仕事が繁忙期に入った。あと3週間は気を抜けない。
そのくせ、昨日は読みかけの小説に時間をとられた。そして、妻に隠れてウィスキーを飲み、少し酔って寝た。
いつもより2時間早く、3時少し前に一度目がさめた。
夢を見ていた。ねじれた脈絡の出来事が少し続いて、その詳細は忘れたが目覚める直前のひどくあせった気持ちは生々しく記憶に残っている。

私は、見覚えのある景色の道を、家に向かって単車で走っていた。すると数百メートル先に警官がいるのが見えた。
私はあわててUターンした。そのとき、警官が確かに私を見たのがわかった。
彼が私を見逃すか、猟犬のように追いかけてくるか、私には分からなかったが、私は半ばあきらめながら僥倖を願って、あたかも何事もなかったかのように単車をゆっくりと走らせた。
夢の中で、私は単車で走り出す場面の少し前に、誰だったかはもう思い出せない昔なじみと昼間から酒を飲んでいたのだ。
そして、単車に乗り始めたときにはそんなことはまったく覚えていなかったのに、警官の姿を見たとたんに先まで酒を飲んでいたことを思い出してしまったのだ。
その警官が後ろから今にも声をかけそうな気がした瞬間に、私は目が覚めた。

トイレに行って寝ようとしたが、しばらく寝付けなかったのでまたおきだし、結局2時間近く湯船の中で、読みかけの小説を読んだ。

ようやく眠気がきざしたので、5時頃にもう一度寝た。
今度は、夢の中で私は自家用車を運転していた。
行き止まりの細い路地からバックさせて車を通りに出すと私は車の尻を左に回して、右車線を少し後進した。それから左車線に移り前進しようとした。すると、またもや警官が近くにいて、車を路肩に止めて降りてくるように大声で呼びかけた。
私はどのように言い訳をしようかと思いながら、車のドアをあけたとたんに目が覚めた。
妻が私にそろそろおきるように呼びかけていて、へんな寝方をしたので私はなんだか頭の芯が痛かった。

こんなに警官のことばかりが出てくるのは、今朝まで読んでいた小説が悪徳警官と冷酷で腕利きの殺し屋の戦いの話しだったからかもしれない。
もっとも夢の仲の私の事件は、はるかにけちくさい出来事だったのだけれど。