東方命玉録

WELCOME TO MY NOVEL!!




どうも!

ここでは東方projectの二次小説を書いていきます♪


本編はこの下にあります


まずは注意事項をしっかり読むのよ!


・この作品は上海アリス幻樂団傑作の東方projectの二次創作です

・ストーリーやキャラ設定は原作と異なります

・キャラ崩壊等が無理な方は見ないことをおすすめします

・作品に関する文句は一切受け付けません

・荒しは絶対禁止です

・名無しコメントも荒しの対象です

・小説は月1のペースで更新します

・うー☆



以上が飲み込めた人のみ閲覧可です


当サイトはリンクフリーです

バナーはこちらを使ってください♪↓



$東方命玉録


それでは

ゆっくりしていってね!


トップ画、バナー作成者:ボルシチ様





~ここまでのあらすじ~

霧雨光(きりさめひかる)は、時の英雄シャドウと霧雨魔理沙の間に生まれた子である。

両親は光がまだ幼少期の時に命を落とす。

親を失った光は、両親の友人アリス・マーガトロイドによって育てられた。

17歳のある時、光は死者を蘇生させる「いのちの玉」という石を拾い、持ち帰った。

その時から、命蓮を蘇生させようと聖白蓮率いる命蓮寺の勢力とぶつかることとなる。

白蓮は光に石をかけて挑戦状を送り、光は受けて立つこととなった。

白蓮の攻撃の前に、光は致命的なダメージを負うが、運良く急所を外れ、

再び白蓮に攻撃を仕掛ける。

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東方命玉録


原作:東方project

原作者:上海アリス幻樂団 ZUN様

作者:SHADE

協力:ボルシチ様

スペシャルサンクス:ボルシチ様 最後まで読んでくれた読者の皆様

ED:悲しいときはいつも

主要人物


霧雨光 兵器を創造する程度の能力

アリス・マーガトロイド 主に魔法を扱う程度の能力

聖白蓮 魔法を使う程度の能力

寅丸星 財宝が集まる程度の能力

博麗霊夢 空を飛ぶ程度の能力

伊吹萃香 密と疎を操る程度の能力

村紗水蜜 水難事故を引き起こす程度の能力

ナズーリン 探し物を探し当てる程度の能力

雲居一輪 入道を使う程度の能力

豊聡耳神子 十人の話を同時に聞く事が出来る程度の能力

パチュリー・ノーレッジ 火水木金土日月を操る程度の能力

レミリア・スカーレット 運命を操る程度の能力




~あとがき~

どうも!

作者のSHADEです

東方命玉録、無事完結しました!
多少、ごり押ししたり、
適当に思いついたものを書いたりと、
少々ムリヤリな部分もありましたが、
完結することができました

1話から読んでくれた方、
もしくは、途中から読んでくれた方、
一度でも読んでくれた方、
ありがとうございました!


で、
この小説ですが、
このまま残しておこうと思います

誰かが見てくれることを信じて、
残しておこうと思います

そして、
私も11日のコミケに参加の予定ですので、
もしお会いすることができれば、
嬉しい限りです


最後になりましたが、
今までありがとうございました!



幻想郷魔法の森

ここに、一人の魔法使いの少女が暮らしていた。
少女の名はアリス・マーガトロイド。
人形を駆使する魔法を使い、人形を作る腕に関しては幻想郷で右に出る者はいなかった。

アリスには恋人がいた。
しかし、激しい戦いで命を落としてしまった。
その時こそ、人目を憚らず涙を流し、悲しみを露にしたが、今はいつも通りに過ごしている。
いつも通りではあるが、恋人のことを忘れた日は一日も無い。
今日も、仏壇に線香をあげ、合掌をしていた。
その時、玄関の扉をノックする音が聞こえた。
仏壇のロウソクの火を消し、黙って玄関に向かう。

アリス「どなた?」

「アリス!やったわ!やったわよ!」

扉を開けた瞬間、何かの喜びを露にしていた女性の姿があった。
彼女は、博麗霊夢。
博麗神社の巫女をしており、普段は人の来ない神社の縁側でお茶をすすり、最低限の家事をするくらいだった。
アリスとは昔から親友的存在ではあったが、霊夢からアリスに会いに行くことはまず無かった。

