なんだか胸騒ぎがする。

そんなことを思ってたら足が勝手に向かってた。


【あれ??どうしたの??】


「あ~ちょっと」


【探し物ならステージ裏じゃないかな】



仲良しのスタッフさんから声をかけられ

私がここに来た理由を察してくれた。



「ありがとうございます!」


【どういたしまして~】



私は急いでステージ裏に向かった。

やっぱり。

小さくなってる彼女をみつけた。



「そんなとこで何してんの??」


『え!!』


「何してんの??」


『別に…』


「そっか」



それ以上聞かない。

言いたくなったら話してくれるだろうし。

ただ側にいてあげることで役に立つなら。



『あのね…』


「うん??」


『あのね…今日上手くできなくて』


「うん」


『いつもなら間違えないとこで間違えたんだ…』


「そう」


『ダメだね、キャプテンなのにさ』



誰にだってあることも彼女には納得がいかない。

責任感がそうさせるのか。

それとも…。



「そんな日もありますよ。人間なんだから」


『でも』


「大丈夫!!ゆうちゃんは最高のキャプテンですよ」




ぎゅって力一杯抱き締める。

大丈夫って伝わるように。

最高だよって伝わるように。



『なぁちゃん』


「はい」


『ありがとう』


「いつでもどうぞ」


『甘いんだか厳しいんだか』


「愛故です!!」


『はーい』


「帰ろ」



彼女の手を引いて離れないように。

彼女もそれに答えてくれた気がした。



あなたは最高のキャプテンだし

最高の相方だから。


『好きですよ』


「知ってるよ///」

今日は人生で1番大切な日。

そう。大切なあなたの人生で1番大切な日。




ま:奈々


な:真子


ま:来ないのかな~って思ってた。


な:あ~。迷ったけどスピーチ頼まれてるし…


ま:ゆいりちゃんから??


な:そう。だから来ないわけにはいかないの。

 本当。最後まであの人らしいよね。


ま:そうだね。あ!!そろそろ時間だし中入ろ




真子に言われて、会場の中へ入った。

見慣れた顔が沢山あった。

13期さん、みぃさん、おんちゃん、みき。

16期のみんな。

あの頃の変わらない様で皆が集まると

当時に引き戻される感覚。



式が進んでいく中で当時の写真がスライドから流れてきた。

懐かしい反面、寂しい気持ちになる。

それはきっと、私だけだよね。

隣の真子や皆が少し切ない顔をするのは

私とあなたのスライドが流れた時だけ。

そんな顔してほしくないけど、そうなっちゃうよね。



そして、友人代表スピーチの時間がやってきた。

司会の方から紹介されマイクの前に立つ。

当時のように暖かい眼差しで皆が見ている。



な:ゆいりさん。ご結婚おめでとうございます。

 色々な想い出が有りすぎて何から話しましょうか。

 AKB時代。私は沢山助けてもらいました。

 我が儘を言ったことも沢山あります。

 そのせいで困らせてしまったことも。

 本当にごめんなさい。

 1つ期が上で、同じ年で、同じチームで。

 ずっと隣にいてくれた。

 大切なあなたの大切な日。

 



言葉がつまってしまった。

ちゃんとしなきゃ。

ちゃんと…



ま:奈々!!


な:!!


ま:素直な気持ちでいいんだよ。




真子。みんな。

そうだね。やめた!!




な:失礼しました。

 大切な日を壊すようなことはしたくありませんが

 書いてきたスピーチを変更します。

 ゆうちゃん。あなが大好きです。

 これから先も変わらないと思います。

 あなたの幸せの先に私がいたいと思った。

 でも決めるのは、ゆうちゃんです。

 このスピーチを頼まれたとき複雑でした。

 大好きな人に祝福の言葉をかけなきゃいけないんだから。

 でもやめた!!ゆうちゃん!!私はあなたが好きです。

 これからもきっと。村山彩希だけだと思うから。

 以上です。ありがとうございました。





スピーチを終えて、会場の外に出た。

あの場にいることが出来なくて。

ボーッと空を眺めてた。




ゆ:いい逃げ??


な:!!何してんの!!


ゆ:うん??逃亡??


な:いや、ダメでしょ!!早く戻って!!


ゆ:戻っても式はやってないよ。


な:え??




後ろには味方がいた。

真子。みんな。



ゆ:本当なぁちゃんはずるいな~


な:なんで…


ゆ:ママたちには理解してもらってたから


な:??


ゆ:なぁちゃんのスピーチ次第で、このまま結婚するか

 途中で取り止めるか。了解はもらってます。


な:ゆうちゃん…


ゆ:あのまま結婚してた方が良かった??


な:…どうだろうね。

 後悔しちゃうかもしれない


ゆ:そうだね~。

 でも、相手はなぁちゃんだから。

 きっとないと思うな、後悔すること。


な:それは凄い自信ですね


ゆ:私の愛した人ですから??

 自信があって当然でしょ。



本当に後悔しないのか。

それは分からない。

ゆうちゃん。

あなたは本当に凄い人だ。


心のヒーロー番外編です。
さて、どうぞ。



波瑠が沙穂を好きなのは知ってた。
なのに、何でこんなに切ないんだろ。



彩「早紀」

早「彩希」

彩「良かったの??」

早「何が??」

彩「波瑠のこと。好きだったんでしょ」

早「彩希は本当にそういう鋭いね~」

彩「早紀にしては珍しいから」

早「いいんだよ。知ってたから。
  波瑠の気持ちも、沙穂の気持ちも。」

彩「そっか」

波「早紀…」

早「波瑠!!」

彩「ちゃんと話した方がいいと思って」

早「彩希らしいね」

彩「ごめん…」

早「謝らないで」



彩希は波瑠と2人にしてくれた。
何話そうかな。



波「早紀」

早「うん??」

波「ごめん…」

早「謝らないでよ。知ってたし」

波「でも」

早「沙穂のこと頼んだよ」

波「早紀も大事だよ」

早「ありがとう。でも、その優しさ今はダメなやつだよ」

波「おいで」



波瑠はズルい。
本当に。
ダメだって思ってるのに。
これに甘えてしまう。
ぎゅってして貰うってもいいよね。




早「波瑠」

波「うん??」

早「沙穂に怒られる」

波「大丈夫。分かってるよ、沙穂も」

早「そっか…」

波「早紀。大好きだよ」

早「ありがとう」



あなたの優しさが辛い。
でも、初めて好きになった人が波瑠で良かった。
この時間を作ってくれた彩希に感謝かな。
私も大好きだよ。これからはメンバーとしてね。