先日行った「空海と密教美術展」 で購入した土産品のひとつ。


俳優沙人(しゃと)の日記


月輪(がちりん)の中に蓮華座があり、その上にサンスクリット語(梵字)で「阿」の字が座っています。「阿」の字は梵字の第一語であると共に、この世界、宇宙そのものの象徴である「大日如来」を意味しています。仏教から発展した「密教」では、この阿字を使った瞑想法”阿字観” が修行の第一歩であり必須の修法となっています。


これで「眼力養成」が出来ないかな?と思い立ちました。

切っ掛けは勿論、先日受けたWSで「目に力が無い」と言われたこと(^^ゞ

但しお芝居に於けるそれは、単に睨み付けるとかそう言った表面上の目勢では無く、あくまでも「心の動き」を伴った”目による意思表現”の事。


それを日常的にトレーニングする方法を模索してました。

お芝居での「目」の使い方の基本は、まずは何と言っても(意識して)「相手をしっかり見る事」と「相手と目線を合わせる事」。まずはその基本からトレーニングし直す事にし、美術展土産で偶々買った阿字を使うことにした次第です。やはり世の中無駄な事なんて無いのだ♪


因みに眼力を鍛える方法として有名?なのが、ろうそくの炎をじっと見つめるとか、動物園で猛獣にガンを飛ばす(笑)とかですが、どちらもお金が掛かるし、いろんな意味で危険を伴うので、現実的、日常的とはあまり言えないな~と。でも壁に掛かった一文字をただひたすら見つめ続ける阿字観(瞑想法だと半眼)は、手軽に出来て危険も無いので日常鍛錬法としては真にうってつけ!


その方法は至極単純です。

「阿」の字をひたすらガン見(笑)

ただし一切まばたきをしない、定めた視点を外さない。


とは言っても、お芝居の基礎トレの一環としてなので、無言だとホントにただのガン見、ただ睨みつけるだけになっちゃうのもよろしくない。


そこで「言葉」を発しながらすることにしました。

本当は「台詞」言いながらの方がより実践的だとも思いますが、一応基礎鍛錬ですからね。基礎鍛錬と言えばどこの世界でも「単純、単調、延々」ですから、それを踏襲したものにしなければなりません。


でひとまず選んだのが「般若心経」。。。

これは単に、何にも見ずに諳んじられる長い文が、今のところそれしかないから(笑)


腹式呼吸での発声を心掛け、息の続く限り声を出し続け、まばたきしたり視線が僅かでも泳げば初めからやり直し。かくして、上手く行けばたった2分で終えるはずが、初日の今日は20分も掛かっちまいました(^^ゞ


たった2分!されど2分!!

言葉を発しながらの一点凝視がこんなに難しいとは思いませんでした。

微妙に泳ぐし、気が付けばピントずれてるし、呼吸の合間で無意識にまばたきしちゃいます・・・。


もしかしたらこの無意識の癖が、お芝居の時の僕の目力に、多少なりとも影響してるのかも知れません。・・ってただの言い訳だな(笑)



因みに武術の世界では、一点凝視は「目付け」としてはNGです。

その理由として「視界が狭まる」「全体が見えない」「必要以上に過剰反応しやすい」「フェイントに引っかかりやすい」等です。


ではどんな目付けだとOKなのか?

代表的なものに「遠山の目付け」と言うものがあります。

これは読んで字の如し”遠くの山を見るように”相手を観ると言うこと。

これは目の前に居る敵にピント(フォーカス)を合わせるのでは無く、相手を視界の中心に据えつつその後ろの風景を含めて視野に入れる方法です。簡単に言えば、目のピントを甘くして相手をぼ~っと見る感じですね。こうすると相手の全体像を視線を動かさずとも認識する事が出来ます。やってみればわかります。


人の目って、まっすぐ正面を見ながらも、意識すれば視界の両端の景色まで、目線を動かさなくてもわかるじゃないですか。でその時ってぼ~っとした目になってますよね?それが武術に於ける”賢い”目の使い方です。


・・その目付きが身に付いてしまってたのも原因(^^ゞ??

いやいや、ちゃんと「心」が作れて無かったからさ!


少なくともお芝居に於ける目力とは「意思の強さ」のこと。

その表現力アップの為に始めた阿字観応用トレーニング。


吉と出るかどうなるか。

楽しみに見ていてください♪




ではまたパー