いろいろ会話した後に、出るはずだった講義が終わる時間になりかけていた

(そろそろ、教室行ってみよ?)

(うん。)

教室へ2人で向かう
入口の近くまで来ると、教室から何人かが出てきた

(ちょうど終わったみたいやな?)

(せやな。)

講義が終わったみたいで教室に入り、荷物をとろうとする

『なぁ...』

「ん?...あ...ももちゃん。」

百花が声をかけたことに対し、彩が気づき美優紀に話しかける

(美優紀、ちゃんと話し合ってみ?)

(うん。分かった...)

(大丈夫。)

(ありがとう。)

「ももちゃん...別なところで話そ。」

『え?あぁ...うん。』

美優紀は再び中庭へ行った
やはりそこには人はいなく、真面目に話すにはちょうど良かった

「なぁ...」

『ん?』

「なんで、かわいそうなんて言ったん?」

『それは...ごめん。なんも考えてなかった。ただ...』

「ただ...?」

『音楽に普段から触れてるからさ...音のない世界って想像できひんくて...だって、幼なじみやろ?』

「うん。」

『てことは、この前、ギター弾いてた人やろ?』

「せやで。」

『音が聴こえる世界やったら、もっと楽しいやろうなって、もっと上手く弾けるやろうなって...』

美優紀は静かに聞いていた

『だから...だから、耳が聞こえないって知った時、かわいそうって言ってしまったんや。』

「やっぱり、ももちゃんはももちゃんやな...」

『え?』

「ちゃらんぽらんそうで何も考えてなさそうなのに、ちゃんと考えてる。」

『ちゃらんぽらんて...』

「見た目が白髪に沢山のピアスやったらそう思うやろ。」