アリス「落ち着いて、何がやったの?」

霊夢「私、妊娠したのよ!」

アリスは何も言えなかった。
妊娠することに関してはめでたいことだが、時期が遅すぎる上に、金欲主義だったあの霊夢が本当に相手を見つけたのかという疑問の方が大きかった。

霊夢はこのことに関して、永琳に相談したところ、予行練習の名目で永琳自ら手を出したが、最初の一手で霊夢が反抗し、助手のうさぎが大怪我をしていた。
本当なら永琳も普通の人間では大怪我どころでは無いくらいの攻撃を受けたが、不老不死のおかげで何事も無かったようにいた。
しかし、これでは仮に相手がいたところで、その相手を殺しかねないと判断した永琳は、人工受精で行うことにした。
成功はしたものの、機器を一つ破壊され、大変だったという。

霊夢「とにかく、その時にはお祝いよろしくね!」

それだけ言って、どこかに飛び去っていった。
相変わらずの霊夢を見届けると、しばらく空を眺めていた。

アリス「光、今日もみんな元気でいるわよ・・・」


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幻想郷にも地獄が存在した。
基本的に、亡者を裁く場所であるが、普通の人間でも当たり前のように入れる。
あるときには、裁判所となり、罪人を裁くこともある。

今日は、命蓮寺の主である聖白蓮が、呼ばれていた。

「あんた、どうして四季様に呼ばれたんだい?」

白蓮の後ろから、三途の川の船頭、小野塚小町(おのづかこまち)は聞いた。

小町「私は、あんたをここに連れてきてくれと頼まれただけで詳しい事情はわからないんだ。」

一人喋っている小町を見向きもせず、白蓮はただ黙祷していた。

小町「いや、言わなくていいよ。話したらいけないことでしょ?」

その時、奥の部屋の扉が開く音が聴こえた。

小町「おっと、四季様が来られた。ま、地獄に落とされないようにね。」

そう言うと、大きな鎌を奮って自分の持ち場に戻っていった。
小町が出て行ってからすぐに、裁判長の少女が部屋に入ってきた。
幼い外見とは裏腹に、にじみ出る正義のようなオーラ。
四季映姫・ヤマザナドゥ(しきえいき・ヤマザナドゥ)は白蓮の向かいに座った。

映姫「これから裁判を始めます。聖白蓮。私があなたを呼んだのは、あなたの犯した罪を裁く為です。まず、その罪を口答でお願いします。」

黙祷していた白蓮の目と口がゆっくり開いた。

白蓮「私は・・・」


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命蓮寺。
幻想郷にあるお寺で、主の白蓮が徹底した人間と妖怪の平等性を教えたり、友好な関係を結ばせたりと種族を問わず、誰からも信仰されていた。
今日は、白蓮が地獄の閻魔に呼ばれていた為、右腕的存在である寅丸星が代役を勤めていた。
そこに、一人の訪問者が来た。
玄関を開けると、ヘッドフォンをした女性が立っていた。
彼女は豊聡耳神子。幻想郷に蘇った聖人である。

神子「こんにちは、聖はいないかな?」

星「あいにく外出中です。今日は遅くなるという話なので、私で良ければ用件を聞きます。」

星は昔、毘沙門天の代役を任されていた。
そこで鍛えられた力、コミュニケーション能力、あらゆる面において人一倍優れていた為、接客くらい朝飯前だった。

神子「うーん、話したら長くなるけど、それでも良いかな?」

星「構いません。どうぞ、御上がりください。」

速やかに居間へ誘導し、お茶を用意する。

神子「で、今日は『いのちの玉』の件でわかったことがあってね、それを教えに来たのよ。」

星「『いのちの玉』ですか?」

『いのちの玉』
それは、人が死人を蘇らせたいという強い気持ちがあると、死人を蘇生させるという代物だった。
しかし、これは光が銃で撃ち抜き、元に戻せないほどになっていた。

神子「実は・・・」


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命蓮寺墓地
幻想郷では最も規模の大きいものだった。
ここには、人間から妖怪まで数多くの遺体が眠っている。
アリスの恋人もここで静かに眠っていた。
今日は、墓の掃除をしに来ていた。

