大阪に本社があり、公務員試験の対策などを行う予備校としても知られる株式会社東京アカデミー。代表取締役社長を務めるのが佐川泰宏さんです。1947年生まれ、73歳を迎える佐川泰宏さんは大阪府の出身です。東京アカデミーが創業されたのは1967年の事で、当時佐川さんはまだ20歳、佐川さんの父親が起業しました。現在では当たり前のように使われている脱サラや資格試験のブームが訪れ、その時流に乗った形です。合格者を多く出すことで地域貢献したい、その思いから東京アカデミーを立ち上げます。ブームに乗ったものの、着実に1つずつ講座を運営していく父親の姿を、佐川さんは強く印象的に覚えています。


関西学院大学を卒業した佐川さんは父親を支えるべく、東京アカデミーに入社します。東京アカデミーは生の講義をメインにしており、最近主流になりつつあるWebやDVDなどは用いず、その中で効率よく対策できるようにしています。受講料は必ず還元する、親切にする、合格者をたくさん出して地域社会に貢献する、これが父親の理念であり、1987年に代表取締役社長を務めるようになってからもその教えを守ってきました。自らが社長になってからも様々な対策講座を打ち出し、気付けば全国各地に東京アカデミーの校舎が点在するようになります。


佐川さんはもう1つ社長を務めています。それが番組制作会社であるテレコムスタッフです。NHKの番組を数多く手掛けるだけでなく、世界の車窓からなど、誰もが知る有名番組を生み出してきました。しかし、バブル崩壊後に経営危機を迎え、世界の車窓からなど番組を継続させるため、別の会社を立ち上げることになります。その時に手を上げたのが東京アカデミーであり、佐川さんは立ち上げ当初から携わっている状況です。すべては社会貢献、還元のため、そのマインドは確実に伝わっています。


気になるのは佐川さんの年収ですが、株式会社東京アカデミーは非上場のため、役員報酬の細かな数字は明らかになっていません。しかし、資本金だけで1億円を大きく上回る大企業であることは間違いなく、その報酬は数千万単位であってもなんら不思議ではないです。またテレコムスタッフの社長も務めており、それをセットにすれば相当な年収になることも確かです。公務員などを目指す人は今後、東京アカデミーにお世話になるかもしれず、1つ1つ着実に積み重ねてきた実績に注目しましょう。