると,これは前日の余熱だそうです。ということは,銭湯の浴室って一年中ポカポカしているのか?新しい発見がありました。
外に出ようとしたら,雨がやんでいて,受付に人が並び始めていました。いやぁ,ラッキーなタイミングだったかも。
萩の湯さん,この先もちょくちょくおじゃまします。
「銭湯アートプロジェクト」の会期は9月5日(日)までです。
緊急事態宣言下とはいえ,
健康増進の銭湯通いは不要不急ではございません。
萩の湯,八幡湯,金春湯,弁天湯,
まだ行かれていない方は,ぜひ,足を運んでみてくださいね