日本の電力は送電線でつながっているので、例えば青森にいながら九州電力から電気を買う事は可能です。
こういうのを託送(たくそう)と呼びます。
託送は技術的にも法律的にも以前から行えます。但し託送には通過するエリアの電力会社に支払う託送料が発生します。
日本は電力自由化後も電力会社保護の観点から託送料が高めになっているので、託送で電力の供給を受けるとコストが高くなってしまい、経済的メリットがなくなるので現実的には行われていないのです(PPSからの供給は除く)。
託送は行われていませんが、電力各社は以前から電力を融通しあっています。
電力が足りなくなってくると、通常大工場の計画停電(夏休み期間利用)、電圧降下、周波数降下を行うのですが、それでも足りない、と言うときでも、電力会社は電力を供給しなければなりません。電気事業法で「安定して電気を供給する事」が定められているからです。
よってそういう時は他電力会社から電気を融通してもらえるようなシステムになっているのです。
但し。
交流の場合電圧、周波数、位相があっていないと同一の電路に電気を通す事が出来ません。
その調整を周波数変換所で行うわけですが、そこにある装置には容量があります。
無限大に50Hz⇔60Hzの融通は出来ないのです。
つまり、現在でも電力は融通してもらっていますが、周波数変換装置の容量が足りないので、東電管内で不足している電力を補えていない、と言う事なのです。
火力、オンサイト発電機早期稼動と併せて、周波数変換装置の増強も急務と言う事になります。
節電で夏は乗り切れません。輪番停電の影響で経済も失速します。海外の経済にも迷惑をかけます。
既に影響が出ています。
節電で何とかなる、みたいな幻想から一日も早く脱却して、供給を増やす対策を打ち出して頂きたい。