「こんにちはー!」

墓を拭いているアリスに、応援団長顔負けの声で挨拶をした少女がいた。
少女は幽谷 響子。
人間と妖怪を平等の立場にする白蓮にひかれ、誰にも頼まれずに命蓮寺を掃除しており、それが今では日課となっていた。

アリス「こんにちは。」

響子「声が小さい!」

アリス「あんたがやかましいだけよ。」

響子「むー!私の取り柄である声に文句をつけるとは!」

普通に喋っているつもりなのだろうが、耳栓をしても普通に聞こえるような声だった。
大人しいアリスにとっては騒音に等しかった。

アリス「文句は無いわよ。ただ人と会話をするときくらいはボリューム下げてよね。」

響子「う~・・・そこまで言うなら少しは自重するよ。」

アリス「で、何か用でも?」

響子「いや、たまたま通りかかっただけでね。でも、せっかくだからお参りしていくよ。」

そう言って墓の前に座り合掌した。

響子「これで少しでも喜んでくれるかな?」

アリス「彼らがあんたのことをどう思ってるかによるわね。」

響子「悪く思われてたら怖いなぁ。」

アリス「無駄に大きな声を自重したら、そうは思われてないんじゃない?」

響子「むー!また私の取り柄をー!」


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白蓮「・・・以上です。」

自分のやったことを全て話し、再び黙祷した。

映姫「わかりました。あなたの言っていることに間違いはありません。では、その罪をどうやって償うつもりですか?」

人を殺し、自分は死を選ぶことを拒んだ。
死刑か、はたまた魔法使いとしての能力と記憶を消すか、再び封印するか・・・
映姫はこの3択のいずれかであると予想した。
白蓮の口はすぐに動いた。

白蓮「私は人殺しです。人殺しをした者は死をもって償う。これが一般的な考えですが、私はそう思いません。」

映姫「それで、何故そう思うのですか?」

白蓮「私が死ぬことで、光君が喜ぶはずが無いからです。」

映姫「なるほど。では、どうするつもりですか?」

しばらく沈黙が続いた。
そして、白蓮の目が再び開いて少し間隔をおいて口を開いた。

白蓮「私は天竺に行きます。」

映姫は予想外の答えに動揺した。
天竺に行くこと自体、おかしなことだが、今の向こうの世界は世界大戦で廃墟となっている。

映姫「何故・・・」

白蓮「私はここに来る前、天竺と同じようなところで、命蓮と修行していました。私は、また一から人間として修行し、人間と同じように死期を迎えることにします。」

映姫「それがどうして罪を償うのですか?」

白蓮「光君に最後に教えてもらいました。死を受け入れないことが、いかに愚かなことであるかが。人間として最後を迎えることで、光君と同じ道を進む。これで罪を償おうと思っています。」

映姫「だから、あなたはあえて死地に行くことを・・・」

映姫は悩んだ。
白蓮の考えは悪くは無いと思った。
しかし、今の向こうの世界は死の世界。
自殺行為であり、自殺もこの地獄では重い罪である。
いつもならすでに白黒つけているが、今回はなかなか決まらなかった。
ここまで悩んだのは初めてだった。

白蓮「私としては、この方法以外に罪を償うことはできないと思っています。」

映姫「・・・わかりました。あなたの考えを認めましょう。ただし、少しでも間違った道を進んだ時は、覚悟してください。」

白蓮「ありがとうございます。その時がきたら、またよろしくお願いします。」

映姫「今日は終わりましょう。小町を呼んでくるので、今しばらくお待ちを。」

そう言って席を外していった。
白蓮は再び、瞑想に入った。


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いのちの玉は幻想郷が隔離される以前から存在しており、あくまで自称だが、神子もこれを持っていたこともあると言うが、白蓮が知らなかったことも知っていたので、本当に持っていたとしてもおかしくなかった。

神子「実はあの『いのちの玉』は、すでに使用済みで、ただの石ころ当然の価値でしか無かったのよ。」

星「え?」

一瞬だが、冗談のように聞こえた。
しかし、神子の顔は嘘をついているような顔では無かった。

神子「ちょっと調べてみたんだけどね、確かに本当に使いたいという人にしか扱えないよう結界は張られていた。でも、一番重要な能力だけは一度きりで、結界は半永久的に作動しているみたいよ。」

