明日6月3日は「ペリー来航の日」です。
嘉永6年6月3日(1853年7月8日)夕方,マシュー=ペリー率いる4隻の艦隊が東京湾浦賀沖に来航しました。いわゆる「ペリー来航」。
ここから1868年の明治政府発足までの15年間がいわゆる「幕末」(江戸幕府の末期)。激動のこの時期は,今年もNHK大河ドラマ『青天を衝け』に描かれています
「日本人ならば誰でも」ペリーの名前を聞いたことはあるだろうし,顔も頭に浮かぶ人が多いんじゃないでしょうか。
小中高の社会の時間でも必ず扱われます。
小学校では6年生,中学校では2年生,高校では日本史(1年生?)。日本人が知っている歴史上の外国人ベスト3に間違いなく当選するでしょう(あと二人はザビエルとヒトラー
)。
ところで「ペリー来航」について,ボクはこんな授業をすすめています。
よかったら皆さんも学生時代に戻った気分でお付き合いください
(まず黒板に)「1853年ペリー来航」と書きます。
[問題1]ペリーは何人でしょう。相談タイム1分。挙手や列順指名で答えてもらいます。
正解を先ほどの板書に付け足して,次の問題へ。以下,このくり返しです。
[問題2]ペリーの職業は何でしょう。
選択肢 ア.大統領
イ.国会議員
ウ.軍人
エ.貿易商
オ.冒険家
カ.その他。
[問題3]ペリーはどうやって日本に来たのでしょうか。
[問題4]ペリーは日本のどこに来たのでしょうか。
[問題5]ペリーはどこを通って日本に来たのでしょうか。
黒板に世界全図の略地図を書いて,アメリカ~日本を線で結んでもらいます。
[問題6]ペリーは日本に何をしに来たのでしょうか。
以上です。さて,あなたの考えはどうでしたか
実はこれだけで1時間かかることが普通です。
そして,こどもたちは問題が進めば進むほど,身を乗り出してくるし,
隣近所の人と相談する声が大きくなっていきます。
初めに黒板に書いた「1853年ペリー来航」という短文。
最終的には,こうなります。
「1853年,アメリカ人,東インド艦隊司令長官,ペリーが,黒船に乗って,大西洋~インド洋~琉球(沖縄)を通って,浦賀(東京湾),に,アメリカ大統領の手紙(親書)を届けに来航した」
これをみんなで音読して授業はオシマイ。
おもしろいもので,たいていのクラスで,子どもたちは皆さんしばし黒板を見つめてホケ~ッとしているんです。
なんだか「やりきったぁ~」みたいな充実感が教室に広がります。
授業っておもしろいものです。
内容が簡単ならば歓迎されるわけではありません。
たとえ難しくても,情報量が多くても,「考えるに値する」と子どもが思える内容ならば,しっかり食いついてくれます。
もちろん,すべての授業がこんな風に展開できるわけじゃありません。
でも,時々教室を満たす「やりきったぁ~」みたいな充実感,この瞬間の幸せをもとめてボクは授業を続けています