トントンッ


再び肩を叩き、美優紀が微かにこちらに向いた瞬間に、腕を掴みその場を離れようとする彩

状況が分からないままだが、このままではいけないと百花にペコっと一礼して無理矢理、美優紀を引っ張っていった


トントンッ


(ん?)


(彩ちゃん、離して!)


(あぁ、すまん。)


(なんで引っ張ってきたの?)


美優紀はまだまだ不機嫌そうにしている


(あのままじゃあかんと思って。)


(別にええやろ!こっちは怒っとんねん!)


(何を話してたか分からへんけどあかんやん。一方的に喋って...相手の話も聞かへんて...感情任せにやってもいいことなんかないやろ。)


(彩ちゃんのこと、何も知らんのに"かわいそう"って言ったんやで?)


(何も知らんから...やろ?)


(え?)


(何も知らんから、聴こえへんってことだけに気を取られたんやろ...それになんかを思って...その言葉の裏に何か意味があるかもしれへんやん。)


(どういうこと?)


(ほら...分かってへんやん。ちゃんと相手の話聞かなあかんやん。)


(それは...)


(私のことになるとすぐに感情的になるよな?自分のことをどう言われても流せるのに...)


(だって、彩ちゃんがいろいろ言われてたら許せへんもん。)


(はいはい。ありがとう。ただ、他の人とも仲良くな...)


(...うん。)


(それと...さっきの人、知り合いやろ?ちゃんとあとで話し合えよ。)


(え?ももちゃんと?)


(名前は知らんわ!とりあえず、ちゃんと相手の話も聞いて解決しなよ。)


(うん。分かった...)


(はい。とりあえず、この件は終わり。)