前にも似たようなテーマで書いたけれど、最近また色々と考えている。

きっかけは本命君のやたらと熱心な押し。

この、自己啓発セミナーの事を、もう少しリサーチしてみた。

そしたら、色々出てくるわ、出てくるわ。(笑)


もちろん、宗教じゃないので、誰かを崇めるとか、家族や浮き世を捨ててここでユートピアを作ろう、とか、そう言う事は言わない。

基本的には、自分の常識を打ち破って、全てのしがらみや過去から自分を解き放ち、本当の自分として生まれ変わる、のような事が目的。

お金の問題、家族の問題、仕事の問題、恋愛の問題、何でも構わないから、自分が問題を抱えている部分に焦点を当てて、自分の過ちを認め、そこから全てを変えていく、みたいな。


でも、そのやり方が乱暴と言うか、何とも、「刺激的」なやり方なのだ。

まず、3日間、朝から夜遅くまで、100人ー150人くらいの大人数で、一人一人の問題を話し合っていく。話し合うと言うか、皆の前で言わされて、それを講師(?)がぼろくそになじるのだ。
「それはあなたが悪い。」
と。
「それを人のせいにしている、あなたは何も分かっちゃいない」
とか
「あなたが正しいと思っているのは、あなたの頭の中だけの話で、あなたは決して正しくない」
とか。

否定されまくるのだ。



このテクニックは、軍隊でも使われるらしい。

まず、相手の「観念/概念」を粉々にする。

それから、同じ体験をした人達の中に「同士」の意識が芽生える。

そうやって、軍は個々をコントロールし、一つの運命共同体を作るのだ。


で、そう言う荒療法で、人々の傷をえぐって、自我を否定して、不安定な精神状態に持っていってから、
「全ての過去やエゴを捨てた今のあなたは何でも出来る。あなたは世の中を変えてゆける。」
のような(定かではないけれど)事をいうのかな。(ここは推測)


とにかく、そんな荒療法しなくても、ゆっくりと自分と向き合う事だって出来る。

だけれど、それをした事がない人は、この3日間のショック療法ですっかりと「信望者」になってしまうのだ。

それから、最初のベーシックコースは$550だけれど、次のアドバンスは$700、その上のウィズダムコースは$1700と、高い値段設定になっていて、「信望者」達は、「もっと、もっと、あの刺激を、あの感覚を」と更に上のコースを取るようになる。

そして、ちゃっかりした事に「教え」の中には

カリスマティックな人間になって、人に影響を与えるようになれ。

自分の体験を沢山の人と分け合い、教えてあげよう。

なんて言う、暗に勧誘を要求するものがある。


そして、本当に、彼らは人に勧めたがるのだ。




このセミナーの事を調べて、洗脳の仕組み、洗脳の方法などを調べているうちに、本命君が明らかにその渦中にいる事が、分かった。

あの、自分勝手さと、我が道を行く強さ(と私は思っていた)は、単なる、洗脳の産物だったのだ。

彼は、例に漏れず、どんどんと上のコースを取り続けている。

そして、私にも勧めている。

そして、自分の価値感を信じきって、人の話を聞かない。




私は何度も

「全ての事は、自分のモノの見方次第で変わる」と書いてきた。

実際に、一つの物事を違う視点から見るだけで、そこには善も悪もなくなる。

あるのは、「事実」だけで、その事実だけでは、人は傷ついたり怒ったり悲しんだりはしないのだ。

人が傷ついたり怒ったり悲しんだりするのは、その人の頭の中で、過去の経験に基づいて出来上がった「こうなったらこうなる」というプロットが一人歩きするからなのだ。

そのプロットが、まるで今起こっている事実を「証明」するかのように働き、その事実は勝手に解釈される。

「事実」には、証明の必要も、解釈も要らないのに。


ちょっと、小難しくなってきたから話を元に戻すと、

私の中で一つの不安があった。

それは、

「こうやって、感情を切り離した認識をしていたら、私は優しい人間じゃなくなるんじゃないかな」

というものだった。

例えば、私の言葉で誰かが傷ついた。

私は罪悪感を感じる代わりに

「傷ついたのは、向こうがそう解釈したから。私のせいじゃない。」

と切り離して考えるようになったら、

そりゃ私は、自由で楽だ。

でも、本当にそれで、私は優しい人間でいられるのか。

それが一つの不安として、しばらくあった。


まあ、結果としてやっぱり、切り離すのは構わないけれど、相手を思いやる気持ちとか、人類愛とかの愛情は、「意識して」持ち続ける必要がある、と思った。

愛を心の中に持っていない人もいる。

愛を知らずに育つと人は人を愛せなくなる。

でも、愛を知ってる人が、愛を手放さずに、人に、地球に、優しく愛を注ぎ続ければきっと、それは何処かで繋がるんじゃないかなって。



本命君が、どこまでも自分勝手で、私の「傷ついた」という訴えにも「それは君の問題」と言い放つ冷たさも、全て説明がついた。

でも、多分、彼は愛が欲しいんだ。



そのセミナーに行く前の彼に、会いたかったな・・・。