化粧品やサプリメントを販売している株式会社ファンケル。

その株式会社ファンケルを創業し、現在は会長として活躍をするのが池森賢二さんです。

 

1937年生まれ、82歳の池森賢二さんは三重県の出身です。

結婚するのをきっかけに都市ガスの会社に就職した池森さん。最初は小田原や箱根を巡回してボンベの配達を行うなど、楽しく仕事を行っていましたが、このままでいいのかと疑いを持ち、37歳で退職します。

最初に立ち上げたのはボランタリーチェーン。コンビニのように共同で仕入れを行い、商品の供給を行うような仕事でしたが、結果的に失敗し、多くの借金を抱えます。ただ、兄からもらった仕事で成功し、借金を返した矢先、あることが起こります。


これまで苦労をかけてきた奥さんが肌荒れで悩んでいるというのです。化粧品が肌トラブルの原因だったというのは、その当時問題で、化粧品公害とも呼ばれていました。添加物を一切使わない化粧水を作れないかと考えすぐに作らせ、無添加の化粧品を売り出します。

口コミでその噂は広まり、大成功。1981年株式会社ファンケルが設立されます。

 

元々池森さんの正義感から始まった化粧品事業への参入は、異業種からの参入だったからこそ成功したと言えます。

サプリメント部門は1994年に開始しましたが、このきっかけも池森さんの実体験によるもの。口内炎になった際、ローヤルゼリーを勧められ治ったものの、それがとても高かったため、それをひっくり返したかったために、サプリメント部門を立ち上げました。


2005年に池森さんは一線を退き、名誉会長という立場でしたが、2013年、池森さんは代表取締役会長に復帰し、様々な手を打ちます。

事業の撤退やできるだけ外部を頼らず、社員たちで自ら企画立案し、仕事をやらせるようにしました。

復帰して間もなく、月額で2万円も給与を上げるという大胆な策に出て、一気にモチベーションを上げることに成功。離職率は低下し、池森さんが復活した効果がすぐに出ました。

現在も会長として残りますが、2019年にはキリンホールディングスに池森さんの株などを売却。キリンの連結子会社になる予定です。


池森さんの年収ですが、1億円以上をもらっているわけではなく、だいたい数千万円程度の役員報酬をもらっていることが考えられます。

資産はキリンへ売却をした株の譲渡額が1000億円を超えており、そのうちのいくらかを池森さんや親族が保有していたことから、かなりの金額が譲渡益になっていることが考えられます。