毎度ありがとうございます。サウスウインドのナガシマです。




ハリケーンカヤックスのスキマーシリーズなどABS樹脂製カヤックは、背もたれに強く寄りかかっておもいっきり体重をかけると、付け根の部分にヒビや亀裂が入ったりすることがあります💀 私もスキマー116を所有しておりますが、大事なカヤックがこうなってしまったときのツラさのダメージは95万スコヴィルくらいあります。強化ABS樹脂とはいえ、要はプラスチックですので、過度な荷重をかけると、当然、ゆがんだり割れたりします。ご注意くださいませ! 

 

これは、サウスウインドで長年、使用している試乗艇のスキマー116です。2013年に輸入された最初期モデルを毎週のようにみなさまに乗っていただきましたので、若干、くたびれてきました。一度はエポキシ接着剤でヒビを補修したのですが、亀裂が拡大し……。ただいま海水浴シーズンのためカヤック体験試乗会は中断しているので、今回もう一度、しっかり補修することにしました。

 

そんなとき、ある程度までの割れでしたらサンパッチシートという紫外線硬化補修材でわりと簡単に直すことができます。粘着シートのようになっていて、ハサミで切ってカヤックに貼り付けて、太陽光に当てるだけで数時間でカチカチに固まってくれるという優れモノです。大きなホームセンターのほか、Amazonやモノタロウなどで売っていますので、もしものときはご活用くださいませ。また、同様の方法としまして、切ったガラスクロス(ガラス繊維の布)をヒビや亀裂にあてがい、プラリペアという接着剤を塗って硬化させる修理方法も有効です。お手軽なのは、やはりサンパッチシートですかね。※ご使用の際は、取扱説明書をよくご確認くださいませ。

 

まず、カヤックの潮汚れや砂、ほこりなどをきれいに落とし、できればアルコールなどで油脂などをよく拭きとってから、亀裂に貼っていきます。サンパッチシートはそこそこ厚みがあるので、貼った部分がかなり目立ちますが、背に腹は代えられないですし、海の上ではだれも見ていないので、OKとします。なお、重ね貼りするには必ず日光に当てて固まったあと、表面の薄い保護シートをはがしてからにしましょう。固まる前に重ね貼りすると、いつまでも硬化しなくなってしまうのでウルトラ要注意です(経験あり)。

 

で、割れてはいませんが、うっすらヒビの見える部分にも貼っておきます。ちなみにサンパッチシートはくもりの日でも明るい日中なら数時間で硬化します。あとは、UVライトで強制的に固める方法もあります。蛍光灯の光量でも長時間、照射すれば硬化するという話もありますが、晴れた日に外に出しておけば一発で終了です。

 

スキマーシリーズは、背もたれの裏側にあるネジが長期的に背中側のデッキに当たると、くぼんだりキズがついたりします。このため、背もたれの高さを調整するときは、ネジの頭の位置にご注意ください。この試乗艇も、補強としてペロッと貼っておきました。

 

なお、サンパッチシートの届かないすき間や、ちょっとしたキズなどの補修には、二液性エポキシ接着剤を使用することもあります。このGフレックスは、ハリケーンカヤックス社が推奨しているかなり強力な接着剤です。もちろん、ABS樹脂の接着もできます……が、現在のところ日本では入手できないようです。なので、ABS樹脂を接着できる二液性エポキシ接着剤で代用くださいませ。

 

補修作業を進めて本日中に完了させ、完成した状態をアップしようと思っていましたが、横浜は朝から大雨のち小雨。というわけで、今日は断念します。……引き続き、コツコツ補修していきますね。

 

 

 

カヤックの補修は、デッキ面の喫水よりも高い位置の小規模なヒビ、割れ、穴、キズでしたら、状況にもよりますがほとんど場合、直すことができます。ただし、船底の割れや穴、スカッパーホールの亀裂など、水圧のかかる部分の修復はほぼ不能です。クルマと違い、あくまでカヤックはキズや汚れがつくこともある「道具」ですが、大事に乗ることに越したことはありません。ぜひみなさんも、いつも乗っているカヤックはたまには労わってあげてくださいね♪

 

それでは、ナガシマでした☆☆☆彡