星「ではそれを証明できますか?」

普通ならそうなる。
ただ調べたことを口答のみでは本当かどうかがわからず、証拠が必要である。

神子「証拠としては不充分かもしれないけど、一応欠片は持ってきたよ。」

そう言って、石の欠片を取り出し、星に渡した。

神子「まずは石を刃物か何かで突き刺そうとしてみて。」

星は近くにあった果物ナイフで、石を刺そうとした。
その時、
石から何かしらの力がかかり、星の手を弾いた。

星「これは・・・!」

神子「『いのちの玉』は、使いたい人以外には受け入れないよう、自己防衛の機能がある。これは説明した通りです。しかし、人を蘇生させる能力があるうちは、本当にどんな攻撃も受けることは無い。つまり、光君が銃で壊すことも不可能だったのよ。」

この度は、光が銃で撃ち抜き粉砕した。
だから、人を蘇生させる能力は失われていたことを意味していた。

星「では、私達の努力や、光さんの死は・・・」

神子「口は悪いけど、無駄骨だったみたいね・・・」

星は頭を抱えた。
自分が大きな過ちを犯してしまったことを後悔した。
長く生きてきたが、今までこんな思いをしたことは無かった。

神子「後悔するのも無理は無いと思うよ。でも私にも責任はある。このことをもっと早く言っておけば、調べておけば・・・」

星「いえ、私達の調べようが足りなかったのです。もっと勉強していれば、光さんが死ぬこともありませんでした・・・」

このことを白蓮にはどう言えばいいのか。
星の頭は、後悔と悔しさ、自分の未熟さのことで埋まってしまった。

星「私は・・・情けない・・・」

神子「星・・・」

星「私は、聖に仕え、聖の為ならどんなに苦しいことでもすることにしてました。ですが、それが裏目に出て、光さんのことを考え無かった。私は未熟で情けない者です・・・」

神子「そんなこと無いよ!」

星「いえ!・・・私も、聖と共に裁きを受けなければいけないはずです。人を殺していなくても、私のとった行動は聖に人殺しの道を誘導させたようなものです。」

神子はこれ以上言い返せなかった。
しかし、星もそこまで罪が重いわけでも無いので、なんとかしなければ、命蓮寺を守る者はいなくなる。
神子はなんとかして、星を落ち着かせる方法を模索した。

神子「そこまでだったら、まず光の恋人のとこに謝りに行くのはどうかな?少しは気が楽になるかもよ。」

それもそれでやらなけばいけないことであるとは思った。
しかし、それで少しでも罪が償えるとは思わなかった。

神子「仮に罪を償えなくとも、今行けば光もきっと許してくれると、私は思うよ。・・・それじゃ、ご馳走さま。」

そう言って神子は部屋を後にした。
星は考えた。
今、自分にできることは、神子が言ったことだけ。
罪を償えなくても、行かないよりはマシだろう。
星は静かに立ち上がり、最低限の物のみ持って、部屋を出た。


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魔法の森は日没前でも、漆黒の闇で覆われる。
その為、ここに住む夜行性の妖怪、魔法使いを除けば外に出て活動する者はいない。
アリスも例外では無い。
異変が起きた時は、相方と共に夜出て妖怪退治をしつつ先に進んでいたが、基本的に人形に夕飯を作らせながら魔導書を読んだり、人形を作ったりの毎日である。
この日も、墓の掃除を終え、魔導書を読んでいた。
そこに、外から玄関をノックする音が聞こえた。
この時間帯に訪れる客はそういない。
ゆっくりとテーブルを離れ、玄関に向かう。

アリス「どなた?」

星「夜遅くに失礼します。アリスさん。」

そこには、白蓮の右腕、星が宝灯を片手に立っていた。

星「今日私がここに来たのは他でもありません。貴女に謝罪する為です。」

いきなりの訪問に少々反応に困ったアリスだが、今は聞くしかない。

星「申し訳ありませんでした。私の未熟さ、勉強不足により、光さんをその手にかけてしまい・・・本当に申し訳ありませんでした・・・」

冷たい地面に膝を付け、土下座をして謝った。

星「私のことは煮るなり焼くなりお好きにどうぞ・・・貴女の気が済むまで・・・」

アリス「・・・もういいよ。」

星「え?」

死を覚悟していた星だが、想定外の反応に少々怖気づいた。

アリス「今あんたがどうしようと、光はもうここにはいない。本当なら、あんたたちを八つ裂きにしたいところだけど、光は今、私の中で生きている。私も、光の中で生きている。光の目の前で、あんたたちを殺したら、それこそ地獄送りになっちゃうからね。」

