ユニークな商品名で注目を集めるほか、消費者のニーズにピタリと合わせた商品を開発する小林製薬。

その小林製薬で代表取締役会長として居続けるのが小林一雅さんです。

1939年9月19日生まれ、80歳の大台に乗せる小林一雅さんは、兵庫県宝塚市の出身。

 

小林製薬は、小林忠兵衛氏が創業者として切り盛りしており、一雅さんは忠兵衛氏のひ孫にあたります。

中学時代はフィギュアスケートに目覚め、国体にも出場する腕前でした。
甲南大学を卒業すると、1962年に小林製薬に入社しますが、数年後、コロンビア大学に留学。アメリカを旅行した際、アメリカの家でトイレを借りた際、青い水が流れたことに衝撃を受けます。

当時日本は水洗トイレがそこまで普及しておらず、汲み取り式トイレの時代。水洗トイレでありながら衛生的な状況に大きなショックを受けます。後にこれがブルーレットのモチーフになり、1969年にブルーレットが発売されます。

トイレ用品ではあまり競合相手がいなかったこともあって、ブルーレットは大ヒットを飛ばし、後にギネス世界記録に認定されるまでに成長します。一雅さんが社長に就任するのは、1976年のことですが、それ以来面白いネーミングセンスの商品や他社のヒット商品を分析して売り出す商品が次々にヒットし、年間で1000億円以上を売り上げる企業にまでなりました。


小林一雅さんの報酬ですが、2017年12月期の役員報酬は2億8100万円です。その前年が2億500万円、その前が2億6100万円とおおむね2億円台の役員報酬を受け取っている計算です。

資産ですが、主要株主のところに小林さんの名前がないため、どれくらいの資産があるか定かではありません。ただ、公益財団法人小林財団の理事長を務めており、その名前で主要株式の中に入っています。

資産は600億円近くありますが、これらは、留学生としてやってきたアジアの学生の奨学金として用いられており、小林さんの資産ではありません。
 

長らくトップを務めてきた小林一雅さん、名言も多く、有能な社員は自己否定できる人物だと答えています。とにかく創造を求めており、破壊が創造につながるとも語る小林さん。

一方で、自分たちだけで独り占めをすることをあまりよしとはしておらず、シェアのうち6割から7割は握って、あとはライバルに開放するとか。社員全員がさん付けで呼び合い、小林会長もさん付けで呼ばれるなど、ユニークな仕組みも特徴です。今後どのような賞品が飛び出すか、大変注目です。