関 節夫のパラダイス・カフェ

関 節夫のパラダイス・カフェ

心からの言葉「ココトバ」を紡ぐココロ二スト&短歌アーティスト・関 節夫の公式ブログです。

https://www.bestkenko.com/

心からの言葉「ココトバ」と、魂を込めて紡いだ31拍の短歌をお届けする

ココロニスト&短歌アーティストの 関 節夫ワールドへようこそ。

短歌を武器にして、音楽、写真、イラストなどのコラボレーションによる

クロスメディアの表現で時代を先鋭的に切り取り、 癒しから元気の素を

発信しています。

心の琴線に響く、メンタルデザインと短歌セラピーの世界を

ゆっくりと ご堪能いただければ 幸いです。

*「ココトバ」「ココロニスト」は関節夫が商標登録です

関 節夫のパラダイス・カフェ

短歌朗読CDアルバム        i-Tune からダウンロードができます。                     

「ゆらぎの言ノ葉」

                        「ゆらぎの言ノ葉」のCDや

                  「関 節夫・短歌スピリットコンサート」の動画が   

                               MySpace から試聴できます。

関 節夫のパラダイス・カフェ 九州・博多の自殺しようとした男性の命を救い、

マスコミで話題になった

~お父さん応援短歌~

「たそがれはまだ早い」

関 節夫のパラダイス・カフェ 日本で最初の

短歌と写真のコラボ

写歌集

「恋  時」           

関節夫ビタミンラヂオ【ココトバWAVE】 関 節夫のパラダイス・カフェ

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#関節夫の手のひら小説361


#東日本大震災15年忌特別書き下ろし


タイトル:瓦礫の中の春


「見るがいい天地の怒りの瓦礫から

小さな『いのち』産まるる希望を」


圭介がその短歌を詠んだのは、あの震災から二日後のことだった。


テレビの画面には、押し流された町と、積み重なる瓦礫の山。

言葉を失うほどの光景のなかで、ひとつのニュースが流れた。


瓦礫の中から、泣き声が聞こえた。

まだ生まれて間もない、小さな赤ん坊だった。


「……生きてる」


圭介は思わず呟いた。

隣でニュースを見ていた真理子は、静かに涙をぬぐった。


「こんな世界でも、命は生まれるのね」


怒り狂う大地のあとにも、

それでも命は芽吹く。


圭介は震える指でメモ帳を開き、

その瞬間の思いを短歌に書き留めた。


——それから十五年。


春の風が、町の新しい街路樹を揺らしていた。

かつて瓦礫の映像を見つめていた二人も、歳を重ねている。


「覚えてる?あのニュース」


真理子がふと尋ねた。


「瓦礫の中から赤ちゃんが見つかった話」


圭介は頷いた。


「ああ……あの子、今は十五歳だ」


「中学三年生ね」


少しの沈黙のあと、真理子が微笑んだ。


「きっと背も伸びて、友達と笑って、未来のことを考えてるわ」


瓦礫の町から生まれた命は、

今、未来の入口に立っている。


圭介は空を見上げた。


あの日、絶望の中に見えた

小さな光。


その光は、十五年の歳月を越えて

確かに、この世界を照らし続けているのだった。