雨―――今までの全てを洗い流すような雨。
入学式なのにまだ桜も完璧に咲いていない。
その上、雨というひどい仕打ちだ。
俺は紅龍火々。今日から中学生。
ちなみに女だ。格好的にも男だけど、女。
「おはよう!!火々♪」
コレは大の仲良しの佐田草莉真。
血液型も身長も一緒だから、双子と間違えられたりもする。
「おはよー♪」
中学校までは莉真と一緒に行く。
今日は母親も一緒だ。
4人で話しながら、まだ咲いても散ってもいない桜並木を歩く。
入学式では1人友達が出来た。
それ以降も、徐々に徐々に友達が増えてゆく。
中学校は小学校と違って10分休みだから、結構休める。
「火々ぃーっ!!!!!」
莉真だ。前日塾で疲れきっている俺は無理矢理笑顔を作る。
「おうおう、何???」
「ウチのクラスに超カッコイイ人いんだけどーっ!!!」
「真面目!?どれ、ドレぇ?」
廊下で騒ぐ女子達は、異常なまでに新鮮さを持っていた。
「あれ♪超イケメンじゃなぁい???」
『全然じゃん』、そう言いそうになった。
だが、グループの中に存在するにはノリが大切だ。
「えーマジ、莉真のタイプにドツボじゃん!!」
「いやぁー///超カッコイイ☆」
キャハハと新鮮味を持った廊下の女子達と同じ様に騒ぐ。
予鈴が鳴り、走って教室まで戻る。
「ふぁ…セーフ。」
「セーフだったね☆」
そう優しく声を掛けてくれるのは一番に出来た友達、
二ノ村流香である。愛称は<ルッカ>。
「ルッカ、いつの間に消えたと想ったら…着席してたの?」
「だって火々、莉真達と楽しそうだったしさぁー」
楽しくなんてない。ハッキリ言って、俺はグループが嫌いだ。
今は一番勢力の大きいグループにいるが、性に合わない。
俺はよく、クールで冷めていると言われる。
きっとその冷めてる性格のせいだろう。
グループにいたら、時々辛くなる。
でも莉真とはずっと友達と約束したし、今更グループを抜けるなんて無理だ。
嫌われる。イジメの標的になるのだ。
(ソレは嫌だよなー、1人孤立するのは。。。)
当たってしまうなんて、想わなかった。
Faint(フェイント)とFake(フェイク)は共通して【偽り】という意味。
この2つの言葉がこんなにキレイに当てはまるなんて考えられない。
全ては、新生活の始まりと共に訪れていた…。