星「アリスさん・・・」

アリス「自分がやったことを悔いても、過去には戻れないわ。今を楽しく生きていければ、それでいいと思うよ。」

星は言い返す言葉が何も無かった。
そして、自分の未熟なところがまだたくさんあったことに気づいた。

アリス「ま、せっかくここまで来たんだから、光に挨拶ぐらいはしていってよね。」

そう言って、星を仏壇まで案内する。
仏壇にはアリスの恋人、光の遺影が飾られてあった。

星「光さん・・・私たちは貴男に迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。これは少ないですがどうぞお召あがりください。」

そう言って、あらかじめ持ってきておいたお菓子をお供えし、線香をあげた。

アリス「星、それだけでも光はきっと許してくれると思うわ。定期的に訪れたら絶対に喜ぶはずよ。」

星「アリスさん。私も、これから光さんの中で生きていっても良いですよね・・・?」

アリス「・・・あんたがこれからどう生きていくかにもよるわね。」

星「私は・・・」

そこに、もう1人の訪問者が突然やってきた。

ナズーリン「ご主人!ここにいたのか!」

星「ナズーリン、どうして?」

ナズーリン「実は・・・」

星の耳元でひそひそと用件か何かを伝えた。

星「アリスさん、私は、命蓮寺の主として、善良な道を歩み、人のために、光さんの中で生きていくことを誓います。もし、私が誤った道を進んだときは、処分をお願いします。夜遅く失礼しました。」

そう言って、ナズーリンと共に森の奥へと消えていった。
今の様子からすると、白蓮が命蓮寺を星に譲り渡したと見えた。
この先どうなるかは、予想もつかないが、悪い方向には行かないであろうと思った。
玄関を閉め、アリスは再び仏壇の前に腰掛けた。

アリス「光、これからも私たちのことを、ずっと見守っててね・・・」

そう言って、夕飯の支度に取り掛かる。
仏壇に飾られた遺影はアリスの後ろ姿を見たまま、ずっと黙ったままだった。




東方命玉録 完
アリス達は光を永遠亭に運び、永琳に緊急手術を要請した。
幸い、永琳も助手の兎も時間が空いていた為、すぐに手術に取りかかることができた。
手術室の扉の前で、アリスは祈るように両手を絡め、目を閉じていた。

アリス「光が助かりますように・・・光が助かりますように・・・」

この願いはきっと届く。
そう信じていた。
いや、信じようとしていた。

しばらくして、永琳が手術室から出た。
白衣は赤いエプロンとなっており、光の出血の量を表していた。

アリス「光は!?」

永琳「意識不明。脈拍も落ちててかなり危険な状態よ。」

助かる見込みはほとんど無い状態だった。
だが、ここで終わることは光にとっても、アリスにとってもできるわけが無かった。

アリス「永琳お願い!光を絶対に助けて!その為なら何でもする!」

光の為なら、自分の全てをかける。
そう誓ったのは、光に永遠亭に連れてきてもらった時だった。
ここで少しでも役に立てないと、一生後悔する。
そんな気がした。

永琳「あなたの血を輸血したいところだけど、血液型が一致してない。」

不幸なことに、今いる中で光と血液型が一致する者はいなかった。

永琳「薬を作ろうにも材料が無いし・・・」

月の頭脳を持っていても、材料が無ければどうにもならなかった。

アリス「じゃあ私が材料を集めるわ!何が必要なの?」

永琳「幻想郷には無い月の物よ。今から注文しても1ヶ月はかかるわ。」

薬も無し、輸血も不能。
ただ死を待てと言っているようなものだった。
どうすれば良いのか、アリスにはわからなかった。

永琳「1つ手があるわ。ほんの少しだけ、命を長らえることができる薬があるわ。でも・・・」

アリス「でも・・・何なのよ。」

永琳「服用すれば、心臓の鼓動を急加速させるから、血管が破裂する危険があるの。」

血が足りない状態で血管の破裂は確実な死を意味する。
選びたくは無い手段だった。

永琳「どうするかは、アリス。あなたが決めるのよ。」

重すぎた。
普通の人間、普通の魔法使いが、人の生死を決める決断をするのはあまりにも荷が重すぎた。
口を開こうとするも、頭の中でその決断が本当に正しいかを問う形になり、先に進まなかった。
沈黙が続き、時間だけが過ぎてゆく。

