こんばんは、よっしーでございます。



先日のこと、ふるーいポリエチレン製カヤックの修理をしました。

当店の常連・みんぱぱさんがカヤックフィッシングを始めたいとこのCさんに譲ったもので、みんぱぱがそりゃもう長く使っていた(軽く10年前くらい?)マリブカヤックス/ミニエックスです。

「ミニエックス、軽くてパッと出せていいんだよねぇ!」
バリバリのカヤックアングラーさんは12フィート、13フィートのカヤックを買ったとしても、ミニエックスはすぐには手放さないという感じです。短時間でカヤックフィッシングを楽しみたいときとか、友達に貸して一緒に漕ぐとか、ちょいと使うのにいいので売りたくならないんですって。




ミニエックスのハンドルの部分がひび割れてしまっています。
ボルトというか埋め込みのナットが潮で腐食して起こっています。

あ、マリブカヤックスのカヤックたちはもう何年も前に仕様変更になり、現行モデルではこんなことは起こらなくなりました。ご安心くださいませね。



ひび割れを直すには、まず取り外すことから。



ひび割れが大きければ、こじってナットごと外します。ボルトがまわったとしても、ナットは外れません。
小さいヒビだと、ボルトナットを外すのがかえって大変だったりしますね。このカヤックの場合は片方はすぐ外れて、もう片方は結構ぐいぐいやりました。
3つに割れてるのはボルトじゃないです。ボルトが入っていた周辺が潮で固着して割れたのかな?


外したハンドルとワッシャーはまだ生きているので、リユースします。


こんな感じでボルトナットは使えないので、リベットで留めることにします。


熱で溶かして、ひび割れを埋めて行きます。今回は半田ごてで手術です。


穴とかヒビで段差ができたところは、艇の裏側からも念入りに。
クラックのように軽傷に見えるところでも、半田ごてでなでるだけではダメです。半田ごてだと、こてが接しているほんのちょっとしか溶けていません。ということは、カヤックの裏側まで溶けていません。溶けた表面がかさぶたのように貼りついているだけなので、引っかけたりするとかさぶたが剥がれたりします。そんな程度では全然強度もないので、半田ごてが貫通するまでしっかり溶かして埋めて行きます。

じっくり溶かすので、ポリエチレンが溶けるニオイがすごいです。倉庫などの室内で行う場合はしっかり換気してくださいね。


なんとかできました。
溶かしまくったのでホワイトのポリエチレンが黄色くなってしまいましたが、がっちりくっついています。


あとは、ハンドルを取り付けるだけ。先ほど外したハンドルを付け直します。


割れはしっかり埋めてありますが、念のため同じ場所には取り付けない方がいいです。
強度を保つために、ハンドルは向きを変えて、違うところに穴を開けてリベット留めしました。

このカヤックのハンドルはこれで全部付け替えたので、もうこんなことは起こらないはずです。ハルの擦り傷はまあまああるけど、まだ使えますよ!

この出来、Cさまにもご納得いただけました<(_ _)>よかったです~。




ポリエチレン製カヤックの修理は、熱で溶かしてくっつけるのが基本のやり方。割と簡単な方だと思います。

何か気になるな~と思っても見なかったことにしているアナタ、
この梅雨の間に愛艇のメンテナンスしておきませんか?
直しておけば、次からは安心して、漕ぎ出せますよ(=゚ω゚)ノ

FRP製のカヤックはまた違う修理方法がありますので、気になったらまずご質問くださいませ。

サウスウインド 045-222-1322 まで、
いつでもどうぞ~♪




by よっしー