お友だち | ☆とっておき♪☆

お友だち

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私が彼を作ったの。


彼は喜んでいるかしら?



せっかく降った雪

ただ溶けてしまうだけの運命だから


私は彼を作ったの。



手袋を着けたままではうまく固まってくれないから。

手の温もりで少しだけ溶ける雪。

その溶けた所にまた新たな雪をつけて、どんどん、どんどん大きくなっていく。

彼が出来た時に初めて気づく事があった。


両手がうまく動かない。

指がうまく曲がらない。


でも、

そんな事はもう、どうでもよかった。


ただ、ただ。

あなたを作れた喜びを

ただ、ひしひしと感じていた。


嬉しかった。

生まれて初めて作った雪だるま。


出会った瞬間

恋に落ちたような感覚が走った。

…いや、違う。


これは、子を思うような気持ち。


我が子が生まれたという喜びだ。


愛が生まれたんだ。



































それから2日が経った。


私は今、後悔している。


彼を作ってしまった事を。


私は悲しくなった。


どうしてこんな事をしてしまったんだろう。




彼意外の雪達は、溶けて地面に吸い込まれて地下水になるのに。


彼は笑ったまま、まだあの場所にいる。


悲しげな表情で。

まるで泣きたくても泣けないピエロのように…。



ごめんね。

私があなたを作ってしまったばっかりに…あなたは仲間と共に地下水になれなくなってしまった。


あなたは怒って泣いているのだろう。



気まぐれにあなたを作ってしまった私。

その気まぐれの犠牲になってしまった貴方。


本当にごめんなさい。




いっそ、壊してしまおうと思ったけど…やっぱり出来ない。

あなたを壊すなんて…出来ないよ。



だから、もう少し…もう少し生きていて。





私がずっと見守るから。

あなたが消えても、ずっとあなたを覚えているからね。