日本における物流の最大手であり、戦時中は国営企業として戦時物資の供給のために機能し、その後民営化された日本通運株式会社。その会社で代表取締役社長を務めるのが齋藤充さんです。1954年9月22日生まれ、今年で66歳となる齋藤充さんは山口県の出身です。慶應義塾大学経済学部を卒業した齋藤充さんは、日本通運に入社します。入社の理由は、物流という分野は今後もなくならないこと、インフラとして欠かせないもので、一生懸命取り組むイメージがあったそうです。


財務中心の仕事に従事した他、10年以上海外勤務を経験し、90年代にはアメリカで労働争議に巻き込まれます。この時に気づいたのはコミュニケーションを行うことの大切さ。仕事をただただこなすようにしていては、不満がたまって労働争議の餌食にされてしまいます。お客様ファーストで取り組むことが大切であり、それを伝える機会を設けることを心がけ、それが今にもつながっているのだとか。その後、2011年東日本大震災で、物流がズタズタになった時には、日本通運が指定公共機関だったため、グループ全体がそれを支える動きを見せたことに感動を覚えます。社長になってからは、業務改革などを行い、コストを最大限落としていく作業に入ります。日本通運は陸路だけでなく、船や飛行機も積極的に使いますが、これをどのように最大限活用していくのか、これが当面の課題のようです。


心情は外柔内剛で、基本的な部分はしっかりと持ちながらも、コミュニケーションは密にしなければならないという思いがあります。これもアメリカの労働争議を目の当たりにしたことが大きく関係しています。運賃の改定や日本通運が世界で勝っていくためにすべきことなど、齋藤充さんのやるべきことはまだまだ多いようです。


齋藤充さんの年収ですが、2018年3月期の取締役1人あたりの役員報酬は、およそ4200万円ほどです。社長である齋藤充さん、これよりも多くもらっており、6000万円以上の可能性が考えられます。13800株を所有する齋藤充さん、時価総額は、7000万円ほど、1株あたりの配当が155円なので、だいたい200万円ほどの配当がもらえます。配当での収入より、断然役員報酬の方が多く、このあたりは段々とたたき上げで偉くなっていたことも関係していそうです。日本の最大手の物流を世界の最大手にできるかどうか、そこが今後の課題であり、期待すべき部分でしょう。