「光君を助けることだけを考えるのよ。」

沈黙の中、水を差すようにアリス達の後ろから声が聴こえた。

アリス「白蓮・・・」

白蓮「ごめんなさい。本当は光君に一番に謝らなければならないけど。」

左腕をかばいながら、白蓮はアリス達の輪の中に入る。

白蓮「なんとしても光君を助ける。それだけを考えたら、決断はできるはずよ。」

忘れていた。
死ぬ確率が高いと聞いて、混乱していた。
そう思い、説明を聞く前の自分をアリスは思い出した。

アリス「永琳、その薬を使って。光なら大丈夫なはずよ。」

永琳「わかったわ。こっちも最善を尽くす。」

そう言って、永琳は再び手術室に戻った。
アリスは再び、祈るように両手を絡めた。


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手術室は血の海と化していた。
白衣は、白より赤の割合の方が多いほどで、汗を拭くこともできなかった。
それでも、永琳は手を休めない。
人間には無い集中力と能力があるからこそであった。
手慣れた手付きで針に糸を通し、傷口を縫合する。

永琳「最後に、この薬を流し込む・・・!」

頼まれた薬を光の静脈に注射した。
あとは意識が戻るのを待つだけ。
心拍数と脈拍を表示されたサイトを見つめた。
しばらくすると、心拍数と脈拍が上がりはじめた。

永琳「きた!流石光君よ!」

意識が戻ることを確信し光を一時、血の海となった手術室から集中治療室に移動させた。
次はこのことをアリス達に伝える。
血だらけの白衣を脱ぎ捨て、永琳はアリス達のもとに向かった。


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手術室前。
アリス達の中に、光に重傷を負わせた白蓮が加わってからは重苦しい空気が漂っていた。
愛する人を酷い目に合わせた張本人。光を助ける意思があるとはいえ、どんな顔を見せれば良いのか。
そう思いながらアリスは白蓮を二度見する。

白蓮「私がいたら邪魔かしら・・・?」

アリスが顔を背けた瞬間、白蓮の口が開いた。

白蓮「そう思うのが普通よ。光君をあんな目に合わせてしまったのだから。だから、少しでも力になりたいと思ってここにいる。アリス、私のことが許せないなら、おとなしく出て行くわ。ここにいても良いか悪いか、それだけ聞きたい。」

アリスは考えた。
本心は、今すぐでも白蓮を八つ裂きにしたい。
大怪我じゃ生ぬるいと思っていた。
でも、それで光が喜んでくれるとも思わなかった。

悩んでいると、手術室の扉が開き、永琳がさっきとは違う表情で出てきた。

アリス「永琳!光は!?」

永琳「もうじき意識が戻るわ。部屋へ案内するわ。」

助かったと聞いて、アリスは心の中でガッツポーズをした。
永琳の後を追おうとしたが、一度白蓮の方を向いた。

アリス「光に復讐されても、知らないわよ!」

そう言うとすぐに永琳を追った。
白蓮も続いて2人の後を追った。


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光(何も見えない・・・目の前が真っ黒になって・・・見えない・・・俺は、地獄に落ちたのか・・・?)

目を開けようにもなかなか開かない。
意識はあるが、目が見えず耳も聴こえない。
テレパシーで会話するような地獄にでも落ちたような感じだった。
すると、頭の中がだんだん暑くなる感じがしてきた。

光(・・・この感じは?)

なんとなくだが力が湧いてくるようだった。
ゆっくりと目を開けるが、少しずつしか開かない。
見えないことは無いものの、ぼやけていて目線の先は何があるのかわからない。

光(くそっ・・・俺の目はまだ生きているはずだ・・・)

目のぼやけが解消され、見える範囲は狭いが何かあることを確認した。

光(木の板・・・天井?)

