ヒルズ族の言葉が飛び交い、青年実業家の憧れとして六本木にそびえ立つ六本木ヒルズ。他にもラフォーレ原宿、表参道ヒルズなどを手掛けるのが森ビル株式会社です。その森ビル株式会社で代表取締役を務めるのが辻慎吾さんです。1960年9月9日生まれ、59歳の辻慎吾さんは広島県広島市の出身です。大学時代はバックパッカーとしてヨーロッパに2か月滞在した他、飛行機のトラブルで大学院の卒業式に出られなかった経験を持つ辻さん。横浜国立大学大学院を修了すると、1985年に森ビルに入社します。この当時はアークヒルズが開業する直前で、森ビルが大規模再開発を行い始める時期でもありました。


大学院では都市計画を専攻していたこともあり、こうした再開発に参加していた辻さん。新入社員の時から直訴したこともあり、表参道ヒルズや六本木ヒルズの再開発に参加します。完成するまでに10年以上もかかった再開発、一番大変だったのは地権者への交渉でしたが、それをうまくこなしたことで、それぞれの再開発が成功します。2001年にはタウンマネジメント準備室担当部長2006年には取締役としてタウンマネジメント事業室長に就任した他、2009年には副社長になります。


社長になった決め手はタウンマネジメントという新たなビジネスを見出したことで、六本木という街を六本木ヒルズを利用してどこまで素敵な街にしていくのかをうまくコーディネートしたことで、創業者一族だった当時の森稔社長に認められ、社長に抜擢されました。その後の森ビルは、虎ノ門ヒルズや銀座にあるGINZASIXなどを開発し、森ビルの名前は誰もが知るところとなっています。2018年には国土交通大臣表彰を受賞するなど、その活躍は今も続いています。


辻さんの年収ですが、森ビル株式会社は非上場のため、役員報酬や持ち株などは明らかになっていません。ただ営業利益だけで2000億円を超えるなど相当な収入が森ビルだけで見込まれるため、1億円以上の年収があったとしても不思議ではありません。再開発をあらかた終えたものの、市街地の再開発はまだまだ続く可能性があります。中国への進出など様々なことにチャレンジを行う辻さん。街づくりは今も現在進行形で行われており、完全に完成を迎えるという時期はなかなか訪れません。その中で少しでも暮らしやすく、おしゃれな街にしていくために、森ビルの挑戦はまだまだこれからであり、今後の動きに注目が集まります。