天井が見えるということは、自分が生きていることを証明していた。
視界はだんだん広くなり、天井についている蛍光灯も確認した。

光(アリス姐・・・・・アリス姐はどこに・・・・・)

生きているのならば、愛する人に会わねばらならない。
絶対に生きて帰ると約束したのだから、守らなければならない。
すると、誰かの足音が耳に入ってきた。
ドアの開く音がし、自分の名前を呼ぶ人がいる気がした。

「光!」

聞き慣れた声の人は、自分の名前を呼んでいる。
声が出るかどうかはわからなかったが、愛する人の名前を呼んだ。

光「ア・・・アリス・・・・姐・・・」

自分の耳で聞き取れた。
この声が愛する人に届いていると信じた。

アリス「光!?今、喋った?・・・もし喋れたら、もう一度私の名前を呼んで!」

耳のすぐ側で、アリスの声が聴こえた。
今度は目を開けると同時に口を動かした。

光「アリス姐・・・」

目は開いた。
声も出せた。
これならわかってくれると確信した。

アリス「光!わかるのね!」

アリスは光に顔を近づけ、意識があることを確信した。
光も、アリスの顔がはっきりと見えるようになり、声も聴こえた。

光「アリス姐・・・生きて帰ってきたぜ・・・」

アリス「うん!よく頑張ったわ!」

光「だから言ったろ・・・約束は守るってな・・・」

白蓮「光君・・・」

2人に水を差すように、白蓮が輪の中に入った。

白蓮「ごめんなさい、こんな目に合わせてしまって。」

光「なに・・・のった俺も俺だ・・・謝ることは無い・・・」

白蓮「いえ、あなたは止めをさせる立場にも関わらず、あえて外した。私には情けが無かった。私は罪人よ。殺すなりなんだり好きにして。」

光「ならば・・・一つだけ頼みがある・・・いのちの玉を・・・貸してくれ・・・」

白蓮は『いのちの玉』を渡した。
光は、力の限りで手を動かし、もう1つの『いのちの玉を』取り出し、2つを結合させた。
結合した石からは、「蘇生」の文字が浮かび上がり、あやしげな光りを放っていた。
光はそれを真上に投げた。
そして、もう片方の手に持っていたハンドガンで、石を撃ち抜いた。
石は粉々に砕け、破片を全て集めたとしても、元に戻すのは不可能な状態だった。

アリス「光!なんで!?」

光「これで・・・誰も石を使うことはできない・・・俺は・・・この石で蘇させられたく無かった・・・俺の頼みは・・・俺が死んでも・・・蘇らせないで欲しい・・・これだけだ・・・」

これは、光が死を受け入れることを意味していた。
死を受け入れなかった白蓮は、自分の愚かさに気づいた。

白蓮「私は・・・私は馬鹿だったわ・・・光君の今の言葉を聞くまでわからなかった。光君、ありがとう。そして、本当にごめんなさい。」

そう言うと、顔を下に向けて部屋を後にした。

アリス「なんなのかしら、意味がわからない。」

光「気にしたら駄目だ・・・白蓮は・・・大事なことに気づくことができたんだ・・・ちゃんとわかってる・・・」

光の言葉に、アリスは気を取り直す。

光「アリス姐・・・一つ、お願いがあるのだが・・・良いか・・・?」

アリス「私のできる範囲なら、なんでも良いわよ。」

光「もう一度・・・俺を・・・・抱きしめてくれないか・・・もし俺が死んでも・・・アリス姐の心の中に・・・入れるように・・・」

信じたく無かった。
ここまできて、愛する人が死んでいくのをそれだけで見届けるのは、あまりに辛いものだった。
でも、光の為なら何でもする。そう決めたからには、お願いを聞く義務があった。

アリスはゆっくり光の頭の後ろに手を伸ばし、覆いかぶさるように優しく光を抱いた。

アリス「大好きよ。光。」

光「俺もだよ・・・愛してくれる人がいて・・・こう抱いてくれる人がいるんんだ・・・幸せ者だ・・・」

アリス「私も、とっても幸せよ。」

光「幸せ者同士が・・・こうして抱き合えることができるだけで・・・俺は・・・満足だ・・・とても・・・とて・・・・・も・・・・・満足だ・・・・・」

その言葉を最後に、2人きりの部屋を電子機器の甲高い音が鳴り響いた。